まくら探しとは 旅客の寝ている間に、その枕もとに置いてある金品を盗み取る事
であるが 今、私は そんな悪事ではなく 安眠できるまくらを探しているのだ
睡眠中の「まくら」がどうも合わないらしく いろいろ試してみる
ベッドを購入した時 たかが枕にしては高額すぎると思いつつも
「初めは合わないと思っても なれれば最適な眠りが‥‥」の宣伝に誘われて購入
何週間かを試してみたが 首は痛いし、それがためか夜中に何度か目覚めるし で、
以前、布団生活時に使っていた「もみ殻枕」に戻した慣れた枕の方が幾分いいようだ
が、やわらかい枕にもなじめず 夜中に 程よい位置を求めて 転々とすることに
そこでもう一つの枕を昨晩 試してみた 押入れの隅に何時からかあった固い枕に
さいわい昨夜は首は痛まないし 夜中に転々することもなく 朝までぐっすりと。
これに決まりだと思うも どうだろうか 暫く使ってみようか
今,まくらに 誘われて 『枕草子』の一説を読んでみる 一段の秋の侯
「秋は夕暮れ夕日さして・・・・風の音、虫の音など いとあわれなり」
この風情は 私の心情に合わない 高級すぎる 昔聴いた都都逸に
「つゆをまくらに くさとねて 何が不足で鳴く虫の声」ちょっと色っぽい
安眠まくらに 出会ったせいか 現在のわが身に不相応の事が頭に浮かぶ