よろず戯言

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私たちは一心同体なんですから!

2016-07-20 14:58:01 | ガンダム

不定期掲載ガンダム記事、"宇宙世紀に散ったキャラクターたち"。

今回は、メカニックに関しては天才的だが、どこか抜けている、

妻子ある人への愛に溺れ、その名を叫びながらバラとともに散った一途な女性。

機動戦士ガンダムZZより、エマリー・オンス

 

 

エマリー・オンス。

反地球連邦組織、A.E.U.G(エゥーゴ)所属の技術士官、ドック艦ラビアンローズ艦長代理。

本来は月面都市グラナダにある、アナハイム・エレクトロニクス社のメカニックだったが、

協力するエゥーゴへと出向し、そのままエゥーゴにも所属し、

軍属として、エゥーゴのガンダムを擁する強襲巡洋艦アーガマを支援することになる。

 

 

U.C.(宇宙世紀)0088。

先に起こった、反地球連邦組織エゥーゴと、地球連邦軍から独立した組織、ティターンズ、

そして小惑星アクシズから舞い戻って来たネオジオン。

三つ巴の激しい戦い、グリプス戦争は、ティターンズの消滅によって幕を閉じた。

戦力のほとんどを失ったエゥーゴは、地球連邦軍を取りこむことはできたものの、

戦力を温存していたネオジオンに対抗するだけの戦力はなかった。

 

エマリーさんと最初に出会ったのは、漂流していたところを助けられたイーノ。

 

満身創痍だったアーガマはサイド1にあるコロニー、シャングリラへと寄港していた。

経済状況の悪いシャングリラでは、充分な補給ができず、

アーガマの艦長、ブライト・ノアが見込んだ、ジュドー・アーシタ始め、

ニュータイプの素質がある数人の少年少女を連れて、シャングリラを離れる。

けっきょくエゥーゴの大型ドック艦、ラビアンローズで補給を受けることになる。 

 

 

 

ラビアンローズから、アーガマへ、新たに開発された新型のMS、"ZZガンダム”の引き渡しと、

アーガマ自体の強化改装が行われることになった。

消耗しきったアーガマを容赦なく追撃してくる、キャラ・スーン率いるネオジオンの巡洋艦エンドラ。

アーガマはエンドラの妨害で、ラビアンローズに接触することもままならない。

合体変形が可能なZZガンダム。

コアトップ,コアベース,ネオコアファイター。

それぞれを先に受領して、アーガマはZZガンダムを手に入れることができ、

ジュドー・アーシタの活躍でエンドラの攻撃をかわし、

とうとうラビアンローズに接触することができた。

   

   

 

グリプス戦後のエゥーゴの人出・物資不足は深刻だった。

大型ドック艦のラビアンローズといえど、スタッフは10名程度と心もとない。

しかも責任者が、20歳ちょっとの若い女性の艦長代理。

アナハイム・エレクトロニクス社のメカニックで、エゥーゴへと出向してきた、エマリー・オンス。

「作業員の数あんだけなの!?アーガマの改装なんて無理だな。」

アーガマのチーフメカニック、アストナージ・メドッソがその現状を見てぼやく。

しかし、エマリーは自身満々で答える。

「やりますよ、ブライト艦長に頼まれちゃね。高速で敵の船を引き離しながらパパッと!」

 

 

 

ジュドーの妹、リィナ・アーシタが、ネオジオンの兵士、グレミー・トトに連れ去られてしまう。

ジュドーはリィナを救出するため、ZZガンダムで単独行動に出る。

幼馴染の少女、エル・ビアンノも、ラビアンローズで修理が終わったばかりの、

ガンダムMk-Ⅱでジュドーを手助けしようと、アーガマから出撃してしまう。

妹を救うためにエンドラへ向かうジュドーとエルだったが、

エンドラからは、指揮官のキャラ・スーンと副官のゴットン・ゴーが、アーガマを沈めるために出撃していた。

ほどなく交戦する、ジュドー達とエンドラのMS隊。

ジュドーとエルの戦いぶりをみて、エマリーはブライトに尋ねる。

「あの二人、ニュータイプなんでしょうか?」

「さあ、そこまでは。」

「いえ、きっとそうですよ!素敵ねえ、ニュータイプが二人も居るなんて!」

このときはまだ、ブライトと不倫関係であるような描写はないが、

いつも一緒に居て、なんとなく仲睦まじく見えるような描写が増えてくる。

 

 

右の画像、サマーン、二の腕太すぎだろ?!

