『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

『プライベート・ユートピア ここだけの場所』 @東京ステーションギャラリー

2014-01-26 | Life(日常):書いとかないと、忘れちゃう

『プライベート・ユートピア ここだけの場所』
ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在
Private Utopia
Contemporary Art from the British Council Collection

2014年1月18日(土)~2014年3月9日(日)
January 18th - March 9th , 2014

@東京ステーションギャラリー 

++++


制度に支配された時代や、物質が溢れ返る時代を経て、今われわれは「私」(private)の時代を生きています。

それは単なる個の時代ではなく、その個が表向きには閉ざされた空間の中でそれぞれに成熟し、現代の技術がそれらの世界を隣り合う細胞のように結び付け、自ずとルールを生成しては、その価値観を全人類と共有している、そんな世界です。

もはや公も私もなく、ここにしかない場所であると同時に、どこにでも繋がっている世界-「ユートピア」(utopia)に生きているといってもいいでしょう。

(公式HPより)
++++


先週、観てきた。

面白かったし、満足はしてるんだけど、ひとこと言わせてもらうとしたら、

↑の素晴らしい紹介文(「ユートピア」云々)と、実際に展示されてる作品群が全然つながらないんだけど・・・。

雑多な作品をむりやり一つのテーマにまとめるの、苦労したんちゃうかなぁ。

まあ、こっちは面白けりゃEんだけどね。


 
東京ステーションギャラリーへ。


まず、入口右手のコンドームの自販機みたいなヤツが券売機だと気付かず、受付の人に

「券はどこで買うんですか?」

と尋ねてしまう。

「それです」とのこと。(実話)


エレベータに乗ると、奥にもドアがあったので、

(あれ?手前と奥と、どっちが開くんだ?)

とキョロキョロしてたら、そうとう挙動不審だったようで、乗り合わせたお姉さんに

「どっち(のドア)が開くんでしょうね(笑)?」

とフォローされる。(実話)


いいから一旦、落ち着けッ>俺


さて、展示のほうですが。

 
マイク・ネルソン
<ブラック・アート・バーベキュー、サンアントニオ、1961年8月>

人のデスク周りとか見るの大好き。

アートという側面を無視して、机として見てました。

下から照明とは良いアイディア。(暗いよ)



キャリー・ヒューム
<無題(シスター・トゥループから)>

よーわからんけど、シンプルで、且つ、めっさ引きが強い。

スキかどうかは置いといて、俺の思う「才能」ってこういう事です。



ライアン・ガンダー
<四代目エガートン男爵の16枚の羽根がついた極楽鳥>

写真じゃ分からないんだけど、実物を見ると、鳥の頭部のほうにもかなりしっかりとした目がついてまして。

どっち(の顔)がこの生物のメインなんだろう?と。

ボディを支配してるのは、どっちだろう?などと。



ウッド & ハリソン
<テーブルと椅子>

Eテレの2355でもおなじみジョン・ウッド & ポール・ハリソン。

仕事を楽しんでる大人って素敵だね。



・・・さて、俺が話したいのは、以下の2作品についてです。


サイモン・スターリング
<シャクナゲを救う>

スペインから英国に持ち込まれて以降、その繁殖ぶりが問題視される外来種シャクナゲ。

サイモン・スターリングは、人の手によって持ち込まれたのに、人の都合によって迫害を受けるシャクナゲを救うべく立ち上がる。

スコットランドのエルリックヒルから、7本のシャクナゲを移植すべく長い旅へ。

目的地は遠く、1763年にクラース・アルステーマによってもたらされる以前に植えられていたスペインのロス・アルコルノカレス公園。

数点の写真で綴られる、救出の記録。


・・・アホでしょ。

思いついたはいいけど、本当にやる人はなかなかいない。

時間と労力をフルに投下した悪ふざけ。


うーん、俺もこういうマインドを忘れたくないもんだね。

でも、日常に流されてすぐ忘れそう。

という訳で自戒の印とすべく、この微妙な写真の絵はがきを買いました・・・(笑)

 

ジェレミー・デラー
<あなたを傷つける様々な方法(エイドリアン・ストリートの人生と時代)>

ジェレミー・デラーによる映像作品。

女装の怪人プロレスラー、美しきガウンを着た問題児、エイドリアン・ストリートに密着したドキュメンタリーなんですが。

俺、これフルで2回観た(笑)! 

面白過ぎるッ!

エイドリアン・ストリートは炭鉱の町出身で、坑道の奥底での最悪の生活から抜け出したくてレスラーを志します。

欧州でチャンピオンとなった後、どういう訳かロックスター風スタイルが完全なオカマ風にシフトしますが。

途中まで、エイドリアンの人生は、自分の夢を嘲笑った鉱夫仲間たちへの復讐劇なんだけど・・・。

その生き様は、やがてリベンジ(「見返してやるッ!」)などというちっぽけな枠を飛び越えていきます。

エイドリアンは現在73歳ですが、そのイノセンスは観ていて切なくなるほど。


こういうの、前にもどっかで見たなぁと思って振り返ってみると・・・、

そうだよッ。

『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』

本作は、まさにプロレス版アンヴィルと言えます。

観覧後、なんだか、せつなさを殺せない(吉川晃司)感じになるとこも同じです。

 

■おまけ
 
これ(エイドリアンの決めポーズ)でも喰らえッ。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『家守綺譚』 梨木香歩 | トップ | 瀬田川 (淀川水系) 滋賀県 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。