テス君の部屋

観光、旅先での風景や印象に残った事・日常の事などをできる限り写真を付けて気ままに書いていきたいと思っています。

”文学座” №17

2007年12月23日 | 文学座
第38作品目は、”丸山蘭水楼の遊女たち”(80年2月1日 大阪毎日ホール)
井上光晴=作 戌井市郎=演出
出演者は、荒木道子・太地喜和子・二宮さよ子・赤司まり子・梅沢昌代・矢野みち・
山名秀の・平淑恵・富沢亜古・
金内喜久夫・高橋悦史・今福正雄・大出俊・鵜沢秀行・坂部文昭・神谷和夫・
青木勇嗣・鷹尾英敏・加藤武。

この「丸山蘭水楼の遊女たち」は週刊誌に連載された小説です。
公演パンフレットから、作者・井上光晴氏の「丸山蘭水楼余話」をすこし書きます。
今度完結した「丸山蘭水楼の遊女たち」を準備し、書き継ぐ過程で私を困惑させたのは、
長崎の遊郭に関する上辺の資料は整えられていても、日常生活についてのそれが
まったくないことであった。
太夫、店、並と三段階に区別される女郎衆は、一体どんなものを日に何回食べどのような
風呂に入っていたのか。
蘭水楼のモデルにした丸山の花月を取材した折、主人に並女中や下働き女たちの寝起き
する天井裏の部屋に案内していただいたが、そこからまた秘密の屋根伝いに脱出する通路
が隠されていたりして、秘密の構造に驚きながら、五日に客と一度、七日にうちだけ一度
などという、風呂日記をみつけたりして悦にいったものである。
あれこれ調べてみると、文久(1863年)夏、丸山町枡屋抱えの遊女、梅乃は次のような「くらしのつれづれ」を残している。
 ひる、ひじきと豆腐あげ。よる、だいこん菜入りのみそ汁ににざかな。
 あつきにっちゅうにて、だんだんにからだのえんぶんすくのうなりゆく気持。
 いなさ(稲佐)よりもどる藤代、たまぐることを口にす。
 たまぐることとはからだしらべのことなり。もはやとてもいなさには行けず。
 ほうばい(朋輩)にもしかとそのむねつたえるべきと。ろじん(ロシヤ人)はみな、
 びょうきを気にやみ、かみよりゆびさきまでしらべあぐるとか。なにはともあれ、
 からだのことは苦痛なるべし。五島へ五島へみな行きたがるのうたをならう。
 あられなり。以下省略。

第39作品目は、”結婚披露宴”(80年3月6日 大阪厚生年金会館中ホール)
アーノルド・ウェスカー=作 木村光一=訳・演出
出演者は、角野卓造・田中裕子・北村和夫・寺田路恵・小林勝也・三木敏彦・宮崎和命・
たしろ之芙子・早坂直家・七尾伶子・中川雅子・戸井田稔・関輝雄・坂口芳貞・林秀樹・
熊切圭子・西村実由紀・伊藤淳一・石田圭祐・笠松長麿。

今や、演技派女優の田中裕子さんもこの頃は多分文学座の研究生だと思います。

つづく

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