よろず戯言

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平成28年熊本地震

2016-04-17 00:43:50 | 日記・エッセイ・コラム

14日の夜9時過ぎ。

ちょうど入浴中で、シャンプーしていた。

おもむろに不気味なサイレンが鳴り響く。

火災やダム放水時の警告のときに鳴らされるそれとは異なる、

とても不気味な音が断続的に鳴り響く。

その音の合間に、無機質な音声が響く。

「緊急事態・・・緊急事態・・・大地震です。」と。

 

刹那、ゴトゴトと揺れ始めた。

浴槽やシャンプーなどを置いている棚はもちろん、

浴室全体が大きく揺さぶられる。

これは・・・!

大きい!!

うちの風呂はガス風呂で、ちょうど追い炊きしていた。

すぐにガスを止め、頭のシャンプーを洗い流す。

素っ裸で避難・・・いや、素っ裸で死にたくはない!

だが、10秒ちょっとで揺れは止んだ。

 

風呂からあがり、すぐにテレビを点ける。

震源地は熊本。

マグニチュード6.5,震度7。

九州でここまで強い地震が起こったのは、11年前の福岡県西方沖地震以来。

玄界灘が震源地だった、あの地震のとき、ちょうど広島へ行っていて、

広島に居るにも関わらず、広島の知人たちから次々に安否のメールや連絡があり、

何があったのか解らない自分は混乱しまくった。

大地震があったと知って、しかも自分の住んでいた場所は震度5となっていた。

実家や妹や福岡の知人らに連絡するも、まったく繋がらず。

急いで福岡へ戻ったものの、実家は被害はまったくなくて安心したのを覚えている。

 

最初の地震の緊急地震速報。

 

今回、熊本で起こった大地震。

固唾を飲んでテレビを観ていると、車が一台となりの空き地へ停車した。

なんの偶然か、熊本に住んでいる弟が実家に帰って来たのだった。

翌日が仕事休みだったため、正月以来、久しぶりに実家へと帰って来たのだ。

だが、弟は帰路途中に熊本の大地震のことを知ったようで、

実家には1時間も滞在せずに、再び熊本へと戻った。

弟は不動産会社に勤務していて、アパートやマンションの保守・管理が仕事。

地震による物件の被害が多数あるだろう、となればあちこち修繕やらで大忙し。

翌日の休みは間違いなく出勤になるといって熊本へ戻った。

弟は熊本県菊池市在住。

自身が住んでいるアパートが気になったのもあるだろう。

 

断続的に受信した緊急地震速報。

アラーム音が怖えんだよ。

 

その間も5分~10分刻みで断続的に余震が続く。

福岡に居ても、震度3とか揺れを感じる余震がずっと続く。

大きな余震の都度、あの不気味なサイレンと共に緊急地震速報が放送され、

携帯電話にも不気味なアラームが鳴り響いて、緊急地震速報がメールされてくる。

これが翌朝までずっと続いた。

弟の話によると、熊本はずっと揺れ続けていたとか。

被災した方々は眠れない夜を過ごしたに違いない。

 

二度目の大地震で、熊本城はさらに被害を被る。

修復には時間がかかるんだろうな・・・。

 

夜が明けて被害の全容が明らかになってくる。

瓦が剥げ落ち、石垣が崩れた熊本城。

日本一堅牢と言われた熊本城も、戦には耐えられても大地震には耐えられなかった。

回送中だったのが不幸中の幸い、脱線した九州新幹線。

あちこちに亀裂が入り、寸断された高速道路。

倒壊した家屋、マンション、映像を観ているだけで寒気が起こる。

 

さらに、16日の深夜1時過ぎ。

ドラクエをやっていた。

再び静かな夜を切り裂く、不気味なサイレンが鳴り響く。

携帯電話も鳴りだした。

そして刹那、ガタガタと音を立てて部屋が激しく揺れ始める。

これは・・・!

おとついのよりも大きいぞ!

ガチャン!ゴトン!!

棚の上やらタンスの上やらに置いていた、フィギュアとか花瓶とかが落下する。

雑多に積み上げていた音楽CDが音をたてて崩れる。

熱帯魚の水槽が大きく揺れて水がこぼれる。

水槽を押さえ、揺れが収まるのを待つ。

 

すぐにゲーム画面からテレビのチャンネルへと変える。

マグニチュード、7.3,最大震度6強。

やっぱり、こないだのよりも大きかった!

最大震度を観測した場所に、熊本県の菊池市が!

