風来坊の忘備録

晴歩・雨読 日々の雑感 不定期便

決断

2021-01-16 19:03:03 | 日記

数十年我が書架に眠っていた本を引っ張り出す 先日の本能寺の変に触発されての事

歴史の群像は いかに『決断』したか それを知りたくてのこと

蘇我馬子は?坂上田村麻呂、楠木正成、毛利元就、伊達政宗、島津義弘、勝海舟は?

彼らがその場に及んでいかなる決断をしたかを それぞれ歴史小説風にまとめたもの

前,四者については 当方の知識が乏しいこともあり 興味わかず飛ばし読みする

       

「政宗謀反」の疑いを徳川家康他綺羅星の如く並ぶ大名列座の中どう申し開きするか

政宗が 家と領土をかけての決断結果は「政宗は悪くはない」と出る 勝ったのだ

 

関が原の戦いは島津を置き去りにし大垣城に走った石田三成、養父の恩を踏みにじり

裏切りに出た小早川秀秋 みんな腹立たしい利己主義者だ

「こんなバカバカしさの真っただ中で何故死ななければならぬのか」義秋は考えた

その結果、断固として敵中突破に出た義秋の決断・誇りを捨てなかった覚悟が見事

 

薩摩軍江戸総攻撃を前に江戸に自ら火を放ち焦土となった江戸を引き渡そうか 

こんな焦土作戦を腹に 敵将西郷隆盛との会談に臨んだ勝海舟 

江戸を灰にして多くの人を殺した男になるかと 西郷に迫った 

海舟の知と捨て身の決断とが、西郷を動かし、歴史を 救ったのである

 

歴史を『決断』との一点に絞りその時にどうしたかを読み物風にまとめたもの

 

近ごろ決断にズレがありはしないかとマスコミがやかましい現代の我らの上に

たつ人の 決断が その時と方向を 誤らないように せつに願うところだ

 

 

 

 


鬼と人と 

2021-01-14 20:55:58 | 日記

大河ドラマで 明智光秀が語られているが ほとんどテレビを見ないので

語ることはできない 一度も見ないうちに最終回を迎える事になるだろう

 

この本では鬼(信長)と人(光秀)各々の独言が交互に語られつつ物語は進む

その大団円は お決まりの 『本能寺の変』

    

本能寺の変は信長の遺体が見つからないことや光秀の動機が定かではない事から 

真実は何なのか 謎の多い事件で真相は不明のまま それの絡んだ小説もいくつか

ミステリー小説で‐その結果 受益が多いものが犯人だと推理するのだが その伝で

いけば 豊臣秀吉黒幕説 は有力で秀吉に操られて事に及んだとの説にも説得力が

他に 朝廷が仕組んだとの説も 有力ではある が・・・・。

私個人的には 「鳴くまで待った」徳川家康の小説的な陰謀説に興味がひかれる

 

但し、この本は あくまでも正統で 「信長の酷薄残忍な鬼のような行為」と

それに対する「光秀はただの人じゃ、所詮、ただの人」の決起だと、と説く

 

その鬼が 一揆野伏でさえも攻め入れる本能寺に女子供だけを供に来るのだ

信長様お一人さえ亡き者にすれば 永年の遺恨を晴らす『時は今だ』と光秀

 

これが真相 そして信長は『是非に及ばず』と取り乱すことなく戦って果てた

作者は そう語る 黒幕や陰謀には一切、触れず歴史上の事実のみを語って。

 

コロナを忘れ 上下2巻の本を 一気に読み終わる 読後は充実したものに。。

 

 

 

 


宮本武蔵 五輪書

2021-01-12 19:30:43 | 日記

 山本周五郎の短編小説に「よじょう」というのがある

この作品は吉川英治によって剣聖とし描かれた宮本武蔵に対する痛烈な風刺がある

自らを売込もうと見栄っ張りで,しゃっこばった武蔵を敢えて言えば吉川英治への

怒りを込めた挑戦であると言われる  詳述は避けるが 好きな作品だ

       

話は一転する 野球の野村克也氏が監督時代「世の中に不思議な勝ち方はあるが

不思議な負け方はない負けるにはそれなりの理由があったはずだ」と語っている

(余談だが私は野村監督嫌いで氏が阪神タイガース監督時代 阪神ファンを自任して

いたのが その間 野球を一切見なかった~~)          閑話休題

 

