よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

牡丹

2016-04-26 16:53:52 | フラワー・園芸

春から初夏にかけ、大輪の豪華絢爛な花を咲かせる、

牡丹(ぼたん)"Paeonia suffruticosa"。

この時期、次々と花を付け、八重咲きの大きな花が庭園などで存在感を放つ。

春のみならず、秋から冬にかけての寒い時期にも花を咲かせる、寒牡丹という種もあるが、

この時期に開花する、一般的な牡丹について紹介する。

 

 

福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて(記事中の写真すべて)

 

"立てば芍薬(しゃくやく),座れば牡丹,歩く姿は百合(ゆり)の花”と、

昔から美人を形容する謳い文句にも使用され、

その豪華絢爛な花姿は、古来から人々に好まれ、家紋に取り入れられたり、

浮世絵の題材から、絵皿や扇子、ふすまに屏風に着物の図柄、

ありとあらゆるものに牡丹は描かれてきた。

春のお彼岸に食べる、"ぼたもち”は、この牡丹の花に由来する。

 

 

赤やピンクが一般的だが、白や黄色の牡丹もある。

 

そんな牡丹、日本へは奈良時代に伝わったらしい。

一説には唐に留学していた空海が持ち帰ったとも。

枕草子に登場するのが最古の記録らしいが、詳しいことは不明なよう。

薬用として中国から持ち込まれ、その根は漢方薬として、日本でも芍薬とともに重宝されてきた。

血行促進、炎症の抑え、沈痛効果などがあるらしい。

学名には、ギリシャ神話の医の神ヘオニンが由来した名前が付けられているほど。

平安時代には鑑賞用としても栽培され、平安貴族に愛されたという。

 

 

 

原産国である中国では、もっと古くから薬用に盛んに栽培され、

やはり花の豪華さから、同時に鑑賞用にも盛んに栽培され、

正式に定められていないものの、中国の国花といってもいいほどの花だ。

実際、中国の美術品や装飾品、チャイナドレスの柄など、

牡丹があしらわれているのをよく見かける。

日本以上に牡丹が愛されているのが判る。

 

 

牡丹の芽。

 

生育旺盛なのだが、育て方はうるさいようで、

土づくりから支柱立て、摘芯から花後の枝かき、新芽の剪定に秋の剪定、お礼肥など、

一年を通し、管理を怠らないようにしないといけないようだ。

寒さには強いので冬場はいいが、夏の暑さには弱いので、

西日本では地植え管理は難しいという。

自分が牡丹を観に行く場所は地植えしているんだけどな。

鉢植えは水の管理を怠らないようにしなければならない。

 

また、市販されている苗は接ぎ木苗がほとんどで、

台木は近縁の芍薬が用いられている。

その台木からは、芍薬の芽が伸びるので、これは摘み取らないといけない。

地上部をひどく枯らしてしまうと、台木のみが残り、

結果、牡丹でなく芍薬になってしまったという失敗談もよくある。

芍薬も牡丹に負けないくらい美しい花なんだけどね。

 

 

鉢植えの牡丹。

 

福岡では見頃はピークを迎えているが、

東日本やそれ以北の地域では、まだまだこれから見頃を迎える。

寺院や庭園など、日本各地に牡丹の名所が数多くあり、

牡丹の開花に合わせて観覧会なども催される。

梅や桜、紅葉と同様、毎年 牡丹を鑑賞に行く人も少なくないのではなかろうか。

自己主張の強い花なので、好き嫌いがあるだろうが、

やっぱり牡丹の大輪の花の見応えはすごい。

花の大きさに対して、どうみても華奢な茎。

そのアンバランスさも観ていて面白い。 

あまりよく観たことがない方は、一度間近で鑑賞して、この花の豪華さを堪能してもらいたい。

美人を例えるあの言葉に納得いくだろう。

 

以降、牡丹ギャラリー。

 

 

 

 

 

 

 

ハナムグリ

 

 

おまけ:寒牡丹。

咲く時期が春の牡丹と異なり、春と秋の二期咲き品種。

福岡では大体、12月から2月の間に咲く。

春には花芽をかいたりして咲かせずに、冬の開花に重点を置いて調整している場所が多い。

切り花では初ぜりの寒牡丹は、1本数千円で取引されることも。

  

寒牡丹に施された、わらの囲い。

よく見るんだけど、これの正式名称が判らない。

 

 

ドラクエⅩ、今年の女性用の振袖にも牡丹があしらわれている。

※左後方のおネエちゃん。

 



コメントを投稿