大櫛陽一・東海大学医学部教授(専攻 医療統計学・糖尿病・脳卒中)「コレステロールと中性脂肪で、薬は飲むな」を読む。
同書より重要部分を抜粋
「中性脂肪と病気との関係はほとんどない」「中性脂肪は高くても死亡率に影響しない」
「男性では中性脂肪150mg/dl以上では死亡率が低く一定、日本動脈硬化学会の<150㎎/dl以上は脂質異常症>は大きな疑問」「欧米の治療ガイドラインは250-1000mg未満は全く治療の必要性なし、生活習慣の改善も不要、1000㎎/dl以上でも特例を除き薬剤は不要」
「コレステロール値が高くても統計的有意な死亡率の上昇はなく、低いと優位に死亡率が上昇する」
「総コレステロール値が高い方(200mg /dl以上)が長生き」「低コレステロール(160㎎/dl以下)は死亡率が上がる」
「正常な人は、加齢に伴って総コレステロール値が上昇する。これは病的な変化ではなく、免疫力を高めるために細胞膜を強くするという必要な変化である」
「LDL(Low Density Lipoprotein)は総コレステロールの約6割、(欧米の基準値はLDL値は190mg/dl・総コレステロール値で280㎎/dlに相当)男性では100-160㎎/dlが最適値」
「コレステロールは高い方が脳卒中になりにくい」「コレステロールが高くても、血管に炎症がなければ心筋梗塞や脳卒中にない」「高脂血症の方が脳卒中にならない」「高脂血症の方が脳卒中の程度は軽い」
「無駄かつ危険な医療で最も規模の大きな医療は高血圧医療である。栄養状態がよくなり、昔のように血管がやぶれなくなって、高血圧の危険性は少なくなっている。しかし、高血圧の診断基準は次々と下げられ、最大血圧で180mmHg以上から130mmHg以上となった。基準を下げれば患者が増え、降圧剤が売れる。無駄な高血圧治療は年間1兆5000億と推計される」
ここ数年の私の中性脂肪の検査値の推移( とても高いと診断され、検査のたびその数値の上下に一喜一憂していた自分が馬鹿らしくなった。コレステロールについてもほぼ同様。いずれも医者からしつこく勧められていた下げる薬を拒んでいたのは正解だった。)
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※ 私が承知している限り、薬剤の効果は、もっぱら試験的投薬の実績を統計的に処理して有効・無効、副作用の程度によって判定されるようだ。そうであるなら、大学医学部「医療統計学」を専攻する学者の意見が無視されてはなるまいに。
※ この本は、実名まで挙げて医薬界における「産官学」による救いがたいような癒着構造(製薬企業から学者への多額の寄付金・研究費、厚生省から製薬企業への大量天下り、厚生省・学者が策定する低い健康基準値によってもたらされる膨大な医療予算と個人負担)を指摘している。 Conflicts of interest (利益相反)が野放しの現状で医者の言うことをそのまま信ずることが難しくなった。これからは、自分で関連情報を集め自分なりに納得した上で自分の医療措置を考えねばなるまい。
自分の身体は自分の力で守るほかないとは!
あなたはあくまでも医療の素人なのですから、その専門の人の意見に真摯に耳を傾けるべきではありませんか?信頼できる医師に出会えていないようで気の毒です。
大櫛氏の意見だけではなく、下記のような意見も参考すべきです。
少なくとも、あなたの一意見を他人に押し付けるようなことだけはおやめくださいませ。
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20101020_1.pdf
高コレステロールがすべて悪ではないと思うし、コレステロールの薬を乱用して金儲けしてる開業医が多いと思います。