※本記事、ゲジにはグロテスクな画像(ゲジの写真)が多数有ります。
苦手な方は閲覧の際、ご注意ください。
夜、消灯して布団に横になる。
まだ眠りについてない頃、枕元でカサカサと音が聞こえた。
足元側から扇風機を点けていた。
その風で、枕元に置いてあった、ナイロン袋とかそういったものが音を立てたのだろう。
そう思っていた。
天敵のムカデの足音は判る。
今の音は、たぶん違う。
だが、風で起きたナイロン袋とかそういった音とはまた違うようにも感じた。
アシダカグモとかゴキブリとか、そいつらならばまあ気にすることもないが・・・。
もしかしたら・・・そう思い、照明を点ける。
うわぁぁぁ!
枕元、本や雑誌を乱雑に置いてあった場所に、脚だらけのモンスターが!
ムカデとは違う、ちょっと寸胴な体型。
だが、そこから伸びる脚はムカデのそれよりもはるかに長い。
脚も長ければ触角も長い。
最後尾の脚一対は疑似触角のようになっており、パッと見、どっちが前だか判らない。
ゲジだ!
しかも西日本に多く生息する、より大きな、オオゲジ。
通称、ゲジゲジ。
ムカデほどの出現率ではないが、こいつも毎年部屋に出現する。
胴体は7cmくらいだが、長い脚や触角の長さを合わせると,
大きな個体は全長20cmを超え、ムカデを遥かに凌ぐ大きさになる。
今回部屋に現れたのは、13cmくらいの個体。
脚が長いぶん、ムカデよりも機動力に優れ、
とにかくすばっしっこくて逃げ脚が速い。
その素早さゆえ、殺虫剤もうまく当てることができない。
そして、こいつの特徴は天敵に襲われそうになると、その長い脚を切り離すこと。
この切り離された脚が、その場でピクピクと脈打つように動いて気色悪いったらない。
トカゲの尻尾やナマコのキュビエ器官と同じく、
体の一部をその場に残し、天敵がそれに気を取られている隙に逃げるという、
ゲジが生存競争を生き残るため、進化の過程で身に付けた技能だ。
しかし、自分はムカデは確実に仕留めるが、ゲジは退治などせずに放置する。
こんなフォルムをしていながら、人には無害なのだ。
ムカデのように凶暴でなく、咬みついたりはしない。
それに、やはりゴキブリなどを捕食する益虫なので、
アシダカグモ同様、家に居て役立ってくれる。
殺す必要性がない。
ムカデは純粋に気持ち悪いと思うが、ゲジのこのフォルム、ちょっとカッコイイ。
灯りを点けて、その姿を見て一瞬驚いたけれど、
なーんだ、ゲジかよ、びっくりさせやがって・・・。
ムカデでないのならば、気にすることも無い。
再び灯りを消して、布団に横になる。
・・・。
・・・・・。
いや、無害とはいえ、さすがにあんな奴に体を這われたらたまらない。
顔面なんか這われたりしたらヤダなあ・・・。
そう思うと到底、眠れない。
再び灯りを点ける。
まだ同じ場所で休んでいるオオゲジくん。
布団から遠ざけようと追い払う。
部屋のどこかへと去って行った。
ふぅ・・・。
再度消灯して布団に横になる。
数分後、またカサカサと枕元から物音。
飛び起きて、灯りを点ける。
まーた戻って来やがった!
同じ場所に、再びあのオオゲジくんがやって来ていた。
これはもう捕まえて外へ逃がすしかない。
ムカデやゴキブリは躊躇しないが、オオゲジは退治できない。
部屋にあった適当な菓子箱と、孫の手を持って、
オオゲジ捕獲作戦に出る。
暑さからなのか、このオオゲジくん、それほど機敏ではない。
捕獲も容易だろう。
ちょっと部屋をドタバタしたが、
なんとかオオゲジを傷つけず、脚も一本も切り離させずに捕獲に成功。
深夜1時を回っていたので、外に逃がすのは翌朝にすることに。
今夜ひと晩だけ、この菓子箱のなかで我慢してもらおう。
家の中で見ることが多いので、外で見ると妙な違和感。
翌朝、出勤前に家の横の空き地に、
菓子箱から捕獲したオオゲジくんを逃がした。
本来夜行性で、自然界でも洞穴などに生息するゲジ。
明るい朝陽を浴びて、戸惑っているようだった。
鳥に捕食されないうちに、どこかへ逃げな。
そう思いつつ、車に乗って出社した。
ゲジにここまで温情かける人間もそうそう居ないだろうな。
ムカデはそこそこ登場するが、ゲジはロールプレイングゲームなんかでモンスターになっていない。
ドラクエⅩに登場した、コイツ、妖魔将ゲジュラ。
ドラクエ名物カラバリ(色変え)でクモの姿だけれど、
名前からして、本当はゲジっぽいモンスターなんじゃなかろうか?
かえんムカデもイモムシ姿だし。
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