先日、仕事帰りに映画を観た。
トム・ハーディ主演のバイオレンスアクション、“マッドマックス 怒りのデス・ロード”だ。
原題は“MAD MAX FURY ROAD”。
あの不朽の名作、マッドマックスシリーズの最新作。
過去三作品で主演のマックスを演じたのはメル・ギブソンだったが、
トム・ハーディにバトンタッチして、30年ぶりに最新作が公開された!
マッドマックスシリーズ。
ジョージ・ミラー監督作品。
1979年に、第一作目、“マッドマックス”が公開された。
国家機能が衰退してゆき、無秩序化した近未来。
警察官だったマックス(メル・ギブソン)は、
同僚の親友を、そして最愛の妻と幼い子供を、
敵対する凶悪な暴走族集団に無残にも殺されてしまう。
復讐鬼と化したマックスは、愛車のインターセプターで荒野を駆り、
暴走族集団に単身で挑み、親友と家族の復讐を果たす。
最高にバイオレンスで派手なカーアクション映画。
低予算で無名の新人俳優を主演に起用した映画ながら、世界中で大ヒットを記録。
1981年、二作目となる、“マッドマックス2”が公開される。
一作目から数年後の世界。
さらに秩序を失った世界で、石油をめぐる世界規模の核戦争が起き文明は崩壊。
残り僅かな食糧や水、文明時代の遺産である、自動車やバイクなどの生活資源、
そしてそれを動かす、燃料のガソリン。
すべてが貴重になった荒廃した世界で、
やはり権力を握るのは、力を持った無法者たち。
復讐を果たしたものの、それから抜け殻のようになり荒野を彷徨うマックス。
流浪の途中、製油所で厳しい生活を強いられている人々と出会い、
その製油所を暴力で奪おうと画策する、凶悪な暴走族集団と戦うことに。
三作目は、1985年に公開された、“マッドマックス サンダードーム”。
この作品のみ、自分は途中まで観てつまんなくなって最後まで観なかった。
実はこの映画、別の映画を撮影中、急遽マッドマックスシリーズに差し換えられたという、
そのため、過去二作品とはガラリと赴きの異なる異色作となっていて、
ファンをがっかりさせたという、いわくつきの作品だった。
自分は子どもながらに、その異色さを察知して、途中でつまんなくなったのだろう。
マッドマックスといえば、そのバイオレンスなカーアクション。
実在する車やバイクが、無茶苦茶にカスタマイズされて無数に登場。
マックスが単独(というわけでもないが)で、凶悪な暴走族集団に立ち向かい、
派手なカーアクションをしつつ、銃や爆弾、火炎放射気などの銃火器を駆使し、
ときにブーメランやボウガン、石つぶてなど原始的な武器も使いながら、
ボッカンボッカン敵のマシンをクラッシュさせてゆく。
このなんともいえない、ドキドキワクワクハラハラするアクションは、
子どもながらに観ていて興奮しまくった。
これを観た数日間は、畳の上にミニカーを並べて、マッドマックスごっこをしたもんだ。
その幼い頃の興奮を未だに覚えている。
そうして最新作、マッドマックス 怒りのデス・ロードの公開を知る。
しかも監督は、過去三作品と同じく、ジョージ・ミラー氏。
さらに驚くは、カーアクションにCG一切ナシ!
クラッシュも爆発も、すっ飛ぶドライバー達も、すべて実際に撮影。
魔改造された車やバイクも、すべて実在するものを改造。
昨今のアクション映画は、ほとんどリアルなCGを駆使した映像ばかり。
そんなCGの映像に辟易していたなかに、このなんとも嬉しいニュース。
これは絶対に観たい!!
