福岡県直方市、ふくち山麓はな公園にて。
本記事のフクジュソウの写真、全て同場所にて撮影。
寒々とした冬の地面に、暖かな黄色の花を咲かせる縁起花、フクジュソウ"Adonis remosa"。
漢字表記は福寿草。
日本原産のキンポウゲ科の多年草。
旧暦の元旦の頃に花を咲かせていたため、めでたい名前が付けられており、
元日草(ガンジツソウ)などの別名もある。
日本では古くから人々に愛でられていた花で、
正月の風物として、鉢植えなどで楽しまれてきた。
今でも正月前になると、底の浅い平鉢に寒水石がまかれ、
フクジュソウが並んでたくさん植えられたものや、
オタフクナンテンやササ,ハボタン等と寄せ植えされたものが並ぶ。
しかしフクジュソウは、本来、根が太く長い植物であり、地面に深く植わっている。
これら寄せ植えの株は、鉢上げの際に根を短く切られてしまっている。
ただでさえ吸水力が弱い植物。
それが根を切られてしまっているのだから、開花後に弱って枯死してしまうこともあるらしい。
長く育てたいのであれば、縦長のポリポット苗などを買い求める方が賢明だ。
1月中旬頃の、花芽が出たばかりの状態。
福岡では1月の半ば頃から、
既に蕾を付けたような状態で、地面からニョキニョキと顔を出す。
まだ葉も広げきらないうちから、蕾が開きはじめ、
次々と花芽が出てきては、鮮やかな黄色の花を咲かせる。
2月になると開花ピークになり、葉も茂ってきてボリュームが出てくる。
こうなると、かなり見応えがあるが、
寒々としたなかで、ひっそりと鮮やかな花を咲かすフクジュソウの雰囲気から かけ離れてしまい、
本来の魅力が損なわれてしまうように感じてしまう。
開花初期の寂しい姿が好きなのは、あくまでも自分個人の好みで、
たくさんのフクジュソウが派手に咲き誇っているのが好きな方が多数だと思う。
この明るい花姿とは裏腹に、アドニンという成分を含む毒草である。
花芽をフキノトウと間違えて誤食してしまい、中毒になった被害者も居るとか。
いや・・・スイセンの葉をニラと間違えて誤食ってのはまだ解るんだけど、
フクジュソウをフキノトウと間違えんだろ?
毒でもあるが、根は強心作用や利尿作用もあり、民間薬としても用いられる。
陽の光を好み、ヒマワリのように花は太陽の方を向いて咲く。
陽気を花に溜めこんで、その温かさで虫を誘うという。
この習性から、鉢植えは当然 日当りの良い場所に置かなきゃいけない。
地植えする場合も、日当りの良い場所を選んで植えるべき。
江戸時代には品種改良が盛んで、数多くの品種が存在したようだが、
現存しているのは、10種程度だという。
なかには、黄色ではなく、白や黄緑のものもあるらしい。
自分は黄色以外は見たことがない。
また、海外(ヨーロッパ)のフクジュソウは、赤色が一般的とか。
赤のフクジュソウ、実物を見てみたい。
3月に入ったが、まだ花を楽しむことができる。
4月にもなると、花はすっかりと減り、代わりに葉がもっさもさになる。
梅雨頃になると、ムレと暑さに弱いため、葉は溶けるように枯れてしまう。
地上部はなくなるが、地下では太くて長い根が生きており、
これがまた秋ごろになると、冬に花を咲かせる花芽を付ける。
根がはびこるため、自宅の庭では、どうしても地植えを敬遠されがち。
そのため、鉢植えで育てられるのが主流なよう。
自分は育てたことはないが、広い庭があれば、片隅に植えたいと思う花だ。
スイセンやクロッカスとの共演を見たい。
フクジュソウといえば昔の10円普通切手。
この図柄の10円切手知ってるのは30代以上かな。
今はハナムグリだっけ?
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