リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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学童保育を見学させてもらいました。

2010年04月30日 | Weblog
公営の小学校に附属する学童保育と、民間のNPO法人キッズウィルの学童保育を見学させてもらいました。

学童保育(放課後児童クラブなどともいう)は放課後に小学生の児童を預かる施設ですが、自分は家に祖父母がいたため利用した記憶はありません。
学習塾(似たような雰囲気はありますよね。)や、習い事、公園であそんだりといったふうに過ごしていたかなぁ?
ケイドロ(警察と泥棒)とドッジボールばかりやっていたような気もしますが・・。

今回見学させてもらった公営の学童保育は大きな小学校に附属し空き教室と体育館を利用したもので子供たちが多くにぎやかでした。
まず低学年の子たちかが次々来て、次々帰っていっていました。
おくれて高学年の子たちも続々来て、体育館が開放される時間になって・・・。
跳び箱やバスケットボール、バドミントンなどをしていました。
宿題や勉強をやっている子もいましたが、基本的にはにぎやかな空間で、体育館で走り回ったり工作したり思い思いの活動をしていました。
あまえんぼさんがいたり、おとなしかったり、積極的だったり・・・。
子供って(当たり前ですが)、本当に一人一人違いますね。
そして元気一杯です。

指導員は子供の数に比べて少なく、見守っているだけで精いっぱいのようです。

一方民間のNPOが運営するキッズウィルは、民家を改造したような建物です。
大町駅の北側、旧市街地にはこういったNPOなどが運営する団体がいくつかありますね。(池田、松川と比べてうらやましい限りです。)
建物には小部屋がたくさんあり構造化されAD/HDやPDD、LDの児童でもおちついて学習できるように工夫されていました。
また歯磨きや挨拶などの躾なども意識的にきっちり教えているようです。
おやつと学習の時間、それから発達障害児への対応などで公営の学童保育と差別化しているようです。
大町市内の4つの学校へお迎えあり、よる7時まで(それ以上も応相談)と遅くまでの延長や送迎などフレキシブルな対応をし、最近は英語の学習などのメニューも加わったようです。1時間は勉強(基本的には学校の宿題をやる。)の時間がとられていました。スタッフに学校の先生のOBなども加わって手厚く見ていました。

一般の小学校の生徒さん意外にも養護学校の生徒さんも何人か利用されているようです。(こちらはタイムケアの制度利用だそうです。養護学校の中学の生徒も特別に預かっているとこのとでした。)
集まった子供たちは、みんなで近所の公園に遊びにいったりしているようですが、一般の児童にとっても障害児も一緒に過ごすというところもメリットだそうです。

公営の学童保育が年1000円なのに対して、週1回で月1万、2回で月1万5千円、3回で月2万円という料金設定でした。
NPOとしてはその他に健康弁当の配食サービスを、近所の高齢者やイベント時に販売しているそうです。
地域に必要で、ないものをどんどんやっていました。

設立して3年、やっと地域に認知されるようになって来たとのことでした。

昔は駄菓子屋などが果たしていたような役割なのでしょうか・・。
そんな昔のような地域で子供をそだてるをNPOという形でやっているのが新鮮でした。
こういうのはニーズありますよね・・・。

保育所や高齢者のディ、学童保育、精神科のディサービスもどこもよく似ていますね。
富山方式の宅幼老所のようにケアセンターとして一緒にすれば実社会にちかくなっていいのでしょうがケアする人も大変ですね。
専門的視点や燃え尽きないようなチームワーク、器量の大きさなどの力量がもとめられますね。

こういった「地域の茶の間」的な場が増えていけば地域の繋がも取り戻すきっかけとなってくるでしょうね。



安曇総合病院・在宅診療部門・・動き始めました。

2010年04月29日 | Weblog
大北とよばれる当地は古くから開業されている先生も多く、またその継承も多い。
そんな先生方は「町医者」のイメージで献身的に地域医療に邁進されている。
フットワーク軽く訪問診療や往診にでかけ、家での看取りや地域の予防接種、検死などもたんたんと行っている。
そんな何人もの尊敬できる開業の先生方と合うことが出来たのもこの地にきた収穫の一つである。
長野県の質の高い医療文化を垣間みることが出来た。

そして安曇総合病院でもこれまでも医師によっては個別に患者宅へ訪問看護やケアマネージャーと一緒に出向くということは行われていた。(主に神経難病やがん末期)
しかし重度の認知症や、リクライニング車いすのレベルになりながら、毎回家族がやっとの思いで病院につれて来たり、状況がわからないまま家族が薬だけとりに来ることがつづいていたりといったことも多かった。
また主治医の概念がうまく患者に理解されず、連携が上手くいかないケースなども多々見られていた。
緊急時の対応がつめられておらず救急外来に駆け込み、なし崩し的に胃ろうなどがつくられてしまっていたり、亡くなってから搬送されて蘇生措置が行われてたり。福祉との連携ができず適切な支援がおこなえなかったり・・。
がんの終末期なのに緩和ケアへの切り替えが上手くいかずに自宅で過ごせなかったり・・・。
もう少しなんとかならないのかというようなケースも多かった。