公開されて、すぐに観に行った。
核戦争によって文明が失われた世界。
放射能汚染によって環境破壊が進み、
草木は育たなくなり緑の大地は消え、水源は枯れ果てて砂漠化が進む。
わずかな水や石油を支配するのは、暴力でのし上った悪のみ。
力無き者たちは、奴隷や道具として支配される。
そんな世界で、相変わらず荒野を彷徨うマックス(トム・ハーディ)。
彼としたことか、ある凶悪集団のテリトリーに足を踏み入れ、
たちまち捕まってしまう・・・。
捕まったマックスは、身体検査の結果、健康体の人間(輸血袋)として道具化される。
この時代、新たに生まれる者は、ほとんどが奇形。
血液や遺伝子に先天的な病気を抱え、短命な者ばかり。
元々健康だった人間も、放射能汚染によって、その体を蝕まれていた。
そんななか、健康体の人間は貴重な存在。
マックスが捕まったのは、荒野で水と食糧を支配する、
イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の組織。
ジョーは水と食糧で、民衆を支配。
先天的な病気を抱えて生まれた男子は、すべて自分に仕えさせて、
ある程度の年齢になると、車の運転や武器の使用などを訓練され、
“ウォーボーイ”として、彼のために命を捧げる戦闘集団として組織化されていた。
そのウォーボーイに健康な血液を供給する道具として、マックスは捕まった。
ジョーは水と食糧と引き換えに、石油や弾薬を手に入れる。
車や要塞の設備を動かすのに必要不可欠な石油。
敵対勢力と戦うのに必要不可欠な武器弾薬。
同盟地域に存在する、ガスタウン,弾薬畑。
定期的にそこへ部下を差し向け、物々交換を行って、組織を維持していた。
この日も、巨大なウォータンクで、石油と弾薬の補給に向かう。
ウォータンクに乗るのは、女でありながら大隊長を務める、フュリオサ(シャーリーズ・セロン)。
スキンヘッドで片腕が義手の女戦士・フュリオサは、
ジョーに信頼されている、彼の片腕ともいうべき存在。
ジョーの号令で、勇壮に砦を出発するウォータンクの一団。
だがフュリオサには秘めた作戦があり、この機に乗じてジョーを裏切り逃走を図る。
ジョーが最も大事にしているもの・・・。
それは“子産み女”と呼ばれる妻たち。
この時代、健康体の人間は貴重である。
出産可能な若い女性で、さらに美しいともなれば奇跡的なくらい貴重。
その奇跡的な妻を5人抱えていた。
歳を重ねたジョーにとって、早急に跡取り息子を作ることが課題だった。
これまでに生まれた二人の息子は、
頭脳明晰な奇形児と、知恵のない怪力男のふたりだけ。
なんとしても5人の妻から健康な男児を産ませなければならない。
だが、その妻達の姿がない!
フュリオサがウォータンクに彼女たちを隠して逃走を図ったのだった。
妻達は少女のときに、何処からかさらわれてきた娘たちばかり。
ジョーを憎み、彼の支配から逃れるため、フュリオサに頼って全員逃走を図った。
事態を知ったジョーは激高。
ウォーボーイ全軍を出して、ウォータンクの追跡に出る。
さらには弾薬畑,ガスタウンにも応援を要請。
三大勢力の戦士とマシンが終結し、フュリオサのウォータンクを追撃する。
ジョーの軍団の、あるウォーボーイの駆るマシンに、マックスが鎖で繋がれていた。
運転するウォーボーイのニュークス(ニコラス・ホルト)は血液の病気で体力がもたない。
“輸血袋”のマックスを車に設置し、その血を輸血しながら出撃していた。
ジョーのために戦って死ぬことを最高の名誉だと思っているウォーボーイ達。
死を恐れずに命を投げ出して特攻してゆく。
ニュークスもまた、ハイテンションになって、ウォータンクに突撃し自爆しようとする。
だが、繋がれていたマックスが暴れ、すんでのところでこれを阻止する。
マックスが気付くと、クラッシュしたマシンと共に砂に埋もれていた。
自分と鎖で繋がれている、気絶したニュークスを担いで砂漠を歩く。
そこで彼は、若い女達が水浴びをしている光景に出くわす。
ジョーの子産み女たちだった。
砂嵐で追手を振り切ったウォータンクが停車し、一息ついていたのだった。
マックスは持っていたショットガンで躊躇なく女達を脅す。
ホースを奪い水を補給し、フュリオサと激しい格闘の末、
ウォータンクまでも奪って、女達を砂漠に放置して、ひとり去ろうとする。
だが、ウォータンクには、フュリオサしか運転できないトリックが施されていて、
マックスは仕方なく、女達を乗せて、フュリオサに運転させる。
敵対していたマックスとフュリオサたち。
だが、次々と襲い来る敵と戦うため、力を合わせ共闘する。
マックスと女達はウォータンクで、ジョーの率いる凶悪集団の激しい攻撃を受けながら、
フュリオサが言う、“緑の大地”を目指し、砂漠を爆走してゆく――。
すんげえ面白かった!!