 

わざわざラビアンローズからアーガマに移り、

艦長室にまで赴いて、アーガマ改装の書類を持参してブライトに迫ったり、

妻子持ちであるブライトに対し、エマリーの猛アタックが始まる。

妻のミライや子どもたちに長らく会っていないブライト。

「不倫はよくない・・・」そう頭で自制心があるものの、エマリーを強く拒むことができない。

ブライトに対し、厳しい物言いだったパイロットのルー・ルカに、

エマリーはわざとぶつかったりと、さりげなく仕返ししていたり、

愛するひとを庇う姿が露骨にみてとれる。

 

 

 

 

 

追撃してくるエンドラから逃げつつ、生活物資を補給するために、

アーガマは初期型の密閉型コロニー、ムーン・ムーンへ立ち寄る。

ムーン・ムーンはサイド建設の際、技術者や作業員たちの拠点として、

最初に作られた小型の密閉型コロニー。

サイド建設が終了し、役目を終え放置されていたそのコロニーには、

宇宙世紀にありながら、文明を捨てて原始的な生活する光族という集団が生活していた。

光族の思惑や先にムーン・ムーンに来ていたエンドラ部隊の影響もあり、

アーガマのクルーたちは光族に襲われる。

ブライトは逃げ遅れたエマリーを必死に守ろうとするが、とうとう拘束されてしまう。

ブライトとエマリーは二人一緒に縄で縛られてしまう。

 

 

 

ジュドーたちに助けられ、捕まっていたクルーたちの縄が解かれる。

「そのままの方がいいんじゃない?」

一緒に縛られたブライトとエマリーを茶化すジュドー。

二人の関係が親密なことを、周りのクルーも気付いていた。

エマリーはかなり積極的にブライトに接していた。

人目をはばかっていたつもりだったが、

その言動や態度は周りの人間から見れば、あからさまに好意が見えていた。

ブライトもまんざらでもない様子で接していたため、

周りも二人がそういう関係なんだと認識していったのだろう。

 

  

 

かくして、アーガマの改装が予定どおりに完了する。

強化された武装などの資料を持って、エマリーは直接ブライトの居る艦長室へと赴く。

ブリッジでエルから「おじさん」呼ばわりされ、たまらず艦長室に籠っていたブライト。

愛する妻、ミライと、ハサウェイチェーミンの二人の子どもの写真をながめていたときだった。

エマリーが部屋に入り資料を手渡しながら、「これ改装の結果です・・・かなり出力が違います。」

業務の会話を済ませ、部屋を立ち去ろうとするエマリー。

肩を掴んで呼びとめるブライト。

 

 

 

「なっ・・何か?!」

エマリーが立ち止まり、体に触れられたからか?

びくっとして振り返る。

「つまり・・その、何だ・・・これだけの短い時間にここまで改装してもらって・・・。」

言葉を濁しながら、やっぱり業務の会話をしてしまうブライト。

「任務なんです。仕事で・・・でも・・・私・・・。」

涙ぐませながら、言葉を詰まらせるエマリー。

この先はブライトから言ってちょうだいといわんばかりのしぐさ。

「感謝してますよ。」

エマリーの期待を裏切り、また業務会話に戻るブライト。

「それだけですか?」

たまらずエマリーは不服そうに問いかける。

そうしてとうとう、おもむろにブライトに抱きつき、襟元を開こうとする。

「ブライト艦長・・・自分は・・自分は!」

 

 

二人きりでこの状態になって、それでも耐えられるブライトが凄い。

 

