桃鉄の物件紹介。
今回は小倉の、“スペースワールド”。
桃鉄では九州の玄関口にあたる、要所にある物件駅。
本州側の玄関口である下関とともに、妨害用に、よくうんちを落とされる場所でもある。
スペースワールドは200億円の商業物件。
ちょっと価格設定、安過ぎな気がするが・・・。
1990年、新日本製鉄が八幡製鉄所の跡地に建てた遊園地。
“宇宙”をテーマにした国内初のテーマパークで、
宇宙に関する様々な資料や模型などを展示している、宇宙博物館を備え、
宇宙飛行士のトレーニングを実体験できるアトラクションなどもあり、
同園のシンボルとなっている、スペースシャトル“ディスカバリー号”の実物大模型が鎮座している。
開園から徐々にアトラクションが増えてゆき、
絶叫マシーンにおいては、導入時に「日本初」とか「日本最大」とか、
そういった能書きが付くほどの大がかりなものを導入し、その都度話題となった。
スペースワールドのシンボル、スペースシャトル“ディスカバリー”実物大モデルと、
大人気マシーン、ヴィーナスGP。
ところが、来園者は年々減少し、累積赤字は数百億円にまで膨れ上がった。
当時、長崎のハウステンボスや、宮崎のシーガイアなども苦境に立たされ、
九州のみならず、全国各地で中小規模のテーマパークはどんどん閉園に追い込まれていた。
自分も当時、広島に居たが、中四国エリアでも、
広島にあった呉ポートピアランドや、岡山にあった倉敷チボリ公園、
香川にあったレオマワールドなど、次々と閉園していったのを記憶している。
もっとも人気のマシーン、タイタンMAX。
ザターン
今までずっと、“サターン”だと思ってた。
なんかツボ押しウェアとか貸し出されて、それ着て乗ると、Gでツボが刺激されてどうのとか・・・。
まったく考えるアイデアが、斜め上を行ってら・・・。
一時苦境にあったスペースワールドだが、
年間フリーパスの価格見直しや、新しい絶叫マシーンやアトラクションで
客を呼び戻し、なんとか黒字転換。
数年前には、高額なフリーパス入場しかできなかったものを、
フリーパスとは別に、アトラクションに個別料金を設定し、
入場料とアトラクション料金を分離させたことにより、さらに客が増加。
そうそう、これがネックでこれまでガンダム展に行かなかったんだよ。
アトラクションには興味がないのに、5,000円近い高いフリーパス入場料を払ってまで見に行かんよ。
アトラクションに乗るとて、土日は平気で1時間待ちとかなのに、5,000円分も楽しめるのかと。
なにはともあれ、フリーパス入場,アトラクション個別料金など、システム見直しにより、
2015年度には過去最高益で、経営は盤石に思えた。
大観覧車、スペース・アイ(左)と、びしょ濡れ必至のアトラクション、
ツインマーキュリー・アドベンチャークルーズ&ファンファンクルーズ(右)。
ところが昨年の11月に事件は起きた。
冬期オープンのスケートリンクで、本物の魚5,000匹をそのまま氷漬けにして、
その上を客に滑らせるという、トンデもない企画をはじめた。
魚と一緒に海の上を滑っているのを楽しんでもらいたいと、企画したらしく、
実際に滑った客からは好評で、客足も伸びていたようだが、
SNSで批判が殺到し、「生きたまま氷漬けにした」などというデマも拡散してしまい、
けっきょく、企画は中止され、魚も解凍して供養され、スケートリンクは閉鎖する羽目に。
さみしいのう・・・。
閉園が発表されたのは、その数週間後だった・・・。
経営難が問題ではなく、閉園の理由は未だにはっきりとされていない。
土地保有社と運営社との間で、契約更新の交渉が決裂したとかなんとかされているが、
北九州市のドル箱だった同園を、そんなつまらない理由で急遽閉園なぞ考えられず、
閉園後も跡地は新たな大型商業施設として、イオン主体で新事業を模索しているが、
アトラクションの処分などは決定している模様。
お盆明けの平日にも関わらず、入場券売場は長蛇の列。
スペースワールドありきで、修学旅行や観光ツアーなどが誘致できていた北九州市。
団体客を数万人規模で失えば、その経済損失は計り知れない。
門司港レトロ,小倉城,八幡製鉄所,いのちのたび博物館,etc・・・他にも観光資源はあれど、
団体客や宿泊客を呼ぶには、やはりスペースワールドは不可欠だと思う。
市民を中心に閉園反対運動が起きて、精力的に署名活動などもなされてはいるが、
閉園は確実なようで、残念ながら、もはや撤回される見込みはない。
そのCMや広告の謳い文句で、それはもう不可避なんだと納得するしかない。
27年間、地元のひとを中心に親しまれてきたテーマパーク、スペースワールド。
そのラストイヤーも、残り4カ月となってしまった。
園内のあちこちに宇宙人が!
