リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

安曇総合病院の行方は?

2012年11月16日 | Weblog
安曇総合病院の再構築の動向についてはあちこちから注目されているらしくいろいろ聞かれる。

すったもんだの末、安曇総合病院は地域医療再生基金でリニアックの導入は目指さないことになったところまでは周知の事実であろう。

中川院長は「リニアックを入れて看板を掲げ急性期病院を目指さなければ安曇病院は先がないんです!」と主張していたが、あの手この手をつかっても院内の意見はまとまらず、コッソリやるのも限界で勇気ある撤退をすることを決意した。
だいたい「◯◯をしなければおしまいだ」というような物言いで脅しをかけ議論をすっとばし性急な決断を求めるときには何か裏があるのだ。
これに対し、がん征圧をライフワークとし、中川院長とともにこの計画を推進してきた宮澤敏文県議が「准がん拠点病院は大町病院にするぞ!」とおどしてきているような話も聞く。
「どうぞ。」と言いたい。
肺がんはともかく、産婦人科や泌尿器科、消化器外科などがんに関わる科は大町病院の方が充実している。
大町は松本や安曇野市からも遠い大北の中心であるし公立病院の方が補助金などの支援も得やすいだろう。

安曇総合病院では中川院長が撤退するという話や後任の人事などについて噂はいろいろ聞こえてはいたものの情報統制で確たることはわからずオープンにも出来ない状態だった。
それが本日、職員全員参加の参加を要請された職員全体集会がありはじめてこれまでの動きの一部が公表された。
(ってわが国の国会の有様みたいだな・・。)

まずは中川院長から収支の報告。
これって普通、事務長がやることだと思うだけど・・・。
グラフや数字をスライドで示し、今年前半は赤字になった。外来収入は伸びているが入院での収入が減っている。一方で人件費が伸びている。

人件費を抑えて患者を確保しろとのこと。
あいかわらず確保って・・(~_~;) 犯罪者か~。

そんな中川院長は6月に長野厚生連の理事長から、「病院再構築における管理者の中での対立(リニアック問題)に関して、病院運営における安曇病院の危機を感じる。」とのことで名誉ある撤退(?)をすすめられ、派遣元の医局の大学教授からも「安曇病院に残っているのは難しいのではないか?」と言われ来年3月での選択定年(予定より1年早い)での退職を決意したことを発表した。

しかし後継人事に関して両副院長は院長になるのを辞退した。
(まるで副院長が追い出したように思われても困るからだろう。)

この重要な時期に院長不在の混乱を避けるため、かつて中川先生を安曇総合病院院長として紹介した長野厚生連中南信担当の理事である富士見高原医療福祉センター統括院長の井上憲昭先生を中心に後任人事が検討されたようだ。


突然現れて仕切りだした井上先生

その結果、本院、精神科、白馬診療所などをセンター化し独立運営とし、そこに新たに骨盤底治療センター(!?)を追加。
大学泌尿器科教授の西澤 理先生を統括院長として2013年秋以降に正式に迎え先生のライフワークである骨盤底治療センターを開設する方向性となった。
(またもや青天の霹靂!)
さらに本院の院長として2013年4月から整形、リハビリテーション部の畑幸彦先生を迎える方針だそうである。

それらの体制が整うまでの間、井上先生が院長代行として週1回来て診療をやりながら再構築の実務もやるということのようだ。
厚生連の病院同士や信州大学との関係を強化し、安曇病院は大北地区の基幹病院を果たすべく古い病棟の再構築は来年度中に着工し1年半くらいでおこなう方針で、来年2月までに計画をまとめ厚生連の理事会で承認を得る方向とのこと。
実質的に占領軍の統治下に入り、傀儡政権が樹立されるということだろう。


(・・;)??


ベテランの外来看護師さんが
「思いきって発言します。新しい院長には若い先生の声を聞いて欲しい。医局でまとまって欲しい。内科もバラバラではなく一つでまとまってやってほしい。地域の住民として安曇病院が潰れては困る。職員もそれぞれの人は良い人なのだが、まぁいいかとやる気を出さず、つめたくなってきているように感じる。」
と見事に安曇病院のかかえる課題を浮き彫りにする発言をしてくれた。

さまざまな疑問が浮かんでくる。

何故、院長が交代とならなければいけなかったのか?
院長、統括院長、院長代行と3人も院長的な人をつくってそれで組織がまとまるのか?
管理者の中での対立というが一体何があったのか?その総括はどうなのか?
そして何故、この地域で突然骨盤底センターなのか?
(それこそ産婦人科や泌尿器科が充実している市立大町総合病院の方がいいような気もするが)
一般内科医が足りないといっているのに泌尿器と整形外科の院長を二人も招聘するのか?
大町総合病院や安曇野赤十字病院との連携や役割分担はどうなのか。

やはり地域の状況、地域住民のニーズと現場から見て現実的に必要と思われる医療が先というよりも「信長の野望」みたいな旗立てた!のようなことや、大きいことはいいことだみたいな価値観が見え隠れする。

これじゃ、コソコソやってリニアック欲しいといっていたのと変わらんやんけ~(~_~;)。

とにかく、あまり大げさなことはせずにハードとしては在宅医療を推進する地域ケアセンター(病棟中心)だけはつくって、あとは普通にいろいろ使いまわせるシンプルで使い勝手のいい病棟を作り、ソフトとして高齢者を地域で支える仕組みを整備すればいいとおもうのだが・・・。

しかし現実的に政治屋などとうまくやり合い、地域や本所と渡り合い、病棟建て替えを強力に推進していける人材がいないのも確かで、富士見での実績のある井上先生をうまく利用してやっていくしかないのも現実か・・。

地域の医療の未来を真剣に考えてみませんか?

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-02-14 01:48:32
女性骨盤底 泌尿器悩んでいる方二人に一人割合で・・・
長野県内には術の出来る先生が居なくて又とても
難しく大変の様です ご立派な西沢先生を紹介状で
何か月も待ちやっと遠く安曇総合病院に・・・
交通が無く大変ですが手術のリスクが高く此方に紹介で
本当に西沢先生にすがる思いいっぱいです
宜しくお願い致します
返信する
Unknown (Unknown)
2015-02-14 01:50:58
女性骨盤底 泌尿器悩んでいる方二人に一人割合で・・・
長野県内には術の出来る先生が居なくて又とても
難しく大変の様です ご立派な西沢先生を紹介状で
何か月も待ちやっと遠く安曇総合病院に・・・
交通が無く大変ですが手術のリスクが高く此方に紹介で
本当に西沢先生にすがる思いいっぱいです
宜しくお願い致します
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