よろず戯言

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世界の果てまでヒャッハー!

2016-12-12 15:59:18 | 映画

先日の仕事帰りに映画を観てきた。

フィリップ・ラショー主演のコメディ、"世界の果てまでヒャッハー!"だ。

コメディアンが本業である同氏が監督・脚本も手がける。

ウッチャンナンチャンの内村光良のように多才な人物みたいだ。

原題は"All Gone South"。

フランス映画。

 

 

フランスで昨年公開されるや、

2週連続興行収入1位、8週連続トップ10入りの大人気となった話題作。

フランスの映画市場の規模が判らないので、

この成績が如何ほどなのか、いまいちピンと来ないけれど、

カンヌ国際映画祭が開催される国、少なくとも日本よりも賑わっていそうなので、

この成績はすごいことなのだろうと思う。

 

「フランス映画は難解で退屈でつまらない。」

そんなイメージを抱いていたが、

この映画の予告編を観て、そうじゃない映画もあるんだと知って衝撃を受けた。

正直言って、ハズレの予感もしていたのだけど、

とりあえず観てみよう・・・そう思って鑑賞に臨んだ。

 

  

漫画家のフランク(フィリップ・ラショー)は、

結婚を考えている恋人のソニア(アリス・ダヴィッド)の父親が経営する、

ブラジルの高級リゾートホテルへ親友たちと共にバカンスへ行くことに。

フランクはひそかに婚約指輪を用意し、

バカンスのさなか、ソニアにプロポーズすることに決めていた。

 

ところが、優しいけれど気の弱いフランク。

時折見せる彼の頼りない姿に、ソニアは交際を続けるべきか悩んでいた。

マッサージを受けながら、一緒に来ていたエステル(シャルロット・ガブリ)に、

フランクへの愚痴まじりに、その悩みを吐露する。

そのとき、婚約指輪と花束を携えて居合わせてしまったフランク。

サプライズでプロポーズしようとしたのに、逆に自分への不満を耳にしてしまった。

 

 

けっきょくプロポーズは中止。

意気消沈するフランク。

フランクを元気づけようと、親友のサム(タレック・ブダリ)とアレックス(ジュリアン・アルッティ)が、

気晴らしにどうだと、自然散策ツアーに誘う。

ガイドの案内で、未開のジャングルをめぐるツアーだ。

乗り気でなかったフランクだが嫌々付き合うハメに。

 

 

自然散策ツアーには、ソニアの従兄のエルネスト(ヴァンサン・ドゥサニア)と、

ソニアのおばあちゃん、ヨランド(ヴァレリアーナ・ヴィルヌーヴ)も同行することに。

この日、ホテルでは"エコ認定”の式典が開催される予定で、

ヨランドは邪魔だったため、フランク達に世話を押しつけられた格好だ。

 

 

だが・・・自然散策ツアーの一行と音信不通になってしまう。 

ツアーに出かけたうちのひとり、アレックスはビデオカメラを携帯し、

このバカンスが始まってから、常にそのカメラを回していた。

そんなアレックスのカメラが、ホテルの敷地内で見つかった。

ソニアと父親のジャン=ピエール(クリスチャン・クラヴィエ)は、

行方不明の一行の居場所の手がかりを得るため、そのカメラに残された映像を再生する。

そこに映っていたのは---。

 

 

街で出会ってサムがナンパしていた、フランス人のギャル二人も引き連れて、

さっそく小型飛行機に乗って自然散策のスタート。

ところが最初の洞窟探検でガイドが大きく深い穴に転落。

以後、ガイドなしで、洞窟を、ジャングルをさまよい続ける一行。

全員が下着と水着姿の半裸になってしまい、

エルネストが大きな落石に腕を挟まれて、

フランクが毒グモに股間を噛まれ、

パラモーターを撃墜し、

ヨランドが濁流に流され、

原住民たちとバカ騒ぎし・・・

 

 

ありえない映像に一喜一憂する、ソニアとジャン=ピエール。

そしてホテルのスタッフや式典の客ら、多くのギャラリー達。

大勢が固唾を飲んで見守る、アレックスのビデオ映像。

次から次に押し寄せるハプニング。

はたして、フランク達は無事なのか?

いったい、どこでどうなってしまったのか?

 

 

テッドを越えるくだらなさだった。

面白いんだけど、声に出して笑うほどでもなかった。

キャラクターたちのあり得ないバカさと、あり得ないハプニングの連続で後半はややダレてくる。

ただ、起承転結ははっきりしていて、退屈さは感じなかったが、

ハマらないひとには、本当に退屈になってしまうだろう。

フランス映画のイメージを払拭させられたと思ったけれど、

こういう点で言えば、やっぱりフランス映画かなあと思ったり。

 

 

ストーリーの大半がビデオカメラ映像。

そのため、臨場感のある映像が楽しめる。

崖から飛び込むシーンも、

大勢の原住民に追いかけられ逃げるシーンも、

飛行機が飛び立ち、そこからスカイダイビングするシーンも、

全てビデオカメラで通しで撮影されたもの。

バカ映像を撮るための、このキャスト・スタッフの根性も笑えてくる。

 

 

ノンストップで押し寄せる、くだらないシーン。

浜岡賢次のギャグ漫画、浦安鉄筋家族を彷彿とさせる進行だった。

惜しむべくは、笑いどころの多くが、既に予告編でネタバレされているという点。

ナマケモノのくだりなんか、知らないで観ていたら間違いなく吹いていたと思う。

ズートピアでもクローズアップされていたけれど、最近ナマケモノ人気あるな!

ちょっとフィギュアが欲しくなった。

 

 

R15なので、テッドに負けず劣らず下品なシーンも盛りだくさん。

水着ギャルが出ずっぱなので、お色気シーンもそれなりにあるけれど、

ヌードはないので、エロ目的での鑑賞はお勧めできない。

ただ例外として、原住民はトップレスだったし、

ジャバ・ザ・ハットはアクセサリのみで、すっぽんぽんだった。

野郎の裸は出てくる。

でかいイチモツが、スカイダイビングで、ブルブルぐりんぐりんしているのは笑わざるをえない。

あれ、本物の無修正だよね?

CGじゃないよね?

 

 

サムがアラブ系の人種ってことで、

ヨランドが度々、それっぽい台詞をかましてくれる。

「アラブ人ってのは飛行機を撃墜するのが好きだね!」とか、

これヤバイだろ!?って思ってしまうのだが、

同時多発テロでやられたフランス、アラブ系の異民達も数多く居て社会問題化していて、

そんな情勢のなかであって、こういうのもまた笑いに変えてしまう。

フランス人ってのは、度量が大きいというか、懐が深いというか、

日本人の自分は苦笑するしかなかった。

 

 

もうほとんどの劇場で公開が終了となっているようだが、

くだらない映画が好きなひとには おすすめ。

登場人物たちのバカさ加減に笑える。

誰もかれも憎めない。

個人的にエルネストがお気に入り。

よくこんなおバカが空港の職員になれたな。

R15だけど、子供に見せたい(いや見せんけど)。

不倫や"シャシャウイン(うろ覚え)”のくだりは大人向けなんだけど、

それ以外は完全に子供向けの笑いだよなあ。

 

 



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