朝目覚めると、雨。ウィーンで初めての雨だった。早くに目が覚めたので、昨日のカツ、パン、ザワークラウトなど、今あるものすべてを食べる…のは無理なほどたくさん食料が残っている。とにかく食べる。勿体ないので食べる。最後、どうしてもパンが残ってしまったので、『もしよかったら食べてください』と書置きを残しておく。荷物をまとめ、土産の入った重い荷物と、食べ過ぎの重いお腹を抱えて、オーナーの家に鍵を返しに行く。
土砂降りの雨、キャリーをごろごろ転がす。帰国のもの悲しさも相まって、少々ブルーな気分。地下鉄でエアポートバスのバス停まで行く。早朝にもかかわらず数人待っている。雨なので屋根のある場所に人も荷物もひしめき合う。
エアポートバスも2回目となると、勝手知ったるという感じで、運転手から切符を買い、荷物置き場にキャリーバッグを並べる。ほんの4日前の緊張と興奮を思い出す。見ようと思っていたところは大体訪れた。でももう1回来れたらいいな。
ウィーン空港に着くと、人の流れに付いて行く。受付手前で呼び止められる。楽友会館の時みたいに、自分のことではないと思っていた。再度呼ばれる。
「?」
横手にあるカウンターへ行くよう言われる。訳も分からず行ってみると、案内係が
「どうしましたか?」
「分からない。ここに来るよう、あの人に言われた」
「ここに荷物を置いて」
重量オーバーで、キャリーを奥へ持っていかれる。行きは持ち込みできたのに?と慌てるが、よくよく考えると、行きはまず最初に長距離路線の大型ジェットだったから、持ち込めたんだ。帰りはフランクフルト(乗り換え中継地)までの小型飛行機なので、キャリーが持ち込めないと気付く。
「日本まで自動的に運ばれますよね?」と確認する。
機内持ち込み用ショルダーと、土産を入れたエコバッグを持って改めて受付カウンターへ。
「液体は?」
「あります。ワイン2本」
と、バッグを開けて見せると、そのワイン、取り上げられてしまう。
「何故?」「どうしたらいいのか?」
と聞くも、持ち込めないの一点張り。楽しみにしていたウィーン産ワインをすべて持っていかれる。今回の旅、最大のショックかもしれない。飛行機に乗っている間中「がーん」が、頭の中に鳴り響いていた(帰国後、友達に話したら、当然だよ、知らなかったの?と驚かれた)。
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