先日に上げた記事、ガンダムワールド 2017でも書いたが、
お盆明けに休みをとり、息子と甥っ子を連れて、スペースワールドへ行った。
福岡で北九州圏に住んでいながら、20数年前の高校生のとき、まだ開園間もないときに遠足で行ったっきり。
最後にもう一度、思い出のスペースワールドへ行ってみたかった。
アトラクションには興味はないが、ガンダム展を見て、
あとは高校の時に感動した、宇宙博物館も もう一度見ておきたかったし、
最後のスペースワールド、園内を散策したかった。
宇宙博物館
リアル顔ハメ写真のパネル・・・穴はいいけど首チョンパ状態なのは怖えよ!
絶叫系の人気アトラクションは、どれも40分~90分待ち。
最後だから少し乗っておきたい気持ちもあれど、並んでまで乗ろうなんて思わない。
しかも1回1,000円だぜ?!
90分並んで、1,000円払うって・・・。
フリーパスだと、3回くらい乗らんと入場料との差額がとれない。
90分×3で、270分!
あほくさ!
まあ、一緒に来ていた息子は、自分に輪をかけて三半規管が弱く、絶叫マシンはNGだし、
甥っ子は身長制限で乗ることができない。
子どもふたり放ったらかしで、大人がジェットコースターを楽しむわけにもいかんだろうて。
展示されている、鉄隕石と月の石。
NASAから借り受けている本物だけど、さびれた場所で、わりとぞんざいに展示されていた。
実際に使用されていたロシア製の宇宙服。
宇宙服って、現在一着、数十億するらしく、NASAは資金難でこれを新調できず困っているとか。
宇宙服(ノーマルスーツ)が、そこらじゅうにあるガンダムの世界って・・・。
そんなわけでラストのスペースワールド、乗ったマシンは、
並ばずに乗ることができた観覧車(スペース・アイ)のみ。
それでも、ひとり600円も取るんだぜ?
これだけで1,800円だ。
観覧車は、夏季限定のサービスで、ゴンドラ内のQRコードで、
スマフォで怪談が聴けるという、謎のサービスをやっていた。
もとよりスマートフォンでない自分は利用することができないが、利用する気もない。
“日本初!怪談観覧車、身の毛もよだつ戦慄の15分!”とか謳い文句をつけていたが、
観覧車って、高い位置から景色を楽しむために乗るんだろ?
もしくはカップルが人目をはばからずに、あれやこれやするため・・・。
そんな観覧車で怪談て・・・いったい誰が利用するのか?
鮮魚氷漬けのスケートリンクといい、どうもアイデアが斜め上を行っている。
月面基地のジオラマ模型。
手元に並んだボタンで、該当場所のダイオードが光るみたいなんだが、なんの反応もなく・・・。
球切れのまま放置されているのだろうか?
国際宇宙ステーションの模型。
右手前のシルバーの部分が日本チームのエリア、“きぼう”。
歴代日本人宇宙飛行士のパネルと、その実物大の手形。
試しに自分のと比較してみたが、毛利さんの手・・・女性並に小っちゃかった。
観覧車を終えて、宇宙博物館へ寄る。
宇宙に関する、様々な資料が展示されてある場所で、無料で入館できる。
高校の遠足のとき、ここだけで一時間以上居たと思う。
しかし・・・20数年ぶりに入ると・・・。
展示物が古臭いわ、色褪せたり、壊れているものもある。
もっと最先端ですごい展示物の数々に心踊ったものだけど・・・。
自分が大人になってしまったからか?
それともここの展示物がアナクロニズムなままなのか・・・?