慌てるブライト。

だが、まんざらでもない。

エマリーの積極的な好意を拒みながら言う。

「エマリー、待ちたまえ!私は艦長だ!キミも艦長として・・・!」

「言わないで!」

ブライトの言葉をさえぎり、エマリーはしがみつく。

無重力のなか、抱き合ったまま漂う二人。

エマリーの背後を、ブライトの妻子の写真が漂う・・・。

思わず、エマリーの体をどけてしまうブライト。

どんなに想っていても、やっぱり不倫できる相手ではなかったのか・・・。

エマリーの方から離れる。

「短い間でしたが、アーガマに居られて幸せでした。」

「さよなら・・・。」

そう言うと、エマリーはうつむいて艦長室を飛び出した。

慌ててブライトが呼びとめるが、彼女はそのままラビアンローズへと帰って行った。

 

この写真が視界に入らなければ、ブライトさんは過ちを犯していたやも。

 

こうして改装を終えたアーガマは、ラビアンローズから離れることとなる。

そこへ、アナハイム・エレクトロニクス社の本拠地、月面都市グラナダから、

アーガマへ新型兵器を搭載した輸送ランチが到着する。

エゥーゴの技術士官、メッチャー・ムチャと、

アナハイムのスタッフ、ミリィ・チルダーの乗る輸送ランチ。

アーガマに接触する途中に、ネオジオンの巡洋艦、ミンドラに捕捉されてしまい、

そのままゴットン率いるネオジオン兵がランチの貨物室に潜入していた。

アーガマに到着するや、アーガマを奪取せんと一斉になだれ込むネオジオン兵。

 

 

エマリーさんやキャラの髪型みると、当時のアメリカの女性ミュージシャンらを反映してるなあと思う。

 

アーガマで白兵戦が始まった。

ラビアンローズでそれをキャッチしたエマリーは、

クルーに作業を停止させ、アーガマの援護に向かわせる。

自身も銃を手にアーガマへと乗り込むも、ゴットンに捕まってしまう。

捕まったエマリーを見て、ブライトが叫ぶ。

「やめろ!人質は私が代わる!」

「嫌だ!こっちの方がいい!」

素直なゴットン。

けっきょく、ゴットンのアーガマ乗っ取り作戦は失敗。

ジュドーたちはエマリーの救出に成功する。

敵MSから脱出したエマリーを、バーニアも付けずに助けに行くブライト。

しばし宇宙空間でノーマルスーツのまま抱き合う二人を見てジュドーは呆れる。

「なにやってんです?この非常時に!回収しますよ、艦長!艦長代理!!」

 

 

 

いよいよアーガマはラビアンローズと離れる。

ひとり艦長室で物思いにふけるブライト。

「エマリー・・・。」

思わずつぶやいたそのとき。

艦長室の外では、ジュドーとエルが聞き耳を立てていた。

「今、「エマリー」って言わなかったか?」

「艦長も やもめ暮らしが長いから。」

グリプス戦時の戦災孤児でアーガマに乗船していたシンタクム

さらにはネオジオンの捕虜キャラ・スーンまで加わって、聞き耳を立てる。

突然、ドアが開いて、ブライトが出てきて、わやくちゃになってしまったのは言うまでもない。

 

キャラよりもエルの方が尻がでかいと。

 

次にエマリーが登場するのは、物語終盤。

地球での戦いを終え、アーガマはその役目を終える。

シャトルで飛び立ったブライトやジュドー達を出迎えたのが、

新造戦艦、ネェル・アーガマ。

そのネェル・アーガマを作ったのが、ラビアンローズだった。

愛するひととの久しぶりの再会に身を引き締めるエマリー。

 

 

 

