よろず戯言

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あやしい彼女

2016-04-13 23:24:12 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

多部未華子主演のコメディ、"あやしい彼女"だ。

数年前に大ヒットした韓国映画、"怪しい彼女"の日本リメイク版。

監督は、"舞妓Haaaan!!!","なくもんか","謝罪の王様"の水田伸夫氏。

キャッチコピーは、"いきなり、20才(ハタチ)。"

 

 

最初に予告編を観たときに、これは面白そうだ!ってなり、

公開が待ち遠しかった映画。

多部未華子ちゃんが主演の映画は、夜のピクニック以来。

あっちは真面目な青春ドラマ、今回はコッテコテのコメディ。

観てはいないが、ドラマではコメディをやってるのを知っている。

それでもやっぱり、自分は真面目でシビアなイメージを持っている女優さん。

最近やってた、音楽配信かなにかのCMはすばらしかった。

そんな多部未華子ちゃん、この映画でヘン顔のオンパレード、過激な台詞の連続らしい。

期待を膨らませ鑑賞に臨んだ。

 

 

東京の下町。

そこに住んでいる、73歳の老女、瀬山カツ(倍賞美津子)。

若い頃にひどく苦労した経歴を持つが、

女手一つで育てた娘も、ファッション誌の編集長。

孫も大学生。

今となっては気ままに余生を過ごす身。

 

 

幼馴染の次郎(志賀廣太郎)の経営する銭湯でパートし、

そこで常連客に娘と孫の自慢話をし、ソリの合わない客と喧嘩し、

その毒舌となりふり構わぬ無神経なふるまいで、

商店街では店主たちに煙たがられる名物ババア。

 

 

そんなカツ、娘の幸恵(小林聡美)と大げんかして家を出てしまう。

啖呵を切って家を飛び出したものの、行くアテのないカツ。

ふらふらと商店街を彷徨っていると、見馴れない写真館が・・・。

そこのショーウィンドウに飾られていた一枚の写真に釘づけになるカツ。

大好きな、オードリー・へプバーンの写真。

 

 

オードリーに招かれたかのように、写真館に入るカツ。

写真館の店主(温水洋一)に身の上話を語る。

戦災孤児だったカツ、過酷な少女時代を過ごし、

若くして結婚・出産するも、夫が早世。

女手一つで娘を必死に育ててきて、若い頃に写真なんか撮ったこともなかった。

「苦労なされたのですね・・私がこのカメラでお姫様にしてあげますよ。」

写真館の店主はカツにそう言いながら、カメラのシャッターを切る。

 

 

写真館から出てきたカツは・・・20歳に若返っていた!?

大鳥節子と偽名を使い、次郎の銭湯で居候。

若い頃、やりたくても できなかったことがなんでもできる!?

自慢の美声が、とあるバンドマンの目にとまり、ヴォーカルに。

そのバンドマンは実の孫の翼(北村匠海)!

さらに音楽プロデューサーの目にとまり、イベントに出演!テレビに出演!

迷走する翼を叱責し、メジャーデビューを目指す!

音楽プロデューサーの小林(要潤)に恋心を抱きながら、二度目の青春を謳歌する。

 

 

その頃、娘の幸恵が必死にカツの行方を探していた。

次郎らに、母のことを訪ね歩くうち、

幸恵はカツが若かった頃、苦労して自分を育ててくれたことをあらためて知る。

 

 

節子と翼のバンドは、いよいよメジャーデビューのかかった大舞台を迎える。

翼やバンド仲間の悲願だったメジャーデビュー。

一緒にその夢を叶えたい!

だが、本番直前にアクシデントが起こってしまい・・・!

 

 

すごく面白かった!!

テンポも良くていい。

強烈なバアちゃんが、中身はそのままで二十歳の若い娘になる。

昔ジャンプに連載されていた漫画、サイボーグじいちゃんGを思い出した。

多部未華子ちゃん、シリアスな役しか見たことがなかったが、

素晴らしいコメディエンヌぶりだった!

この世代の女優さんじゃ、唯一無二かもしれない。

 

 

志賀廣太郎が強烈だった。

幼馴染のカツと、カツのライバルの厚化粧ババアのみどり(金井克子)と、

自分の娘の麻衣子(三鴨絵里子)に振り回される。

さらには若返ったカツ、節子にも振り回され、

多部未華子を越える、コメディアンっぷりを発揮する。

殴られ、投げられ、縛られ、布テープで口を塞がれ、顔面に洗濯バサミを付けられ、

もう、やられたい放題。

こういう情けない役が、とてつもなくハマる。

 

 

要潤、仮面ライダーか何か特撮モノでデビューしていて、

元々はイケメン俳優だったのだろうが、ここんとこ、そういう役柄を観たことがなかった。

今回、珍しく、というか自分はこんなイケメン役は初めて観た。

若返ったカツ(節子)が惚れてしまう、音楽プロデューサー役。

ただ、仕事バカ過ぎて、男として迷走気味のちょっと残念な役でもあったか。

ストーカーと間違えられたり、酒吹きかけられるシーンは面白かった。

デートのシーンもよかった。

デートのときに撮った写真を見て驚くラストはちょっと切なかった・・・。

 

 

オリジナルは韓国映画らしく、日本でも大ヒットしたとか。

そういえば、そんな映画あったな・・・とにわかに思い出した。

よくよく見れば、ポスターのポーズなんかもオリジナルを真似ていて、

劇中、オリジナルをオマージュしたシーンがいくつかあるそうだ。

それよりも、オードリー・ヘプバーンの主演映画、

ローマの休日をオマージュしたシーンがたくさんあったのは判った。

節子の格好やらモロそのまんま、次郎のバイクもそうだったし、町内会の福引の箱もそうだった。

こういうの見つけるのも楽しかった。

 

 

監督の水田伸夫氏、

過去の作品で、舞妓Haaaan!!!と、なくもんかは観たのだが、

両方とも すごくつまんなくて、謝罪の王様はとうとう観なかった。

あやしい彼女も、もし事前に水田氏が監督だと知ったなら、

もしかしたら観に行くのをやめていたかもしれない。

こんな面白い映画を見逃すところだった・・・あぶないあぶない。 

でも監督で過去、痛い目に遭ったからなあ・・・。

UDON少林少女曲がれ!スプーンの、あの監督には本当にやられたわ。

もう二度と観ないぞ。

 

 

コメディ作品なのだけど、音楽映画としてもクオリティ高め。

昭和歌謡を現代ロック調にアレンジしたものが、

節子や翼のバンドによって数曲披露されるのだが、これがどれもいい。

自分ら世代だと古臭く感じる昭和歌謡が、すごくスムーズに聴けてしまう。

そして劇中のオリジナル曲を作ったのは、

Mr.ChildrenやMY LITTLE LOVERのプロデューサーとして知られる、小林武史氏。

これはクレジット見なくても、判ってしまった。

’90年代の音楽には強いぞ(ビジュアルロックはのぞく)。

 

 

そんなこんなで楽しめた映画、あやしい彼女。

単なるコメディではなく、家族愛がテーマの感動作でもある。

終盤は不覚にも涙を流した。

親子が解りあえた瞬間、自分を犠牲にして子や孫を思いやる姿、

否がおうにも感動してしまう。

そうして感動のまま幕引きかと思ったら、

いよいよラストに、またとどめで笑わせてくれた。

いやあ楽しかった。

 

 

購入したクリアファイル。

 

購入した湯呑。

この湯呑、仕掛けがあって・・・。

 

熱いものを注ぐと・・・。

 

イラストが変わるのだ!

サイズが小さいのが難点。

 

 

 



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