J2ロケットエンジンと、アポロカプセル。
読むと気が遠くなる、宇宙誕生の構造や歴史、誕生のメカニズムなど描かれたパネル。
高校のとき、映像資料も含め、これらにどっぷりハマったんだよなあ。
ラストは息子が行きたがっていた、“カピバランド”なる施設に入ることに。
“日本初!カピバラカフェ”なんて謳い文句で、
カピバラを眺めながら、ドリンクバーを楽しめるというもの。
ひとり500円でフリーパス適用外。
ファミレスのドリンクバーと比較すると高額だが、まあいいか。
建物の前では、カピバラのぬいぐるみを抱えたおねえさんが客の呼び込み。
だが、フリーパスが適用されないと知るや、「高い高い!やめよやめよ!」と、オバハンらは去っていく。
さみしそうな、おねえさん。
「お店のひとの前で、あんなん言う!?黙っていけばいいやん!」
なぜかオバハンらに憤る息子。
カピバランド
カピバラ居たけど、少な・・・。
しかもほとんど動かない。
そのため、特定の席からでしか眺めることができない。
でもまあ、クーラー効いているし、ドリンク飲み放題だし、いい休憩場所にはなるな。
知育玩具や巨大砂場など、幼児が遊べるコーナーもあり、
小さな子どもを連れた、若い家族連れの利用者が多かった。
甥っ子も30分以上、ひとりで砂場遊びを堪能。
エサやりタイムが来たので、100円でエサを買う。
小さなカップに、笹の葉がたったの3枚ときた。
エサやり100円(笹の葉3枚!)
一時間ほどカピバランドに滞在して、外へ出ると、ものすごい爆音。
ヒップホップというか、よく解らないが、とにかくダンスホールミュージック。
少し離れた場所で、ノリノリのマイクの声と、大勢の悲鳴混じりの叫び声が響いてきた。
辺りには、なんだかシャボン玉もふわふわ飛んでいる。
爆音の聞こえてくる方へ行くと、ステージがあり、そこから大勢の客へ向けて放水されていた。
コーンロウにヘソ出しタンクトップ&ホットパンツ姿のまぶしいおねえちゃんが達が踊り狂い、
チャラいニイちゃんどもが放水器で、観客へ向けて水をかけている。
・・ちょ!手桶と柄杓で水かけてる、ニイちゃんも居るぞ!
姿は見えなかったが、DJ口調で場を盛り上げて煽っている声も絶え間なく聞こえる。
なんじゃこりゃ!?
この人ら、水かけられるためだけに集まってんの?
踊ってるおねえちゃん達をアップで撮りたかったが、真横からしかステージが見えず、うまく写せなかった。
敷地内をぐるっと周って、最後にみやげもの屋でグッズを買って、スペースワールドを後にする。
地域のシンボリックな施設がなくなってしまうのは寂しいことだが、これも時代の流れと諦めるしかない。
跡地利用で、どういった施設が完成するのか、まだまだ判らないが、
企画は難航していて、どうやら白紙に近いようで、どうにも期待できない。
よほどの物を作らない限り、現行のスペースワールド並の集客は見込めないだろう。
地元商工会や商店街に配慮するあまり、思い切った案が出せないでいるというイオン。
そんな軋轢ばかり気にする頼りないイオンに任せっきりではなく、
北九州市も介入すべきとこは介入し、もっと真剣に考えないとまずいんじゃなかろうか。
なにはともあれ、泣いても笑っても、スペースワールド残り4ヶ月。
福岡県民は最後の思い出に行くべし。
松下進氏デザインの、このキャラ達ともお別れだ。
息子と甥っ子に買ってあげたTシャツ。
ナイスデザインなものが多くて、目移りしてしまう。
自分用に買ったTシャツ。
ファイナルバージョンだ!
宇宙食(左:エビグラタン,右:いちごアイス)も忘れずに購入。
昔食べたのとおんなじ、味濃くてパッサパサのやつだ!
今現代の宇宙食は改善されていて、水を使えるらしく、もうこんなんじゃないらしい。
スペースカレーなる、レトルトカレーを購入。
JAXA公認の正真正銘、現在、国際宇宙ステーションで食べられているものと同じカレー。
これがスパイス濃い目でかなり美味い!
やっぱり宇宙食は改善されているわ。
スペースカレーの箱の裏面。
作り方の欄、“地上での作り方”に笑った。
娘に買ってあげた、カピバラのぬいぐるみキーホルダー。
甥っ子に、おもちゃ以外で欲しいの何か買ってあげるよと言ったら、
「これがいい!」と持ってきた、鉄隕石のかけら。
ハナクソにしか見えない。
観覧車にはメッセージノートが置かれていた。
誰かが描いた、捕まった宇宙人。
筆記用具を何も所持していなくて、残念ながら何も残せず・・・。
くそう・・・自分も何か爪痕残してやりたかったわ。
“動物の宇宙飛行士さん”
高校のときもあったわ!
色褪せず毛も皮も剥げずに、よくもまあ現役で。
お金入れても20mくらいで止まるんだよな、これ。
27年間、ありがとう!
2回しか行かなかったけど。
2017年春スペースワールドCM「所信表明篇」30秒バージョン
始めて観たとき唖然としたスペースワールドのCM。
このCMで、閉園はもう不可避なんだと悟った。
CM制作は別会社だろうけど、面白い(運営)会社なんだろうなあ・・・。
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