UB40はその長い長いキャリア(本当に長い。結成は1978年、デビューは80年)を通して、個人的に全くピンと来ないバンドだ。
とくに1993年の、あの、プレスリーのカヴァー曲、『好きにならずにいられない』"(I can't help) falling love with you"。
あの年は、街中で、1年中ほぼあの曲だけがかかっていて。
あれにはホントに辟易とさせられた。
当時の俺はギンギンのロック少年で、両手にメリケンサックはめてたし(Uso)、プレスリーのレゲエ・カヴァーなんか聞いとる場合ちゃうわい!と思っていた訳。
UB40 "Bring Me Your Cup"
しかし、同年、『好きにならずにいられない』の歴史的ヒットの陰に隠れて、この曲、"Bring Me Your Cup"をリリースしてくれた事。
この一点に限って、俺はUB40に感謝している。
この、バスん中に2千人くらいの乗客がすし詰めになっているPVも味あるんだよね。
そんで、バスの終着点が乗ったのと同じ場所という、この循環もいい。
この曲は、歌い出しがとにかく素敵だ。
Did I ever say, how I feel about you?
(俺、あんたの事どう思ってるか、言ったっけ?)
24年間、俺は通学や通勤の途中、頭の中でこの曲の歌詞を訳し続けてきたが、やはり朴訥な言葉使いにした方がイメージにマッチする気がする。
UB40は
"did I ever say how I feel about you,
think I never found that easy to do"
と、歌詞を続ける。
ジャマイカ出身のレゲエ・シンガー、グレゴリー・アイザックス。(残念ながら、2010年に肺癌により59歳の若さで亡くなった)
UB40がこのアイザックスをフィーチャリングしたヴァージョンでは
"did I ever say how I feel about you,
I found it ain't, that easy to do"
と微妙に2行目の歌詞が違う。
文法的には、このthat 要らん気がするけど、ここはレゲエ的な言い回しなんかな。
大して意味は変わらないけど、それぞれこだわりがあるみたい。
レゲエというフィールドはジャマイカの雄、グレゴリー・アイザックスにとっては自分んちの庭みたいなもんだ。
だから、UB40がアイザックスをフィーチャリングしたバージョンと比べると、前述のUB40のオリジナル・バージョンはだいぶしょっぱい。
アイザックス版の出だしの「ううう~ん」みたいな、便秘の後にやっとウ〇チ出た、みたいな唸り声。
ありゃなかなか出ないね、本場の人じゃないと。
でも、音楽っていうのは不思議なもんで、力量と魅力は単純には比例しない。
例えばソウル・ミュージックにしても、本当に真っ黒いヤツより、白人が真似っ子したヤツがちょうど良かったりする時あるでしょ。
その辺が、奥の深いところだ。
そして、この曲の何とも言えない温かみに、俺はずっと元気をもらってきたんだけど。
まあ、曲を聴いてもらう以外に付け足す言葉は何もないね。
<熱帯雨林>
Bring Me Your Cup | |
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UB40 - Bring Me Your Cup - DEP International - DEPX 42, Virgin - 7243 8 92241 2 2 by UB 40 (0100-01-01) 【並行輸入品】 | |
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