身体感覚に根を伸ばす練習。
そのうち、身体の中が、みっちり根だらけ。
この身体を突き破り、土へと伸びてゆく、隆々とした根。
この身体ごと、土に根差していく感じ。
イメージを続けていると、身体は『巨大な木』の根の一部となった。
根とは、人から見えない部分だ。
それが誇らしくもあり、けれど少し寂しくもあった。
このまま、わたしは『根』として役割を果たせばいいのか、否か。
幹の中心部には、時空世界を想起させるような、光に満ちた筋が通っている。
こらえきれず、その光の中に入ってみる。と、噴水に押し上げられるように、一気にテッペンへ。
桜だった。
満開の桜。
ふと、言葉が浮かんでくる。
「この、たった一本の桜で、世界を変えられるのだろうか」
そうだという想いもあるし、そうではないという想いも抱いていた。
「変わらない世界を、どう生きるか」
以前、小説のテーマとした、この言葉を想い出した。
現実世界の諸問題というのは、表面が変わっても、構造が変わらないのだと思う。
ともあれ、しばらくは、わたしの桜に、想いを馳せたい。
追記
自傷思考を棄てて、雲を見れば、脳の動く部分が、もわぁんと変った。
そんな矢先、「左脳から右脳へ」という話を友達から聴いた。
「ソレかもしれん」と思う。
日々の鍛錬と、慣れないチャレンジに、疲れてきてる。
でも、疲れ方がこれまでと違う。
そのことになんとなく安堵しながら、慣れない飛行にくたびれた翼を、休める。
湯船に浸かって、息を吐く。
気がつくと、ドォ――ンと根を生やしていた。
人からは見えない部分だけど。
誰にも見てもらえなくても、いいや。
根のネットワークは確かに在る。