訪問看護や居宅支援事業所、訪問リハは以前より行われていたが、居宅のケアマネージャーや訪問看護師、ショート施設などと積極的に連携をとった訪問診療のシステムが必要なことは分かっていた。
しかも病院が丸抱えするのではなく、地域で開業している先生方を活かし連携をとり支える形で・・・。

そこでこの4月から、がんの終末期の緩和ケア、認知症や進行疾患の困難ケース、キーパーソン不在など社会的に困難なケースを中心に訪問診療の体制がひそかに附属診療所であるメンタルケアセンターに間借りする形で、某若手医師とエース級のNs.を選任として立ち上がった。
諏訪中央病院や佐久総合病院の在宅部門のシステムも参考にして地域を病棟にみたて24時間態勢で療養を支援する体制だ。
さっそく自宅でのいい看取りも行えているようである。



それほど高度な医療は行えず、高齢者障害者のサポートが中心となる中規模病院としての当院の位置づけ(精神科90床一般科222床)では病院が持つ機能や人材をいかに地域に展開し活かすか・・。
地域の多方面の医療、福祉資源と連携をいかに密にとり地域を紡いでいくか。
それが問われている。

自分の役割はこれを精神保健医療福祉の分野でACTのように展開させていくこと。

ランドナーとクロスバイク

2010年04月26日 | Weblog
先日、ずっと使わずしまい込まれていた自転車をついに手放した。
「丸石エンペラー」という一時のチャリダーの中では一番の憧れのブランドだった自転車だ。
クロモリのダイヤモンドフレームにドロップハンドルで、タイヤは普通サイズ。21段の変速機付き。
荷物もたくさん積むことが出来、分解が簡単で電車などに乗せて運んだりすることができる。
札幌のダイアモンド商会という、これまた知る人ぞ知る店で、先輩につれられて買いにいった。
日東キャンピーのフロントキャリア、マウンテンバイク用のリアキャリア(これがサークルの標準、店主のオススメスペックだった。)などの装備をつけて10万円程度で手に入れた。
また同様にサークルの後輩をつれて同じチャリを買いにいったこともある。

長期休みや連休の旅に北海道内をはじめ日本各地をツーリングし、電車やフェリー、飛行機にも乗せ、途中でサイクルメーターを使うのはやめたので正確な距離はわからないが15000km以上は走っているはずだ。
上越~長野~安曇野~松本~木曽も学生時代に通り過ぎた道だ。

研修医として信州に来た直後に八ヶ岳の高原地帯に行ったのが最期にまったく乗らなくなり、その後はすっかり自動車中心の生活となっていた。

思い出深いチャリなのでずっと手放せずにいて部屋の片隅にあったがもはやテントやシュラフなどを積み込んでチャリ旅行することもないだろうし、日常使いには不便なので手放すことにした。

松本の「道(タオ)」という自転車屋が引き取ってくれると言う。

「ほぉ、エンペラーですね。ランドナーも少なくなりましたがまだ乗っている人もいますよ。」と自転車談義。
ガタのきているチャリではあるが、素性は良いものなので輪行バックやキャリアも含めて6000円で引き取ってくれた。
だれか学生さんが、これで旅行してくれれば本望だ。



しかし一方で通勤用にチャリは欲しいと思うようにもなり、今度はコンパクトなミニベロなども良いかなと時々自転車情報誌を買ってみたり情報をあつめていた。
しかし狙っていたパナソニックのトレンクルは発売中止になり、バイク技研のYS-11がいいか、それともA-Bikeがいいか・・・いったんはママチャリでも良いか、あるいはロードレーサーに乗ってみるか、などと迷い、結局ずっと自転車を手に入れられずにいた。

そんなときロードレーサーを買ったという友人(MTBも所持)がクロスバイクを手放すという。

台湾のブランド、ジャイアントの素性の良いシンプルなクロスバイクだ。
バーハンドルにハーフトゥグリップ付き。手元での21段変速(シマノ製)。

いくら考えても決まらないので渡りに船とばかりに譲ってもらうことにした。



そして先日、久々に自転車に乗り近所を走った。
春先の安曇野という最高の時期と場所でのポタリングは実に爽快だった。
そして車に乗っていては気づかない店や景色が目に飛び込んでくることに改めて驚いた。
思えば自動車を手にしてから脇目も振らず猛スピードで突っ走って来た。