もう興奮しっ放し!
アドレナリン放出されまくり!!
血沸き肉躍る、手に汗握るノンストップのカーアクション!
これこれ!!これが“マッドマックス”だ。
台詞はほとんどなく、登場人物のエピソードもほとんど語られない。
だが、それでも物語は、きちんと理解できるから凄い。
派手なカーアクション、クラッシュシーンは大迫力。
これを今の時代、CGなしでやってのけた監督に脱帽。
まがまがしいジョーの異形な姿も、見ているだけで恐ろしい。
全員がスキンヘッドで白塗りのウォーボーイ達も不気味!
狂気に満ちた、終末的マッドな世界を見せられる。
ジョーの集団のなかに、戦闘高揚のためだけの楽隊の乗った車が登場するのだが、
スピーカーや拡声器をいくつも積み重ね、
マシン後部には太鼓を叩くウォーボーイが複数乗せられ、
マシン前部には、ギタリストのウォーボーイが吊るされている。
このギタリストが、火炎放射するメタリックなダブルネックギターをかき鳴らす。
こんなクレイジー過ぎる設定、よくもまあ思いつく。
重低音のドラムの音と、メタルなギターサウンドが融合し、
これがそのまま戦闘シーンのBGMとなり、もうたまらない。
ヘビィメタルとかデスメタルに熱狂するひとの気持が少し解る。
戦闘シーンのさなか、少し息抜きとなるのが、
美女ぞろいの、ジョーの妻、子産み女たち。
その前まで砂と埃と炎と煙、不毛な砂漠の戦闘シーンから一転、
布切れ一枚をまとっただけのセクシーないでたちで、
水浴びしているシーンが突然スクリーンに映し出されたときには、
「おおっ!」と別の意味で興奮。
ヘソ出てるわ、脇見えるわ、乳首がぷっくり浮き出ているし・・・。
まさに砂漠のオアシス!
・・・だが、そんな彼女たちも、この後、激しい戦闘に巻き込まれていく。
美女だろうが妊婦だろうが子どもだろうが老人だろうが容赦ない。
それがマッドマックスの世界。
ハリウッドのCG駆使して、スター俳優使った豪勢なアクション映画に、
「日本人よ、これが映画だ!」とか言われても、「あ、そう。」ってなるけれど、
この映画に同じこと言われたら、「ごもっともです!!」ってなるな。
ちなみにマッドマックスは、オーストラリア映画。
興奮を抑えられないまま、映画館を後にする。
すっかり暗くなった夏の夜、めっきり交通量が減ったバイパスを思わず飛ばしてしまう。
後ろから煽ってくるDQN車や、強引に割り込んでくるクソ車が居たら、
思わずそのままクラッシュしたくなる・・・。
そんな危なくなるくらい興奮していた。
この映画を観た後に運転するのは非常に危険だ。
かぜ薬飲んだ後よりも危険。
コメントありがとうございます。
マッドマックス フュリオサ、ちょうどコメントいただいたとき、
観に行こうと思って、上映時間を調べていたところでした。
なんとタイムリーな!と驚きました。
コロナ禍~家族トラブル~Vtuberにハマってしまう・・で、
ここ2年ほど映画から遠ざかっていたのですが、
フュリオサを機に、また映画鑑賞はじめようかなと。
ただ、鑑賞料金また値上がりしてますね・・・。
もうパンフ買ったり、ポップコーン買ったりできないや。
あ、フュリオサ観たら、
近いうちに記事にあげると思いますので、お楽しみに。
久しぶりにこの記事に舞い戻ってきました。
と申しますのも、そう「フュリオサ」の上映が始まって早速観てきたからなのです。
前回のコメントやりとりで気になっていた彼女の過去のお話、まさにそれが今回描かれていました。
あまり詳細は書けませんが、期待通りの面白さでした。
迫力の面では怒りのデスロードには少し及ばないですが、その分今回は人間ドラマや各キャラの心情がしっかりと描かれていて初見でも理解しやすかったです。
直前に怒りのデスロードも再度観てから行ったのも良かったです。
武さんも是非足を運んで下さい。そして記事も楽しみにしております♪
コメントありがとうございます。
こんなバイオレンスな映画、よく鑑賞しましたね~。
それ以上に興味を抱かれたのが凄い。
この作品は完全に女性には不向きだと思うのですが・・・。
CG無しというのは、カースタントのことで、
爆炎や飛び散る車の破片だとか、
走行中に巻き上げる土煙などは、CGで補正されています。
クラッシュする車や吹っ飛ぶ人間は本物のスタントだそうです。
ただ、砂の竜巻に巻き込まれるところのみは、フルCGとのことです。
フュリオサの過去はズバリ、れいなさん的中です。
彼女もまた、子産み女候補として、幼い頃に母親共々さらわれて、
ジョーの元に連れて来られた女性だったのです。
片腕は若い頃に、ジョーの逆鱗に触れて失ったという設定。
子産み女としては用済みになったのか、不適合だと判断されたのか?
