夜来の雪もやんで 首都圏は碧空で開けた
ふと、『雪の日の円朝』なる作品が心に浮かぶ 円朝は「落語中興の祖」の事だ
我が、か細い記憶によればこの戯曲の作者は久保田万太郎 但しこれも定かではない
雪の日の朝 幕末三舟 勝海舟、山岡鉄舟、高橋泥舟 時の文化人が余興に
三遊亭円朝に噺をさせようと 多分、深川あたりの料亭によびだす
全て私の淡い記憶であることを御承知願いたい
「三舟」はこの場で即席で『桃太郎』だったかの昔話を円朝流に語れと要求する
牡丹灯籠、芝浜、死神・・・等々の名作を残した彼に 即興でしかも円朝らしくに
語れとの 要求だ それからが肝心だが 記憶はそこまでで
円朝が船で雪の中、料亭に辿り着いた事 そんな些事を はっきり覚えているのだが
無事語り終えたのか 噺つくりに苦労するのか 全く思い出せない数十年前の記憶だ
近ごろ、記憶が飛んでしまっていることが 頻繁にある 困ったもんだ
老化とか耄碌とはこんなものなのか寂しい 歳とって何よりも悔しいのはこんな時だ
しっかりしろよ!俺!!と、一人鼓舞する
勘三郎、三津五郎、勘弥。
僕の観た日は雪が降りました。この冬よく雪が降って、夜の部の客が歌舞伎座で徹夜したことがあったかと・・・この冬か、この前後の冬か、記憶、ちょっと怪しいです。
新宿から都電に乗ると、冬の半蔵門あたりの雪景色は素晴らしく・・・
わが耄碌ゆえの美しさでしょうか。