初めて水タバコを吸っている人を実際に見たのは、何年も前にトルコかインドネシアを旅行したときだったと記憶しています。
主に欧米からの旅行客たちが喫煙バーのようなところで吸っていました。
彼らはきっと、通常の紙巻きタバコとは違う、エキゾチックな雰囲気に惹かれたのかもしれません。
水タバコ(シーシャ)は、インドやアラブ諸国などで好まれている喫煙方法です。
タバコの葉をタールや糖蜜などで固めたものを皿の上に置き、木炭で加熱して発生したエアロゾルを、ホースが繋げられた吸い口から吸いこみます。
その時エアロゾルは、いったんガラス容器に入れられた水の中をブクブクと通るので、「水タバコ」と呼んだり、ペルシャ語のガラスを意味するシーシェが語源となった「シーシャ」という名前で呼ばれたりしています。
水の中を通すと煙が冷やされるので、暑い国で好まれている喫煙方法です。
心配なのは、最近は日本でも普及し始めていて、都内だけでなく、私の住む地方の街の商店街にも、ついに店が出現しました。
水タバコは、水をくぐらせることで有害物質を吸着させるといったイメージがあるのか、普通のタバコよりも害が少ないといった誤解をしている人が多いようですが、そんなことは決してありません!
紙巻きタバコ同様、発がん物質等の有害物質を吸引することに、なんら違いはありませんし、むしろ長いホースを使うことによって、深く吸いこむ傾向があり、煙の充満したバーなどで、長い時間を過ごしやすいぶん、リスクが高いといえるかもしれません。
当然、ニコチンを含んでいますので、興味本位で試せば、ニコチン依存症に陥り、他のタバコ製品や薬物の使用へと導くゲートウェイドラッグとなります。
電子タバコなどでも言えることですが、タバコ葉を使わない、ノンニコチンフレーバー系のものでも、吸引すると肺や心臓に様々な障害を引き起こす化学物質が多く含まれていることがわかっています。
もちろん、受動喫煙リスクがあることも同じです。
こういった「吸引玩具」や「喫煙おもちゃ」には、決して手を出さないでください。