ノアの大洪水からかなりの年月がたち、世の中にだいぶ人が増えてきたが、みんな同じ言葉を使っていた。
あるとき、東のほうから移動してきた一団がいた。
彼らはシンアルという地に平野を見つけて、そこに住み着いた。
シンアルというのは、ウルのあたり。
かれらは石の代わりにレンガを使った。
しっくいの代わりにアスファルトを使った。
「さぁ!町と塔を建てて天まで届かせよう!
我々は有名になるのだ!
そして全地に散らされることのないようにしよう!」
こうしてシンアルの地では、天にも届くような高い高い建物が造られ始めた。
しかし、神はノアの箱舟の時にこう言っていた。
「生めよ、増えよ、地に満ちよ!」
人間にはいっぱい増えて拡散してほしかった。
東からやってきた集団は真逆のことをしていた。
神さまはキレた。
「こいつら何しとんねん!
完全に神様に対する挑戦やないかい!
わかった!
こいつら人間は、一つの民族で同じ言葉を話しとるから、こうやって一致団結し始めたんやろ。
このままやったら、人間が何かを企てたら止めることができひんようになるかもしれない。
今すぐに人間たちの言葉を混乱させて聞き分けられへんようにしたろ」
こう考えた神は一瞬にして全治の言葉をバラル・混乱させた。
急に言葉が通じなくなった人々は混乱し、建物の建設どころじゃなくなった。
そして、同じ言葉を話す人同士だけで固まって、全地に散っていく。
「バベル」という言葉は、「バラル」が由来だとされている。
では、このバベルの塔を作ろうと言い出したのは一体誰だったのか?
創世記10章には、ノアのあとの子孫のことが書かれている。
ノアの息子のハム、ハムの息子のクシ、クシの息子がニムロデ。
ニムロデが、この世の権力者となった最初の人であると記されている。
ニムロデが支配した地は、シンアルの地にあるバベルという国であった。
このことから、ニムロデがバベルの塔を建てようと言い始めた張本人だと考えられる。
東からやって来て技術革新を起こしたのはシュメール人。
シンアルはシュメール地域の中心。
ニムロデは最初に権力を持った者。
ニムロデがシュメール文明の祖であったとも考えられる。
ニムロデの名前の意味は、「我らは反逆する」。
ニムロデはバベルの塔建築の首謀者であるが、建築前に何千人という人々に石工の技術を伝えている。
ニムロデは、大量の石工職人・メイソンを生み出していた。
このことから、フリーメーソンでは、ニムロデを石工の祖として崇拝している。
また、神に近づこうとすることは、決して悪いことではないとする、1世紀に誕生し、3~4世紀ころ地中海沿岸の領域で勢力を持っていたグノーシス思想に通じていく。
グノーシスは、古代ギリシャ語で、「知識・認識」を意味する。
何を認識するのか。
自己の本質の認識。
そして、神を真に認識し知ること。
知恵の探求を通して真の叡智に到達し、真実の神の領域に自己を進化させるという思想。
グノーシス主義の人たちは、
「こんな争いの絶えない悲惨な世界おかしくないか?この世は邪悪な神様が支配している。」と考える。
グノーシスにおいては、聖書における「善」と「悪」とは反転している。
ヤハウェは、「ヤルダバオート」という偽の神として扱われている。
エヴァに知恵の実を食べさせた蛇が、人類に知恵を授けた真の神だとして崇拝されている。
偽りの世界を見破る知恵を授けてくれたルシファー、すなわちサタンこそが、真実の知恵の光であり、真の神だと考えられている。
ニムロデを祖とするフリーメイソン・イルミナティの考えもこれに似ており、フリーメイソンは悪魔崇拝だと言われるゆえんになっている。
フリーメーソンのマークの「G」は、ゴッド、ジオメトリ(幾何学)、グノーシスのイニシャルである。
東京タワーのお隣の建物の入り口にもこのマークを見ることができる。
今は改装中?
ニムロデがシュメール初期の人物であるとすれば、そのころのシンアルには様々な民族、言語があったはず。
ニムロデは、様々な人種や言語を統一して、高度な石工技術を指導し、バベルの塔建設、新世界秩序の創造、ニューワールドオーダーを実現しようとし、神に阻まれ失敗した。
神とディープステートが重なって見えてしまうのは私だけだろうか…
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