国連作業部会 訪日調査終え会見
![]() (写真)調査結果を報告する(右から)オラウィ議長とイェオパントン氏=4日、東京都千代田区 |
国連ビジネスと人権の作業部会は4日、12日間の訪日調査を終え、日本記者クラブで会見しました。ジャニーズ事務所問題に関心が集中しましたが、女性や障害者、外国人労働者、LGBTQ(性的少数者)などの職場の人権状況を包括的に調査し、不平等と差別の構造を解体するよう訴え、日本に独立の国家人権機関(NHRI)を設置するよう求めました。
同作業部会は、人権を守る国の義務と企業の責任を柱とした国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年採択)の日本の履行状況を調査し、来年6月に国連人権理事会に最終報告書を提出する予定です。
会見にはダミロラ・オラウィ議長、ピチャモン・イェオパントン・アジア太平洋地域メンバーが出席。オラウィ氏は、「日本の行動計画策定に労働組合、市民社会など関係者が十分関与した形跡がない。指導原則の実践はおろか、人権保護にギャップが生じているという意見も聞かれた」と懸念を表明しました。
各分野の課題で、女性では、男女賃金格差の解消、セクハラ是正などを提示。LGBTQなどの権利尊重、障害者の職場の確保、労働組合のストライキや集会の障壁除去などをあげました。
気候変動問題でも「政府と企業が十分な努力を払っていない」と問題視。福島第1原発事故の除染や廃炉作業の聞き取りを行い、「あらゆる被災関係者を救済する必要がある」と訴えました。
技能実習制度を調査し、仲介手数料の廃止や同一労働同一賃金の確保など「明示的な人権保護規定を盛り込むことを期待する」と述べました。
メディアとエンターテインメント分野では、ジャニーズ問題のほか、女性ジャーナリストへのセクハラ、アニメ業界の極度の長時間労働なども取り上げました。
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