旅のあいまのお昼時
上野松坂屋デパートに寄った帰り
鈴本演芸場にも近い、池之端の仲通りにある
「蓮玉庵」に立ち寄ります。
こちらは、創業安政六年、上野不忍池の脇にあります。
店名の由来は、不忍池を眺め、
蓮の葉の上にある玉のような つぼみにちなみ
「蓮玉庵」と名付けられたそうです。
つたが絡む店構えの引き戸を開けると、室内はモダンな造りです。
床や壁には御影石が使われ、弧を描いた天井は月とススキに見立てています。
壁には美術館のようなライトアップされた棚に、
100~300年前の「蕎麦猪口(ちょこ)」が並べられ、
欲しくなってしまいます。
さて、何を食べましょうか。昼の特別献立があります。
私は「古式せいろ蕎麦 別打ち入り三枚重ね」、
つれあいは「辛味大根山菜冷やし蕎麦」を注文します。
昔のせいろを再現した、三段重ねが運ばれてきます。
蕎麦はやや太めで白く、かどが立ったせいろです。
ニ八ぐらいでしょうか、つゆは江戸前の濃い味です。
きのこがいっぱいです。
辛味大根を混ぜて食べると、鼻にツンときます。
三段のうちの「今日の別打ち入り」の1枚は「大葉を塗りこんだ変わりそば」です。
噛むと大葉の青みが爽やかです。
季節によっては、ユズやゴマの変わり蕎麦が楽しめます。
年期が入ったそば湯入れです。そば湯はさらりと薄すぎるのか。
お店の雰囲気、振る舞いにもよりますが、
蕎麦まえを控えて帰る店もあります。
蕎麦付き合い ありがとうございました。