『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』
東浩紀(日:1971-)
2001年・講談社現代新書
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そのような浮遊感は、あらためて言うまでもなく、バブル崩壊に始まり、阪神・淡路大震災、オウム真理教事件、援助交際や学級崩壊が相次いで話題となった90年代にはほとんど消滅してしまった。
ところが、オタク系文化の周辺においては、その幻想が例外的に生き続けてきたように思われる。
というのも、アニメやゲームが世界的評価を獲得し、またその強さが一般に知られるようになったのは、まさに90年代に入ってからのことだったからだ。
実際に、90年代後半のオタク系の論客の主張は、かつてのポストモダニズムの言説を知る読者にとっては、懐かしさすら感じさせる独特の古さを帯びている。
たとえば岡田は
「オタク文化が世界の主流になりつつあるのではないか」
と記しているが、これらの発言はじつは、
「この三百年、五百年ぐらいで、今ほど日本主義がトレンディな時代はないわけで、浮世絵以上じゃないかな」
という85年の坂本龍一の発言とかぎりなく似ている。
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いや~、この13年前に書かれた論考を今頃読んでる人が何人くらいいいるのか存じませんが・・・。
昨夜、ルシャス・ジャクソンの"Here"が、気付いたら20年前だって話をしたんだけど、
この本も2001年から冷凍保存されてた、新品のまま物置で。
もう13年か・・・。
日韓W杯より前だからね(笑)
ほんま、あっちゅー間。
で、たまに出てくる萌えキャラのイラストにビクビクしながら(お外で読んでるからね)、読み進めてみたところ。
なぜ、オタク文化をここまで難しい言葉で語り上げなきゃいけないのか?
沸々と湧いてくる、そんな疑問が最後の1文にてようやく解消。
東さんったら、『YU-NO』というギャルゲーが死ぬほど好きで、ただそれだけが言いたいために本書を書いていたことが判明!
なるほどね。
まあ、そーゆー動機で書いたなら信頼するよ(笑)
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動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書) | |
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