戻った弟は!?

連絡したいけれど・・・こんなときに連絡するのはダメだったんだよな。

無事で居てくれ、たぶん・・・無事なはず。

これまで自衛官やら消防士やらやっていた弟。

災害派遣などで実際に活躍していたプロだ。

うまくやってるに違いない。

 

そしてまた余震が続く、その都度、不気味なサイレンも鳴り響く。

携帯電話も鳴り響く。

明日も仕事、寝たいけれど眠れない。

余震の恐怖もあるのだが、なによりも弟のことが心配で眠れない。

 

3時過ぎ、また携帯電話が鳴る。

だが、緊急地震速報のアラームとは違う。

ふつうの着信音?

だがすぐに切れて、今度はふつうのメール着信音。

携帯電話を確認すると、熊本の弟からだった。

「おかんをよろしくね!」

たった一言、そう書かれたメールが届く。

これはどういうこった!?

まさかアパートが崩れ、がれきに埋もれて死にかけているのか!?

 

すぐに電話する。

・・・・・。

ふつうに元気そうな声で電話に出る弟。

避難場所に居た。

菊池市は全域で避難勧告が出されていた。

弟もそれに従い、避難場所に居たのだった。

無事だからと、安心させようとメールをよこしたというのだが、

あんな文章だと逆に不安になるわいや!

 

熊本のみならず、日本経済への影響も深刻だ。

 

夜が明け、ニュースで更に被害が拡大した様子を目の当たりにする。

熊本市や益城町のみならず、阿蘇の方にまで被害が拡大。

避難した人の数や、死傷者の数も増えている。

弟もこれから先、避難所生活を続けるのか?

始業前に、職場から弟に再度電話してみた。

避難場所は人でごった返していて、到底眠ることなどできず、

けっきょくアパートへと引き返し、屋内は怖いので、車のなかで一夜を過ごしたらしい。 

 

この後、大分県でも大きな地震が発生。

熊本県のみならず、大分県でも被害はさらに拡がり、

九州の広範囲で大きな揺れが観測された。

そして無常にも被災地に雨が降り注ぐ。

地震によって脆くなった地盤、崩落した崖や道路、

さらに被害が広がってしまう恐れがある。

 

高校のとき地理で習った記憶がある。

九州は地殻変動で、何万年も経てば八代湾と国東半島で上下真っ二つになると。

ちょうど今回地震が発生したのが、この真っ二つになると言われている軌道上。

ひとつだったパンゲアが2億5千万年かけて分裂して今の世界の大陸になったように、

世界の陸地は今も絶えず動いている。

日本列島もまた、大陸のプレートや活断層によって絶えず動いている。

人の歴史のなかでは、気の遠くなる時間で、ふだんは考えることもない。

だが、今住んでいるこの大地の姿が、永遠でないってことは地震の都度思い知らされる。

 

地震は怖い。

記憶に新しい、東日本大震災

高校のときにニュース画像の惨劇に目を疑った、阪神・淡路大震災。

小学校のときジイちゃん家で恐怖を味わった、雲仙普賢岳の噴火前震。

この後、あの恐ろしい火砕流と土石流が発生した。

小さな赤ちゃんが土砂に埋もれた車の中から助け出されて涙した、新潟中越沖地震。

広島に居た頃に恐怖を味わった、鳥取県西部地震と芸予地震。

 

地震大国の日本。

この国で暮らす以上、地震災害は避けることができない。

いつ被害に遭ってもおかしくはない。

非常食や飲料水など、きちんとした備えをし、

部屋の家具の配置やら、物を片付けておくことなどを心がけていなければいけない。

この文章を書いている最中にも、余震が発生し揺れを感じる。

その都度、鳥肌が立って思わずすくんでしまう。

 

今回の熊本地震、一日も早く終息し、被災地の方々が安心できるよう祈るばかり。

そういえば、14日の最初の地震発生のとき、

弟が熊本に戻る際に、仕事やアパートのこと以外にも、こんなことを言っていた。

「冷凍庫にアイスが32本詰まっちょうのが溶けてないか心配っちゃ。」

震災の前日、ネットで買った激安のアイスが届き、まだ一本も食べることなく冷凍庫に入れた。

停電などで、それが台無しになってないかも心配だったとか・・・。

結果、二度目の大地震で一時的に停電になったものの、

30分程度で復旧したため、アイスは無事なよう。

この弟なら、きっと大丈夫なはず。

 



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