医学生時代、解剖学が大嫌いでした。
教授の好みで、教科書はすべて英語。
そして、何百もの骨や筋肉、神経や血管の名前をすべて、英語、ラテン語、日本語で覚えなくてはなりませんでした。
若いからこそ、乗り越えられたんですね・・・
「筋肉」でめんどうだったのが、名前だけでなく、「起始と停止」も覚えなくてはいけなかったことです。
筋肉の両端は固い「腱」となっていて、関節をまたぐように、骨にくっついています。
筋肉がどこから始まってどこで終わるかという、筋肉の骨の付着部分を理解することは、筋肉の動きを知るうえでとても重要なポイントなのです。
たとえば、新型コロナワクチン接種をする三角筋は前・中・後部の3つの筋肉の束に分かれており、起始部はそれぞれ違います。
前部が鎖骨の外側3分の1、中部が肩峰、後部が肩甲棘となっており、停止部は上腕骨中部外則の三角筋粗面・・・といったぐあいです。
学生時代は丸暗記していたからでしょう、苦痛でしかありませんでした。
大人になってからは、からだのあちこちが痛むようになり、自然と痛いところをさすったり、マッサージをしたりすることが増え、学生時代よりも筋肉に興味がわきました。
マッサージは、筋肉の「スジ」がどこからどこまで、どんな方向に走っているのか、具体的にイメージしながら行ってください。
そうすると、いわゆる「もみかえし」をおこさずにすみます。
そんな理由で、私は解剖図譜を見る機会が増えましたし、整形外科医ではないのに案外筋肉の名前を知っていると、医者仲間から驚かれます(笑)
さあ、いまいちど三角筋がどこにある筋肉なのか、自分でも触って確かめてみてください。
そうすれば、モタモタせずにスムーズにワクチンを受けるには、当日どんな服を着ればいいか、わかりますね。
キャサリン妃がフレンチスリーブのカットソーを着て、スマートにワクチンを打ってもらっている写真がネット上にあがりました。
さっそく目ざといファッション業界がそのカットソーのことを「ワクチントップス」なんて言っているのには、笑っちゃいましたけどね。