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立体写真を発明したのは、イギリスの医師チャールズ・ホイートストンです。
鏡を使った「ステレオスコープ」で、1838年のことでした。
ちょうどそのころ、カロタイプという写真現像技術がイギリスの
ヘンリー・フォックス・タルボットによって発明され
両者が合わさって世界初の立体写真が完成しました。
これが1851年のロンドン万国博覧会で大々的に売り出され
最初の立体写真ブームが起こったそうです。
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ロンドン万国博覧会もしくは水晶宮博覧会とはロンドンのハイドパークで
1851年5月1日より10月15日まで開催された最初の国際博覧会であり、19世紀の人気イベント。
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ダゲレオタイプはルイ・ジャック・マンデ・ダゲールにより発明され
1839年8月19日にフランス学士院で発表された世界最初の実用的写真技法です。
湿板写真技法が確立するまでの間、最も普及した写真技法。
銀メッキをした銅板などを感光材料として使うため、日本語では銀板写真とも呼ばれます。
立体写真を発明したのは、イギリスの医師チャールズ・ホイートストン。
鏡を使った「ステレオスコープ」で、1838年のこと。その当時に
カロタイプという写真現像技術がイギリスのヘンリー・フォックス・タルボットによって発明され
両者が合わさって世界初の立体写真が完成。これが1851年のロンドン万国博覧会で
大々的に売り出され、最初の立体写真ブームが起こったのです。
「立体写真」はダゲレオタイプの“銀板写真術”の時代から出現しました。
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ステレオカメラとしては最古。フォーカス合わせは左右別々に行う。
レンズキャップを外して20分程度の露光を与えると撮影終了。被写体の人物は動けません。
感光剤の沃化銀の生成と塗布、撮影、水銀蒸気による現像そして食塩水による定着という
手順で、その作業は約1時間以上を超える大仕事であったということです。
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19 世紀の立体写真は横幅が約 17~18 cm…縦幅は約 8~9 cm の
「種板(感光剤を塗布した銅版/ガラス板)」に縦横…約 6~7 cmの左右画像が
並んでいます。つまり「サイド バイ サイド(フル)」の規格です。
画像サイズが小さく、実際には鑑賞性が悪いのです。
“覗きメガネ”には約3倍の「拡大凸レンズ」を装着して見易くしたそうですが
「ステレオスコピック 3D 調整」のような機能がありませんので立体感が損なわれていたようです。
実際に原寸大にプリントしたもので検証しましたが「……?」という印象です。
*****
左右レンズの間隔は「人間の両眼間隔の平均値と同じ約 6.5 cm」が適当とされていますが
実際の左右レンズ間隔は約 7~8 cm 程度であったそうです。
レンズと被写体の最短距離は約 2 mが限度。人物を撮る場合は約 3 m前後が良いようです。
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海外のサイトには 19 世紀の立体写真を掲載しているページがあります。
今日画像化されている 19 世紀の立体写真は複写されたものを更に複写…という
ものばかりで、元原画の画質を維持していません。特に、銀板と湿板の立体写真は
20世紀になってから複写されたものと思われます。
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1851年に英国のスコット・アーチャーが発明したコロジオンプロセスという湿板写真技法は
1856年に英国の光学機械製作者 ジョン・B・ダンサー が立体写真撮影機の特許を取ってから
立体写真撮影の装置と技法は一挙に広まり、1860年代に爆発的なブームを呼びました。
特にふくよかな裸体を晒した「裸婦写真」がブームの火付けになったそうです。いつの世も新しい
メディアの出現とその普及において「裸婦」が被写体として活躍します。
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映画もビデオも…そしてインターネットも…。江戸時代の浮世絵・版画の世界も…。
幕末~明治期の日本においても「裸婦写真」が好事家たちの目を楽しませたのです。
しかし、豊満な乳房を晒した女性達の立体写真は見当たりません。
コロジオンプロセスという湿板写真技法で撮影した明治時代の裸婦写真が
曾祖父のコレクションに数多くありました。丁寧に手彩色を施してあります。
下は CyberLink MediaShow 6 で3D画像化したものです。
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インターネットの海外サイトで検索してみると興味深い明治時代の裸婦写真が
幾つかありましたがいずれも画像サイズが小さいので鑑賞性に乏しいのです。
私は Movie Studio Platinum 12.0 (64-bit) で 19 世紀の立体写真をデジタル・アーカイブしました。
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1. CyberLink PhotoDirector 4 (または 5)で画像サイズの横幅を4,500ピクセルに拡大。
2. Adobe Photoshop Elements 11 で左右画像の配置を調整する。
3. Movie Studio Platinum 12.0 (64-bit) の「ステレオスコピック 3D 調整」を適用して立体感の補正。
4. 「メディア パン/クロップ」で画像の“トリミング”を行う。
5. Adobe Photoshop Elements 11 で作成した「マスク」で画像の周囲を綺麗に整える。
6. Movie Studio Platinum 12.0 (64-bit) の「トラックモーション」を適用して全体の画像サイズを調整。
7. 画像の色調を「Sony 色補正 (セカンダリ)」を補正する。
8. Movie Studio Platinum 12.0 (64-bit) で仕上がりコンテンツを Blu-ray 3D にする。
***** 本日はここまで *****