きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

プロの勘ってやつに近いんだけどね・・・

2020年05月02日 | CORONA
4月28日、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症の軽症者や無症状の方がホテルや自宅で療養する際に注意すべき緊急性の高い症状というのを公表しました。

「コロナ感染症の緊急性の高い症状」;厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/content/000625758.pdf

私たち内科医は、感染症にかかっていると診断した患者さんの治療をするときは、重症化のリスクを持っている患者さんかどうかも、初診の際に判断します。
そして、肺炎の合併の有無や、重症化を見逃さないための大切な観察ポイントとして、この「症状(サイン・Sign)」を常に頭のなかに置きながら患者さんを診ています。

重症化しやすいのは、ご存じのように高齢者や高血圧や糖尿病、がんなどの万性病をお持ちのかた、(元・現)喫煙者などで、場合によっては数時間から半日単位くらいのスピードで病状が悪化することもあります。

呼吸不全の診療において、救命できるかどうかは、いわゆる「初動対応」が鍵になるので、変化を見逃さないようにすることは、とても大切なのです。

とはいっても、こういう変化を見逃さずに、適切な初動対応をするには、担当している医者や看護師に、ある程度の臨床経験が必要です。
「プロの勘」という職人技が求められるのが医療の現場でもあります。

今回の厚労省の公表というのは、その「職人技」を、一般国民のみなさんに要求しているに近いのではないかと思います。
ですから、テレビでこのニュースが報道されたとき、テレビ番組進行者が「もっと早くこういうことを知らせてくれれば、死なずにすんだ人がいたかもしれないのに」といった趣旨の発言をしているのを聞いたとき、「そうは言ってもねえ・・・」と思わずつぶやいた私でありました。

が、大切な命を守るためですから、プロフェッショナルなみなさんでなくても、もう少しこの12の症状について理解が深まり、変化を見つける手助けになるよう、私なりに解説を加えてみたいと思います。





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