紛争の停止訴え
【ワシントン=石黒みずほ】国連安全保障理事会は3日、「紛争が引き起こす食料不安」を議題とした閣僚級会合を開きました。多くの国がロシアのウクライナ産穀物輸出合意の停止を批判し、食料危機を招くあらゆる紛争や暴力の根絶を訴えました。
8月の議長国を務める米国のブリンケン国務長官は、紛争が原因で2022年に1億1700万人が十分な食料のない状況に陥ったと指摘。ロシアは同合意を恐喝に利用していると非難しました。
フランスのブロードハースト国連次席大使も、ロシアがウクライナの食料生産や輸出に必要なインフラを攻撃していると批判。「ロシアは飢餓を戦争の武器とすることをただちにやめるべきだ」と訴えました。
ロシアのポリャンスキー国連次席大使は「今最も差し迫った食料危機は米国や同盟国の行動によって引き起こされたものだ」と反論しました。
女性や子どもへの影響を懸念する声も相次ぎました。英国の代表は、食料危機に直面する国々では、食料が手に入らないことを理由に子どもが売られたり、女性が食料と引き換えに性行為を強要されていると告発。アラブ首長国連邦の代表は「食料危機の影響を偏って受ける女性や子どもを対策考案の最前線におかなければならない」と強調しました。
討論には、食料危機に直面する国々も参加。ブルキナファソの代表は「気候、貧困、外部からの攻撃などの構造的問題が長年人々の暮らしを危険にさらしている」と述べました。
ミャンマーの代表は、現在国内で1520万人が十分な食料を手に入れることができない状況にあると指摘。同国の軍事政権は「農業をできなくするために、市民の土地などを破壊している」と告発しました。
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