正覚寺は戦国時代真っ只中 天文15年に岩槻城主配下の武将が一族の菩提を弔う為
阿弥陀仏を奉安したのに始まるという
其の後 、安政の大地震や関東大震災で倒壊・再建を経て今日に至っているとの事
ここで目を引くのは 木像聖観音像 舟形光背を含めて一木彫りの秀れたものだ
天明2年の浅間山大噴火と荒川大洪水により 傷ましい姿で流れ着いたものという
右手は施無毘印(せむいいん)、左に蓮華のつぼみを持つ
境内に安置された 現代の 聖観音(子育て観音)とを 並べてみる
現代技術により 細工されたほうに 美しさは一歩も二歩も譲るのは 否めないが
その 深い味わいにおいては 木像に軍配が上がるようだ
現代品が その味を出すことがあるとしたら 数百年の後の事だろう
今は 偶然流れ着いた木像物をこうして 保管、閲覧に供してくれる お寺さんに
感謝を伝えたい それにしても炎天下、既に若干の「割れ」も見られ痛ましい限り
今はただ 合掌して 思いを伝えるのみ
しょうかくじ 川口市元郷