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14日の夜9時過ぎ。
ちょうど入浴中で、シャンプーしていた。
おもむろに不気味なサイレンが鳴り響く。
火災やダム放水時の警告のときに鳴らされるそれとは異なる、
とても不気味な音が断続的に鳴り響く。
その音の合間に、無機質な音声が響く。
「緊急事態・・・緊急事態・・・大地震です。」と。
刹那、ゴトゴトと揺れ始めた。
浴槽やシャンプーなどを置いている棚はもちろん、
浴室全体が大きく揺さぶられる。
これは・・・!
大きい!!
うちの風呂はガス風呂で、ちょうど追い炊きしていた。
すぐにガスを止め、頭のシャンプーを洗い流す。
素っ裸で避難・・・いや、素っ裸で死にたくはない!
だが、10秒ちょっとで揺れは止んだ。
風呂からあがり、すぐにテレビを点ける。
震源地は熊本。
マグニチュード6.5,震度7。
九州でここまで強い地震が起こったのは、11年前の福岡県西方沖地震以来。
玄界灘が震源地だった、あの地震のとき、ちょうど広島へ行っていて、
広島に居るにも関わらず、広島の知人たちから次々に安否のメールや連絡があり、
何があったのか解らない自分は混乱しまくった。
大地震があったと知って、しかも自分の住んでいた場所は震度5となっていた。
実家や妹や福岡の知人らに連絡するも、まったく繋がらず。
急いで福岡へ戻ったものの、実家は被害はまったくなくて安心したのを覚えている。
最初の地震の緊急地震速報。
今回、熊本で起こった大地震。
固唾を飲んでテレビを観ていると、車が一台となりの空き地へ停車した。
なんの偶然か、熊本に住んでいる弟が実家に帰って来たのだった。
翌日が仕事休みだったため、正月以来、久しぶりに実家へと帰って来たのだ。
だが、弟は帰路途中に熊本の大地震のことを知ったようで、
実家には1時間も滞在せずに、再び熊本へと戻った。
弟は不動産会社に勤務していて、アパートやマンションの保守・管理が仕事。
地震による物件の被害が多数あるだろう、となればあちこち修繕やらで大忙し。
翌日の休みは間違いなく出勤になるといって熊本へ戻った。
弟は熊本県菊池市在住。
自身が住んでいるアパートが気になったのもあるだろう。
断続的に受信した緊急地震速報。
アラーム音が怖えんだよ。
その間も5分~10分刻みで断続的に余震が続く。
福岡に居ても、震度3とか揺れを感じる余震がずっと続く。
大きな余震の都度、あの不気味なサイレンと共に緊急地震速報が放送され、
携帯電話にも不気味なアラームが鳴り響いて、緊急地震速報がメールされてくる。
これが翌朝までずっと続いた。
弟の話によると、熊本はずっと揺れ続けていたとか。
被災した方々は眠れない夜を過ごしたに違いない。
二度目の大地震で、熊本城はさらに被害を被る。
修復には時間がかかるんだろうな・・・。
夜が明けて被害の全容が明らかになってくる。
瓦が剥げ落ち、石垣が崩れた熊本城。
日本一堅牢と言われた熊本城も、戦には耐えられても大地震には耐えられなかった。
回送中だったのが不幸中の幸い、脱線した九州新幹線。
あちこちに亀裂が入り、寸断された高速道路。
倒壊した家屋、マンション、映像を観ているだけで寒気が起こる。
さらに、16日の深夜1時過ぎ。
ドラクエをやっていた。
再び静かな夜を切り裂く、不気味なサイレンが鳴り響く。
携帯電話も鳴りだした。
そして刹那、ガタガタと音を立てて部屋が激しく揺れ始める。
!
これは・・・!
おとついのよりも大きいぞ!
ガチャン!ゴトン!!
棚の上やらタンスの上やらに置いていた、フィギュアとか花瓶とかが落下する。
雑多に積み上げていた音楽CDが音をたてて崩れる。
熱帯魚の水槽が大きく揺れて水がこぼれる。
水槽を押さえ、揺れが収まるのを待つ。
すぐにゲーム画面からテレビのチャンネルへと変える。
マグニチュード、7.3,最大震度6強。
やっぱり、こないだのよりも大きかった!
最大震度を観測した場所に、熊本県の菊池市が!
!
戻った弟は!?
