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定期健診などで異常が見つかり、医師から詳しい検査や、ある治療法をすすめられたとします。
その際、「選択肢はひとつのみ」ということは避けられなければいけません。
必ず、二つ以上の選択肢が提示されるべきです。
医療現場に限ったはなしではありません。
たとえ勧める側が「これ以外ありえない」「ぜったいお薦め!」と思っていたとしても、一刻を争う医療現場での超緊急事態のような場合をのぞけば、それ以外の選択肢もきちんと提示したうえで、それぞれの長所短所を比較しながら、提供する側と提供される側が協力的に話し合いをし、合意の上で最終決定をするというのが理想です。
医療現場ではそのような意思決定の仕方を「シェアード・ディシジョン・メイキング Shared Decision Making:SDM (共有/共同意思決定)」と言っています。
ここで大切なのは、「一緒に考える」ということです。
たとえ選択肢を複数提示していたとしても、一緒に考えようとはせず、「どれにするの?自分で決めてくれ!」というのは、不親切ですし、信頼に値しません。
ショッピングの際も、店員さんがSDMの方法で助言・対応してくれると、「良い買い物をしたなあ!」という気持ちになれるはずです。