12月11日 (月)
寒い、とても寒い。陽の光は強烈に差し込んできているが、この時期こんなに寒い日がつづくなんて。それに風が強い。強いなんていうものではない、暴風に近い。
こんな日に外出は無理だ。やむなく書斎に籠ってパソコンに向き合う。とくにやることもないので、かつてインターネットが登場したころ流行った「ネットサーフイン」というのをやってみた。
パソコンでの「サーフイン」とはウエブページを興味の赴くまま次々と閲覧していくことをいったが、今では取り立てていうほどのことでもなく死語に近いかも。
そうしたページの中にYoutubeで中村仁一医師の「放談」というのに出会った。「大往生したけりゃ医療にかかわるな ─ 「自然死のすすめ」」という本の著者である。
この本は発売されベストセラーになってすぐ買っているから、読んだのは今から5年前のことである。当時80歳を超えて間もない高齢者の私としてこの本の説くところは極めて示唆に富んだものであり、その説くところに100%納得したわけではなかったが、私の以後の生き方に大きな影響を与えたものだった。
その人の講演なので、「放談」1時間は少々長かったが聞いてみた。
その語る内容は本と全く変わるところはなかかったが「本を読む」のと違い「本人が語るのを聞く」のとは一味違うようだ。
それに、聞く側の私にとっても、その後の歳月の経過が「老い」を進めてきたという事情もある。
幸い、私の「健康」というか現在の心身の状態についていえば、「年齢並み」以上にはあるようだが、やはり以前に比べ体力・気力に衰えがないわけではなく、「老い」と「病」と「死」への向き合い方はより切実なものとなっている。
改めて、中村医師の言説に触れ、その考えに大いに納得、いよいよ超高齢者段階に達した私の「健康」「老い」「死」についての考えを深めることになった。
『老いは一方通行、死に向かうだけ。年寄りは健康でないのが当たり前、年寄りの病は治らない。
現状を肯定的に受け止める。残った能力を喜ぶ。欠けた歯を惜しまず残った歯を喜び、抜けた頭髪を憂えずいまだ生えている毛を数える心構え。
「健康」が目的ではない。「健康」は豊かな人生を送るための手段でしかない。
病気と闘うのではなく病気と共存する。病にとらわれず、病に連れ添う。』
中村仁一医師 長尾和宏医師 放談 Part1
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