『五輪書』は宮本武蔵が自らの生涯を通じ見出した「武士としてあるべき生き方」を

著した書物で 「地・水・火・風・空の5巻から成り立つ 勝つことに徹した生き方

型に捕われず、武具に執着せず、平常心を保ち、勝つ事のみに全てを集めた剣術思想

の集大成だという  「負ける」ことなど一切 、その思想にはなかったようだ 

   

  ・世々の道をそむくことなし   ・身に楽しみをたくまず

  ・恋慕の道思いよるこころなし  ・我、事において後悔をせず

  ・神仏は貴し 仏神をたのまず  ・常に兵法の道をはなれず

武蔵がこの世を去るにあたり 書き残した21か条の『独行道』の一部だ

最期まで 融通が利かず 自信に満ちた 己の道を突き進んだようではある

 

ここいら辺が山本周五郎のそして 周五郎ファンの私が 武蔵を、吉川英治を

好きになれない 所以である


ま・く・ら

2021-01-11 15:55:04 | 日記

ま・く・ら と、言っても ステイホームをやらざるを得ない 今日びのことだ

1日寝て暮らすことではない もっとも一人暮らしの 悲しさは寝るといっても

 一人寝るのは 寝るのじゃないよ まくら抱えて横に立つ   

なんていう句があるから それの近いか 古い本を ぽつりぽつりと拾い読みする

「枕」は落語のイントロ 本筋の現代では通用しなくなった言葉を事前解説する事も

 

柳家小三治 師匠の まくら はむしろ本筋の落語より面白いと、定評

辛口でたしかな眼 人生っていいなと こころあたたる話で ご機嫌を伺いする

俳句仲間(永六輔氏・加藤武・神吉拓郎・入船亭船橋 等)との交流を綴ったのが

わけても面白い お題を決めて オーソドックスに季語を踏まえての句会記録

勿論、噺家らし,ユーモアもちょっぴり含んで且つ、真面目に呻吟    

《題:韮》 ・包丁の 切れ味小気味 韮の束

      ・ざく切りの 韮うずたかし 博多の灯

  何やら もつ鍋を 食したくなって 秀逸だ・・・と、思う

《題:春暁》・春暁や 短き夢を 織りつなぐ 

    

噺の枕本は手元に 立川談志(まくらコレクション)三遊亭円生(噺のまくら)と、

あるが この先ながい ステイホームだ あわてず 楽しみに読みつなげようか

 

      

 

 

 


当たり前の 生活

2021-01-10 20:27:41 | 日記

蛇口をひねれば 温水が出てくる 給湯温度も意のままに これが当たり前と

思い込んでいた 特に高度なとか便利にとか 意識した事はなかった…それが

当たり前な事と 深く気にしたことはなかったが

 

今日、朝飯後 コーヒーと新聞とそれに 日曜日 楽しく見ている美術館番組

至極のひと時をのんびりクツロイデいた 陽光が差し込む天国のような部屋で

それが突如、窓ガラスをトントンと ご近所の あまりなじみのない小母さんに

破られる 「水が噴き出してるよ」と 当初、意味が解らず「折角のひと時を」

「うるさいな」と思いつつも 外に出て指摘の個所を見る なんということだ 

かなりの勢いで噴き上げているではないか とても俺の手に負える状態じゃない

世間、3連休のど真ん中「修理依頼は可能だろうか」「お金もかかりそうだな」

そう思いながらも 市、水道局に電話 休日対応の業者を教えてもらう

30分後には 如何にもプロのお兄さんが てきぱきと対応 思ったより深刻で

給湯管数か所の破裂らしい 取り敢えずの応急処置で 今夜の風呂使用は何とか

  
 配管損傷個所         応急処置後

 

長々と書いたが 普段、当たり前と思い気にも留めない事でも 突如の破綻で

生活が乱され 慌てふためくことになる

今のコロナ禍の生活も 普通の生活が ウイルスなんて言う奴でいきなり壊され

どうしてよいかわからず右往左往し、 振り回される

 

お湯の配管は プロの手で とにもかくにも 生活への支障なしに済んだが 

コロナに対してもプロが出張ってくれ ご安心下さい、お任せをと誰か言って

くれないものか大勢のプロ集団の活躍を知りつつ つい、愚痴ってしまうのだ