ネェル・アーガマでは、メッチャー・ムチャがエゥーゴ正規兵のクルーを準備して待機していた。

メッチャーは、ブライト・ノアのみ艦長としてネェル・アーガマで引き続き作戦に参加してもらい、

それ以外のクルーはお払い箱だと告げる。

メッチャーに反論する、ブライトやシャングリラの少年少女たち。

地球でネオジオンの追撃を避けながら激戦をくぐり抜けてきたアーガマの仲間たち。

支援組織カラバの協力あって、ようやく宇宙に戻ってきて、

最終決戦を前にお払い箱など受け容れられない。

そのなかでエルがメッチャーに噛みつく。

「艦長さんはね、地球に居る奥さんや子どもさんに会う間も惜しんで急いで宇宙に戻って来たんだよ!」

ブライトも続ける。

「そうだな・・・こんなことなら無理してでも会ってくるんだったな。」

それを聞いて、居合わせたエマリーはうつむいてため息をもらす。

「あっ!・・・いや・・・それは・・・。」

そんなエマリーに気付いて、焦るブライト。

 

 

けっきょく、ネオジオンの急襲のどさくさにまぎれ、

メッチャーや正規兵のクルー達から、ネェル・アーガマをぶん取った恰好となり、

これまでのアーガマのクルー達で、ネェル・アーガマを運営することになった。

ここでラビアンローズから、ネェル・アーガマを離せば、またブライトとお別れ。

エマリーはため息をつく。

「はぁ・・・またお別れ。」

 

 

  

ところが、ラビアンローズから離れて間もなく、ネェル・アーガマはネオジオンの急襲を受け、

宇宙空間に投げ出されたシンタとクムを救出するため、

ブライトは単身、ランチでネェル・アーガマを離れる。

シンタとクムを救出できたものの、ランチではネェル・アーガマに追いつくことはできず、

そのままネェル・アーガマから離れ、ラビアンローズに拾われることに。

愛する人が戻って来て、一気に高揚するエマリー。

 

 

ブライトとシンタ,クムをラビアンローズで回収したものの、

エマリーの期待とは裏腹に、ブライトはネェル・アーガマを補給面で支援するため、

自ら裏方で行動するとグラナダへ向かうことになる。

支度を整え、シンタとクムを連れて、さっさとラビアンローズを離れてしまう。

その際、エマリーに、ラビアンローズでネェル・アーガマの支援をしてくれと頼む。

エマリーはブライトから、ネェル・アーガマのクルー宛の親書を託され、直々に頼まれた任務にはりきる。

  

 

ところが、はりきり過ぎて失態をおかす。

見失ってしまったネェル・アーガマの位置を探るため、

うかつに信号弾を発射して、敵MS小隊に襲撃される。 

ハイメガ粒子砲を装備し高速で稼働する新型MA、ジャムル・フィンを駆る、スリーD小隊だ。

ジュドー達の活躍で、ジャムル・フィンの猛攻を避けることができたものの、

その後のエマリーの言動・行動も、およそ艦長は務まらないようなものだった。

艦長代理として、ブライトの頼みを達成しようと懸命にがんばるエマリーだったが、

占いの電子玩具で作戦を占ってみたり、

横でミリィに指図されながら命令を出したりと、艦長代理として心もとない。

 

 

 

そんな状態で、ネェル・アーガマとラビアンローズは、とうとうネオジオンの本拠地近くまで到達する。

ここでエゥーゴと地球連邦軍の連合艦隊の到着を待つことになる。

ネオジオンの士官、グレミー・トトが、摂政ハマーン・カーンに対して反乱を起こした。

今まさに、ネオジオンを二分する激戦が幕を開けようとしていた。

艦隊編成の遅いエゥーゴには目もくれず、ハマーンの艦隊とグレミーの艦隊が対峙する。

 

 

その混乱に乗じて、ジュドーは戦争を終わらせるべく、

ハマーンの切り札、ザビ家の忘れ形見、ミネバ・ラオ・ザビの誘拐を計画し、ルーとともに出撃する。

戦争が終結すれば、またブライトに会うことができる。

「うまくいけば、すぐにブライト艦長の居る月に帰れるわ。」

エマリーは、ジュドー達の作戦がうまくいくことに期待して、はやる気持ちを抑えることができない。

 

 