しかしこれからはまた自転車のスピードで信州の風景もじっくり見ていくようにしようと思う。

病院での精神障害者の就労支援、新聞記事に・・。

2010年04月24日 | Weblog
以前、このブログでも紹介した当院の就労支援事業に地元信濃毎日新聞の記者が取材に来てくれて記事になった。



さすがに記者さんのかく記事はこのブログなんかとは違って丁寧でそつなく内容をもりこみ、さらに背景なども説明して分かりやすくまとめられていた。
メディアとしてはブログとは読者層もちがうし影響力が違うので、院内外の反響が楽しみ。

残念ながらWeb版にも出ていないようで記事を紹介できないのが残念。
信濃毎日新聞をとっている方は4月23日の朝刊をご覧下さい。

取材に来た記者さんがノートにどんどん書いたりインタビューではオフレコの話しが盛り上がったり・・・。
取材を受けるというのも面白い経験でした。

安曇病院精神科部門は認知症疾患センターの記事ものり、最近よくニュースに出るな。




病院での障害者就労支援事業~食器洗浄編

我が国の障がい者福祉の行方

2010年04月24日 | Weblog
NPO法人ほたか野の花では、月に一度勉強会兼交流会をおこなっています。
4月23日(金)、平成22年度 第2回「野の花セミナー」でした。
精神連の時の福岡寿さんの講演内容をもとに、学んだことなどを追加して話題提供。いろいろ勉強になりました。初めての人や思わぬ人が参加してくれるのも楽しいですね。

資料はこちら。
    ↓
「我が国の障がい者福祉の行方」

次回の野の花セミナーは5月21日(金) 18:30- 於、ほたか野の花。

松川村や大町市で「てとてと作業所」やグループホームを運営するNPO法人なかまとの伊澤理事長をお招きしてお話を伺う予定です。どなたでもお越し下さい。

エマルゴはエスカルゴとは違う!

2010年04月22日 | Weblog
メディカルラリーサークルの集まり。
こじゃれたカフェでコタツにあたりながらメディカルラリーに向けてのお勉強会。

隊長の段取りや場所取りなど仕切りがすばらしい。

今回はDMATや災害救急の勉強をして来ている隣の病院のNsが大規模災害の机上シュミレーションを紹介。いろんな学会、いろんな分野があるもんだ。
エマルゴというのはスウェーデンで開発されたトレーニングシステムらしいが、何の略かは不明のまま。(スウェーデン語なのか?)

それからトリアージタッグをみてのトリアージのシュミレーション練習。
どこに本部を設置してトリアージ(重症度により傷病者をふるい分け)して、初期治療を行い優先順位をつけて搬送するか。
ボードをおいて検討。指令本部みたい。
ゲームっぽくて楽しい。



これ、そのままゲームにできそうだな・・・。
iPadやiPhoneアプリでもつくると面白そう。(まだその技術力がないが・・・。)
大ブレイクはしなさそうだが、一定のニーズはありそう。

さて災害発生時の体系的対応はCSCATTTとしてまとめられる。
でも、こういう英語の略号っていまいち覚えにくいんだよな・・・。
TAFXXXとか。CVPPPとか。(分からない人はググってね。)
最期3文字を同じにしてトリプル★とするのが流行なのか?

・Command&Control
・Safety
・Communication
・Assesment
・Triage
・Treatment
・Transportation

救急医療分野は、とことこんじっくり関わるスタイルの普段の診療と全然違っていて別の意味で新鮮。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2010年04月03日 | Weblog
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」読了。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

岩崎 夏海

ダイヤモンド社

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サマーウォーズと見間違うような大丈夫かな?と思うような表紙だったが、なかなか面白い本でした。
女子高生みなみと親友の夕紀、そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力を合わせて甲子園を目指す、高校野球を題材とした「やったろうじゃん」を彷彿させる青春小説でありながら、「マネジメントとは何か?」ということの基本をドラッガー先生に学べる構成になっている。
「顧客とは?」「マーケティングとは?」「マネージャーに必要な資質は?」「イノベーションとは?」・・・

会社、サークル、NPOなどの組織に関わり人を束ねる立場にある人には「経営学」の入門書としておすすめ。
そして中学時代から始まる部やサークルでの活動というのは、組織の中でのサバイバルする術やいかにいろんな人が集まるチームをまとめ運営していくのかということを経験する貴重な場でもあることに今更ながらに気づきました。

もとのドラッガー本にも挑戦してみようかな。

ついでに言えば経営学の入門書としては「サバイバル経営学」というのが圧倒的に分かりやすい。あわせて読めばいろいろなモノが見えてくるはず。

痛快!サバイバル経営学

阪口 大和

集英社インターナショナル

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