ジョーに捨てられたのち、なんらかの形で砦に舞い戻り、
大隊長の座にまでのし上がったのでしょう。
ちなみに母乳を搾取されていた肥満の女性たちも、
かつては子産み女だった女性たち。
歳をとってジョーから子産み女として外された後は、
極限にまで太らされ、母乳を生産する家畜のように扱われているという設定です。
物語のなかでは語られませんが、いろんな設定やバックストーリーが存在します。
リクタスは完全な脳筋。
ふつうに戦えばいいものを、なぜか対抗してエンジンにガソリン吹き込んでみたり、
おつむが弱いんだなって描写があります。
ロケ地はアフリカのナミビア共和国の広大な砂漠。
過去作も同じ場所で撮影されています。
撮影でついたタイヤ跡や爆破などによって汚れた表面など、
きれいに掃除し、元の美しい砂漠に戻して撤収したらしく、
撮影自体より、砂漠の修復に費やした時間の方が長かったとか。
ちなみに北斗の拳の原作者、武論尊氏は、
このマッド・マックスシリーズの熱烈なファンです。
北斗の拳の世界観やストーリー、キャラクターも、
マッド・マックス2を観て、それで誕生したとのことです。
武論尊氏 本人がそう述べてらっしゃいます。
この作品と世界観などが似ていると感じるのも当然ですね。
さて、今度はスター・ウォーズか・・・。
この作品、武さんのこの記事を読んだ時から観てみようと思いつつ時機を逸したまま放置していましたが、ようやく観ることができました。
面白かったです!
ちなみにこれ以外のマッドマックスは観たことがありません。
なのでこの記事を読んで背景を理解した次第です。
なるほど、奇形の様な人が多いのはそういう理由(放射能汚染)でしたか。
核戦争のために文明が破壊されて暴力が人々を支配する世界。
まさに北斗の拳の世界そのものの様な映画でしたが、これ全てCG無しの実写とはそれは素晴らしいですね。
ウォーボーイ達が言っていた「頑張ればヴァルハラに行ける!」というのが、ヴァルキリープロファイルの神の世界を思い出しました。
ジョーの部下の紅一点であるフュリオサが最後に「Do you remember me?」って言ってましたが、何か忌まわしい衝撃的な過去が露わになるのかなと期待しましたが何もありませんでしたね。
最初は彼女も他の5人の女性と同じく妻候補として拉致されてきたけれども、かくかくしかじかあってこうなってしまったみたいな・・・
ジョーの息子らしい怪力男のリクタスは健康な後継者かと思ったのですが、違ったのですね^^;
人を「輸血袋」として鎖で繋いで連れ回すとか、クルマから長ーい棒を立ててその先に人をくくりつけて左右にびよ~んびよ~んと振子の様に振ったりギタリストのあの車といい、よくもまあ奇抜なアイデア次々と繰り出してくるなー感心しました。
全体的にセピア化したフィルムかと思うほど赤黄色い色ばっかりでしたが、こんなに雄大な荒野や砂漠の世界、アストルティアぐらいでしか見たことがないので一度実際に行ってみたいなーと思いました。
ドルボードでもない普通のバイクや車で走ったら、ズボッとはまったり砂まみれになってすぐにぶっ壊れそう。