堤未果さんの考える日本の食糧安全保障。
食糧安全保障とは、食糧を安定して供給する、ということ。
新型コロナ、ウクライナ危機によって流通が止まった。
さらには、エネルギーが高騰し、食べ物が高くなっている。
このままだと食糧危機が来るのではないかと言われている。
でも、日本はそこまで心配しなくても大丈夫。
ただし、「とにかくたくさん輸入すればいい、大規模化・株式会社化でやっていこう」という考えのままだと自滅する。
今ここでマインドを切り替えることができれば、日本は飢えることはない。
1961年、農業基本法が定められた。
1960年代は経済成長しようとしていた時期。
とにかく大量生産して生産量をあげる、
工場と農家の収入にあまりギャップが生じないようにする、
農家が自立できるようにする、
そういう柱でやっていたので、方法論として大規模化という方針で進めていた。
大規模化すれば生産量あがるし所得も上がるから。
この時点では食糧安全保障という考えはなかった。
生産量にだけ着目していたので、環境、農村は置き去りにされ、農村はつぶれ始めた。
そんな中、80年代アメリカが穀物の輸出を止めたときがあった。
「大変だ、こういうことも今後あるかもしれない」と、食糧自給、農村、農業の機能、食糧安全保障などについて考え始めた。
しかし、WTOの各国交渉決裂によりその流れが止まった。
そして出た食糧安全保障の結論が自由貿易。
安い国で作って安いものを買いましょう、そうすれば日本人は飢えません。
実はこれは逆だった。
輸出国が輸出を止めたら日本は干上がる。
自由貿易が実は脆弱なことが、今回コロナとウクライナ危機により世界規模で分かった。
政府は、農業基本法の見直しの必要性を感じた。
しかし、経産省が、引き続き、生産性重視、輸出、法人化、大規模化の流れを継続させた。
農家の高齢化により、大規模化しようにもなりてがいない、という声に対して、テクノロジーというアップデートをかかげた。
これは、アメリカの考え方を踏襲している。
日本とアメリカではバックボーンが違うので、この考え方は危ない。
どう違うか。
アメリカは企業城下町。
企業が牛耳っている国。
マーケットになっていることが前提
これから食糧危機が来るという不安感もマーケットとして利用する。
食糧危機が来るから大量生産しなければならない、
タンパク質を補うために昆虫食、人工肉、人工ミルク、
と言ったフードテックによりマーケット化をもくろむ。
「持続可能で小さくローカルに」では儲からない。
遺伝子組み換えは評判悪いのでもう売れなくなっている。
しかし、企業側としてはとても儲かったので忘れられない。
どこかで売りたい。
そこで出した一つのアイデア。
危険性について情報のない顧客へ売ればいい。
日本へ売ればいい。
日本は、レモン市場となっている。
レモン市場とは、商品の売り手と買い手に情報格差が存在するため安くて品質の悪い商品(レモン)ばかりが流通し、高くて品質の良い商品(ピーチ)が出回りにくくなること。
アメリカの古典的でオーソドックスな手口、詐欺に日本はハマっている。
なんでハマっているのか。
マスコミが、情報をブロックしているから。
マスコミはスポンサーからお金をもらって販売を促進するために広告を出したり宣伝するための存在なので、お金をもらっている会社の悪い部分はそもそも言えない。
食糧安全委員会(内閣府の審議会等で食品安全基本法に基づいて食品安全行政を行う機関)に食品業界の人が入っているのも理由。
関係者の意見も取り入れるためだが、結局癒着になっている。
なので、今のところ食品表示しているが、業界のプレッシャーや、業界関係者のいる食糧安全委員会自体が表示しなくてもいいと言い始めており、どんどん食品表示はなくなってきている。
売るのは企業の自由なのだが、表示がないと買うか買わないかの判断ができない。
食糧安全保障というのは、ふつう食糧の安定供給のことを言うが、まさに食の安全が保障されていない。
国連が人口90億になり食べ物が足りなくなると発表している。
アフリカの飢えた子供のポスターを見て、食べ物がないんだと私たちは思うが、そうではなく、買えないから。
先進国のマネーゲームの犠牲者。
「子供たちが飢えている、途上国を助けましょう」とチャリティーをする。
すると、アフリカの農家は、先進国から農薬も肥料も種も資材も買わなければならない
ここでお金を介して格差を作り上げている。
作物を作っているのに、お金がなくて自分たちが作ったものを買えない。
国連は、餓死するのは90億の0.8%と発表しているが、その人たちは食べるものが目の前にあるのに、買うお金がなくて餓死していく。
食糧問題ではなく格差の問題。
一部の人の金儲けのために私たちはメディアによって情報統制されている…
信じるか、信じないかは、あなた次第です…
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