コア3宙域で、ジュドーらの帰艦と、

エゥーゴ連邦の連合艦隊を待つネェル・アーガマとラビアンローズだったが、

もとよりドック艦のラビアンローズは、戦闘宙域での艦隊戦において戦闘能力はないに等しい。

にも関わらず、ネェル・アーガマに随行し続け、それどころかより前方に出て先行する。

ハマーン軍のマシュマーとキャラの艦隊と、グレミー軍の艦隊が睨みあっている宙域に入っていた。

「ちょっと突っ込みすぎじゃないですか?少し後退していないと巻き込まれますよ、艦長代理。」

脇に居たミリィが、エマリーにそう忠告するのだが、

「ジュドー達が帰ってこれなくなってもいいの!」と反論し、前進をやめない。

 

 

ジュドーのZZガンダムと、ルーのZガンダム不在のなか、

グレミー艦隊から、ネェル・アーガマとラビアンローズに向けて、艦砲射撃がはじまる。

「どきなさい!」

操舵席のミリィを押しのけて、エマリー自らがその席に座る。

「無茶です!」

ミリィはエマリーを止めようとするが、エマリーは反論する。

「ラビアンローズがバリアにならなければ、ネェル・アーガマはどうなるんです!

そのために私たちはアーガマのそばに居るんでしょ?」

「死んじゃいますよ!」

エマリーの決死の覚悟を読み取ったミリィは、必死にそれを止めようとする。

「私にはブライト艦長から頼まれた任務があります!」

エマリーは愛するブライトからの頼みを絶対に守りたい・・・。

その一心でアーガマを死守しようと決意していた。

「総員退去、あなたたちはアーガマへ。」

エマリーはラビアンローズにひとり残り、他のクルーを退艦させようとする。

「艦長代理は?」とミリィが問うと、

「最後に乗りますよ。」

そう言って、ミリィも納得させ退艦させる。

 

 

 

グレミー艦隊からの砲撃がやむと、敵MSがこちらに向かってきた。

しかし、向かってきたのは、たった一機のMS。

だが・・・それはあまりに巨大で強大なMSだった。

グレミーの切り札、ニュータイプのクローン戦士、プルツーの駆る巨大MS、クィン・マンサだ。

すぐにガンダムチームを出して後退するネェル・アーガマ。

クィン・マンサをガンダムチームが止められなければ、

ネェル・アーガマもラビアンローズも沈められる。

「ラビアンローズ、離れろぉ!」

ネェル・アーガマのブリッジでイーノが叫ぶ。

「ラビアンローズはシールドになります!」

エマリーは後退するネェル・アーガマをかばうように、前方にラビアンローズを移動させる。

退艦したクルーを見届け、ひとり操舵室に残ると爆破装置を起動させる。

 

 

 

 

プルツーの、クィン・マンサの圧倒的な火力で、

ガンダムチームは回避するのが精いっぱいで応戦できない。

「ちっ・・感じたとおりダブルゼータはいない!」

プルツーは、ZZガンダムとジュドーが不在と知るや、ファンネルを収容し攻撃をやめて反転。

ネェル・アーガマとラビアンローズをそれ以上攻撃することはせず、進路を変える。

「ラビアンローズにお尻を見せるつもり!?」

何を思ったか、後退するクィン・マンサに対し、

エマリーはラビアンローズのドッキングアームを射出する。

そして、うち一本がクィン・マンサに激突する。

「小賢しい・・モノをぶつけてクィンマンサをやれると思われたとはな!」

逆上したプルツーは再び機体を反転、一直線にラビアンローズへと向かう。

 

 

 

「行かれる!モンド、ビーチャ、追って!!」

エルら、MS隊が必死にクィン・マンサを止めようとするが、追いつくことができない。

「ラビアンローズを援護砲撃!」

ネェル・アーガマのブリッジでイーノが叫ぶ。

だが、援護砲撃を遮るようにして、ネェル・アーガマの前に立ち塞がり続けるラビアンローズ。

「ブライト艦長・・守ってください!」

エマリーは残ったアームをクィン・マンサへ向けて次々と射出する。

再び自身に向けて放たれたアームを見て、プルツーはさらに怒る。

「子供の遊びじゃないんだよっ!!」

胸部の巨大な拡散メガ粒子砲で、アームは全て粉砕されてしまう。

「そこのデカいのぉ!!」

丸腰になったラビアンローズの前方で、ファンネルを射出するクィン・マンサ。

「アーガマ、急速後退!ダミー発射!!」

巻き添えを避けるため、トーレスがとっさに回避運動をとる。

「・・ずるいよ!!」

横に居たイーノが思わず叫ぶ。

 