連絡したいけれど・・・こんなときに連絡するのはダメだったんだよな。
無事で居てくれ、たぶん・・・無事なはず。
これまで自衛官やら消防士やらやっていた弟。
災害派遣などで実際に活躍していたプロだ。
うまくやってるに違いない。
そしてまた余震が続く、その都度、不気味なサイレンも鳴り響く。
携帯電話も鳴り響く。
明日も仕事、寝たいけれど眠れない。
余震の恐怖もあるのだが、なによりも弟のことが心配で眠れない。
3時過ぎ、また携帯電話が鳴る。
?
だが、緊急地震速報のアラームとは違う。
ふつうの着信音?
だがすぐに切れて、今度はふつうのメール着信音。
携帯電話を確認すると、熊本の弟からだった。
「おかんをよろしくね!」
たった一言、そう書かれたメールが届く。
!
これはどういうこった!?
まさかアパートが崩れ、がれきに埋もれて死にかけているのか!?
すぐに電話する。
・・・・・。
ふつうに元気そうな声で電話に出る弟。
避難場所に居た。
菊池市は全域で避難勧告が出されていた。
弟もそれに従い、避難場所に居たのだった。
無事だからと、安心させようとメールをよこしたというのだが、
あんな文章だと逆に不安になるわいや!
熊本のみならず、日本経済への影響も深刻だ。
夜が明け、ニュースで更に被害が拡大した様子を目の当たりにする。
熊本市や益城町のみならず、阿蘇の方にまで被害が拡大。
避難した人の数や、死傷者の数も増えている。
弟もこれから先、避難所生活を続けるのか?
始業前に、職場から弟に再度電話してみた。
避難場所は人でごった返していて、到底眠ることなどできず、
けっきょくアパートへと引き返し、屋内は怖いので、車のなかで一夜を過ごしたらしい。
この後、大分県でも大きな地震が発生。
熊本県のみならず、大分県でも被害はさらに拡がり、
九州の広範囲で大きな揺れが観測された。
そして無常にも被災地に雨が降り注ぐ。
地震によって脆くなった地盤、崩落した崖や道路、
さらに被害が広がってしまう恐れがある。
高校のとき地理で習った記憶がある。
九州は地殻変動で、何万年も経てば八代湾と国東半島で上下真っ二つになると。
ちょうど今回地震が発生したのが、この真っ二つになると言われている軌道上。
ひとつだったパンゲアが2億5千万年かけて分裂して今の世界の大陸になったように、
世界の陸地は今も絶えず動いている。
日本列島もまた、大陸のプレートや活断層によって絶えず動いている。
人の歴史のなかでは、気の遠くなる時間で、ふだんは考えることもない。
だが、今住んでいるこの大地の姿が、永遠でないってことは地震の都度思い知らされる。
地震は怖い。
記憶に新しい、東日本大震災。
高校のときにニュース画像の惨劇に目を疑った、阪神・淡路大震災。
小学校のときジイちゃん家で恐怖を味わった、雲仙普賢岳の噴火前震。
この後、あの恐ろしい火砕流と土石流が発生した。
小さな赤ちゃんが土砂に埋もれた車の中から助け出されて涙した、新潟中越沖地震。
広島に居た頃に恐怖を味わった、鳥取県西部地震と芸予地震。
地震大国の日本。
この国で暮らす以上、地震災害は避けることができない。
いつ被害に遭ってもおかしくはない。
非常食や飲料水など、きちんとした備えをし、
部屋の家具の配置やら、物を片付けておくことなどを心がけていなければいけない。
この文章を書いている最中にも、余震が発生し揺れを感じる。
その都度、鳥肌が立って思わずすくんでしまう。
今回の熊本地震、一日も早く終息し、被災地の方々が安心できるよう祈るばかり。
そういえば、14日の最初の地震発生のとき、
弟が熊本に戻る際に、仕事やアパートのこと以外にも、こんなことを言っていた。
「冷凍庫にアイスが32本詰まっちょうのが溶けてないか心配っちゃ。」
震災の前日、ネットで買った激安のアイスが届き、まだ一本も食べることなく冷凍庫に入れた。
停電などで、それが台無しになってないかも心配だったとか・・・。
結果、二度目の大地震で一時的に停電になったものの、
30分程度で復旧したため、アイスは無事なよう。
この弟なら、きっと大丈夫なはず。
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