私が本格的に小中学校での喫煙防止教室に取り組み始めたのは2005年でした。
出張授業をさせてもらえる学校を地道にクチコミで開拓していきました。
病院という組織で働く医者としては異端児扱いされましたが、すごく頑張りました。
頑張れた理由は、何より楽しかったからです。
コロナ禍で学校へ行けなくなった2020年度は、学校の先生方のために授業用テキストを作成し、スライドとともに提供し、授業を行っていただきました。
これまで築き上げてきたことを、コロナで衰退させたくなかったからです。
ちょうど、「医師による特別授業」を、そろそろ養護の先生方に引き継ぎたいと考え始めていた時でしたので、これが良いきっかけになるかもしれないと、私的にはポジティブに受け止めていました。
(もちろん喫煙の健康被害はきちんと保健の教科書に書かれてありますが、意外と現場ではスルーされているのが現状だった経緯があります)
そうやって学校の先生方に喫煙防止授業を実施してもらった後の子供たちの感想文をみせてもらった限り、引き継ぎはできたという実感がありました。
実際、10年間すべての小中学校で出張授業を行ってきたN市では、2020年から保健師さんたちに喫煙防止教育事業を全面的に引き継ぎました。
けれども顔なじみの養護の先生方からは、現場の医師と子供たちが対話をする貴重な機会を失いたくないといった理由で、再度「医師による授業」をしてほしいというご要望をいただきました。
ありがたいお話です。
そこで、昨年度からはご依頼いただいた学校に対しては、「リモートであれば」という条件でお引き受けしています。
養護教諭の先生方は、リモートは・・・ということで、いったんは尻込みされるのですが、せっかくなので、時代の波に乗りましょう!とお互いに勇気づけあって、試行錯誤しながら行っています。
リモート授業についての子供たちの感想(5年生):
・先生から直接お話がきけたのでうれしかったです。
・オンラインでも時間をとってくれてうれしかったし、他の人の質問もわかりました。
・オンライン授業をやってみて、ふつうの授業みたいでとても良いと思いました!
・コンピューターでの会話も大丈夫でした。
・面と向かって話すのは苦手な子もいるので、リモートはすごくいいと思います。
・Meetでも声が良く聞こえてうれしかったです。
・先生は質問だけでなく、感想を言ったときもタバコについてくわしくていねいに話をしてくれて、ありがとうございます。
・今回初めてこのようなことをMeetを使ってオンラインで話をしたり、質問できて、すごいなと思いました。
変化を恐れる大人を勇気づけてくれるのは、いつもこういう子供たちです。