 

 

その刹那、クィン・マンサのオールレンジ攻撃を受け、

ラビアンローズは四方八方から無数のビームを浴びる。

光に包まれながら、ゆっくりと爆発する巨大なバラの花、ラビアンローズ。

「ブライトォーーーーッ!!!!」

閃光のなか、愛するひとの名を叫び、エマリー・オンスは散った。

ラビアンローズ・・・"バラ色の人生"を送ることができたとは到底思えない、

燃えるような恋をしていた若い女性がひとり、大輪のバラの花とともに命を散らせていった。

「フッ・・・。」

光に包まれて散りゆくラビアンローズを観ながら、不敵な笑みを浮かべるプルツー。

 

 

 

「プルツーか!?やったな!!」

ミネバ誘拐作戦を失敗し、ハマーンの元から脱出し、

マシュマー・セロの追撃をかわしながら、ネェル・アーガマへ急ぎ戻っていたジュドー。

ラビアンローズの轟沈を確認して、それがプルツーの仕業だと察知する。

「お前は騙されているんだ!思い出せプルのことを、姉妹のことを!!」

プルの声とシンクロして、直接プルツーの脳に訴えかけてくるジュドーの言葉。

クローン強化人間のプルツーは混乱し、そのままクィン・マンサは離脱する。

 

 

「エマリーさん・・・。」

大破したラビアンローズで、悲痛な叫び声が響く。

ミリィが変わり果てた姿のエマリーを抱いて泣いていた。

「艦長代理は立派に役目を果たしました・・・ブライト艦長に負けないくらい・・・。」

ネェル・アーガマのクルー達もエマリーを抱いたミリィを囲む。

ジュドーもZZガンダムで駆けつける。

すすで汚れたヘルメットのバイザーを手で払う。

エマリー艦長代理のきれいな顔が姿を現す。

ジュドーはエマリーの亡骸を抱きしめる。

「エマリーさん・・・ごめんよ、間に合わなくて・・・。」

ジュドーはうつむいて、泣きながらつぶやく。

 

 

 

この後、ネオジオン抗争はいよいよ最終局面へと突入する。

マシュマー・セロ,キャラ・スーン,ラカン・ダカラン,プルツー、

そして、グレミー・トト,ハマーン・カーン・・・。

多くの命を散らしながら、反乱によってネオジオンは自己消滅。

そこへようやく到着する、エゥーゴと地球連邦軍の連合艦隊。

この戦いに巻き込まれてしまった、シャングリラの少年ジュドーは、

ハマーンの誤った力の使い方にくやしがり、地球圏の醜い大人たちの現状に苛立ち、

エマリーはじめ、この戦いで散っていった多くの命に嘆き、

やり場のない怒りを拳に込めて、それをブライトにぶつける。

そうして妹、リィナが無事であることを確信して、地球圏に別れを告げ木星へと旅立っていく。

 

 

 

 

エマリー・オンス。

明確な年齢設定はないが、小説で「20歳ちょっと」とあるので、21~23くらいだと推定される。

ジュドーら、シャングリラの少年・少女たちが、14~15歳なので、

20歳を超えていると、じゅうぶんな大人の女性に見える。

そんな歳でアナハイムからエゥーゴへ出向し、大型ドック艦の艦長代理を任されるくらいなので、

メカニックとして腕はもちろん、開発者としての実力もかなりのものだったと想像される。

どこか緊張感がなく天然で、指揮官としての能力は乏しく思えるのだが、

ミリィら、他のクルーらに慕われていたことからも、それなりの責任感や人格は備わっていたようだ。

ところで、最後まで登場せず、その名前すら出なかった、

ラビアンローズの本当の艦長ってどこ行ってたのさ?

