@エミレーツ・スタジアム
Oct.30.2010
プレミアリーグ10節
アーセナルにとっては、長いシーズンの中の、何でもない一戦。
しかも、対戦するウェストハムは、目下、最下位に沈んでいる。
しかし、この試合には、雪辱を誓う二人のGK(ゴールキーパー)の戦い、という裏テーマがあったのだった。
GKほど厳しい職業もあるまい。
アーセナルのGK、ファビアンスキは、昨季のチャンピオンズ・リーグで悪夢の一夜を味わった。
ポルト戦で正GKアルムニアの代役としてスタメン出場を果すと、なんと、味方DFキャンベルのバックパスをお手てでキャッチ。
それ、触ったらアカンやん・・・。
凍りつくチームメイトたち。
アーセナルは体勢を立て直す間もなく、ポルトにゴールネットを揺らされた。
対するウェストハムのGK、ロバート・グリーンも今年6月の夢舞台、ワールドカップでイングランドファンを凍りつかせた。
アメリカ戦での、あの記憶に新しいキャッチミス。
グリーンの手に一度スッポリ収まったボールは、コロコロと、まるで磁石で引っ張られてでもいるかのようにゴールへ吸い込まれていった。
カペッロ監督が怒りに震えているのが、遠い日本で見ていたこっちにも伝わってきた。
あの、代表選手が食事中に携帯電話をいじっただけで自分の皿を壁に叩きつけるカペッロが、震えていた・・・。
結論から言うと、この日は二人とも良かった。
ウェストハムの1トップが効いてない事もあって、アーセナルのGKファビアンスキはさほど仕事の場がなかった。
それでも、前半27分、ウェストハムのコーナーキック。
ファビアンスキが大声で味方のディフェンスの位置取りを修正するが、
キャプテンのセスクが思うような位置に立ってくれない。
とうとう、セスクのユニフォームを引っ張っていって、立たせたい位置に立たせるファビアンスキ。
セスクはブツブツ言っていたが、結果的にファビアンスキの読みは完璧だった。
コーナーキックは見事にセスクの真ん前に飛んできて、セスクは頭を軽く振るだけで楽々とヘディングでクリアした。
ウェストハムのグリーンに至っては、神懸かっていたと言っても良い。
セスクの重いシュートをことごとくセーブ。
スキラチのヘディングシュートをゴールから掻き出す。
スピードスター、ウォルコットのドリブル・シュートを、コースを塞いでポストに当てさせる。
乗っているのがこっちにも伝わってきた。
試合は結局、88分、クリシーのクロスに大外から走りこんだソングが頭で合わせて、アーセナルが土壇場で決勝点。
素晴らしいセーブを続けていたグリーンも、目の前に飛び込んでくる巨漢ベントナーの、さらに裏から飛び込んできたソングをケアできなかった。
あれは仕方ない。
俺がウェストハム・サポーターでエミレーツ・スタジアムに居たなら、この日のグリーンには万雷の拍手を送ったね。
すごかったヨ。
しっかし、ウェストハムあれで最下位か。
ボア・モルチ、ノーブル、パーカーらの中盤は、強い当たりでアーセナルの華麗な中盤に対抗していた。
あのメンツで最下位ってのが、今のプレミアの力なんだろうなぁ。
(ここんとこ写真がサミル・ナスリばっかで。好きなのだ)