 

 

 

妻子持ちのブライトに好意を寄せてしまい、

不倫はよくないと認識し、一歩下がって裏で一途に支えるような描写もあれば、

略奪愛も辞さないような、大胆な行動でブライトを惑わせたりと、

その想いは格別であることが判る。

ブライトへの想いだけで、周りが全く見えていないようだったが、

ラストには、出撃をしぶるビーチャ・オーレグを説得したり、

ラビアンローズのクルー達をきちんと退艦させたりと、一応、艦長らしさを発揮してくれた。

ZZの登場人物のほとんどに当てはまることだが、

序盤~中盤にコミカルに描かれてしまい、終盤にシリアスにされるというパターン。

だが、エマリーに関しては、終始、コミカルとシリアスが入り混じった希少なキャラクターだった。

 

 

 

終盤、ブライトにネェル・アーガマの支援を託されてからの、エマリーさんのはりきり方が凄い。

ここから、きびきびと指示・命令をし始めて、なんとなく艦長らしくなってくる。

「そちらのブリッジも預かります!」と、ネェル・アーガマで艦長代理としてふんぞり返り、

MS出撃を拒んでいたビーチャを説得したシーンでは、トーレスが思わず感心してつぶやく。

「エマリーさん気合い入ってんなあ、ブライト艦長みたい。」

愛するブライトのようだと言われて有頂天になるエマリーさん。

「そうよ~一心同体!前方!弾幕薄いぞ!!」

さっきまでの気迫ある表情から、ガラッと変わっておどけてみせる。

ミリィが脇で「もう・・ノリやすいんだから・・・。」と呆れる。

ジュドーのミネバ誘拐作戦を許可したときも、

「まるでブライト艦長みたいだね、エマリーさん。」と、ジュドーから からかわれる。

それに対し、「当たり前です、私たちは一心同体なんですから!」と返すエマリーさん。

「ああっ、ブライト艦長の奥さんに言いつけよう!」

ジュドーの子どもの返しに、「こらっ!何を言うか!」と思わず叫ぶエマリーさん。

こういう緊張感のないやり取りも、ZZらしくて好きだ。

 

 

ZZ、初見時、自分は高校生で、このエマリーさんの死も強烈だった。

ブライトのような型物のどこがいいんだよ!?と思っていたが、

大人になった今、なんとなくエマリーがブライトに惚れた理由なんかを考えたりしてみた。

ブライトの生真面目でひたむきな性格と、エマリーのメカニック一筋な性格、

どことなく似ているような気がしないでもない。

ひょっとしたら、これまで研究に没頭し、恋愛経験がなくって、

初めて惚れたのが、ブライトだったのではないかと思ったりする。

こういう人が恋愛すると、とたんに信じがたいような行動に出たりする。

メカニックには天才的だけど、それ以外はどこか抜けているエマリーさん。

ブライトへの積もる想いが、そんなエマリーさんを形作ったのだろう。

 

 

次回は、"自身の開発した兵器が抹消されようとしたとき、

強引にそれをパイロットに託そうとして凶弾に倒れた天才エンジニア”。

 

 

エマリーさんとラビアンローズのトレカ。

 

エマリーさんが携行している占いマシン。

宇宙世紀に未だこんな電子玩具が存在するなんて・・・。

放映当時、まだゲームボーイもたまごっちもなかったんだよなあ。

 

このムッチムチの太もも!

こんな女性を相手に一線を越えずに居られたブライトさんは凄い・・・。

 

ラビアンローズの爆破装置に、

メーカー名かそのマシンの名前なのか、"FUJIKKO"と表記されている。

おまめさん?

 

トイレ掃除に使うベッコンベッコン(正式名称はラバーカップ)。

これで拳銃もったゴットンを抑えてエマリーさんを助けようとするイーノ。

Zザクといい、タイガーバウムでの女装といい、

控えめだけど、なんだかんだでイーノはジュドーに次ぐ才能の持ち主。

  

艦長室に少年隊の色紙が!

スタッフ遊び過ぎだろ!

  



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