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精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

認知症と生きる~認知症疾患医療センターの現状と課題

2011年10月21日 | Weblog
平成23年10月15日に長野県看護研究会の公開シンポジウムに登壇させていただく機会を得た。
自分も経験したことのないような松本文化センターの大ホールという大きな会場で緊張した。
会場に来ていた人の数は400人くらいかな?

シンポジストは4人。

まずは認知症の人と家族の会、長野県支部副代表、松本地区代表の堀之内美穂子さん。
自ら姑を介護した経験から、いまは講演や他の介護者家族の相談に乗っている。
医療や福祉に関して辛口の発言だが、それでも10年前とは大きくかわったという。
認知症の人と家族の会は大北には支部がないが、是非一度、大北にも来ていただき支部発足のお手伝いをしていただきたいと思った。

そして認知症ケアのモデル地域として長野県では有名な飯綱町社会福祉協議会の坂本圭介さん。
認知症疾患医療センターのない北信地域は社協に認知症支援室をおいてよろず相談に乗っている。
徘徊訓練など街ぐるみで認知症に取り組んでいるそうだ。
内実はいろいろあるようだが、町民が自らつくったアニメを紹介してくださった。

篠崎訪問看護ステーションの看護師の高山陽子さん。
認知症認定看護師であり、具体的なケースをあげて紹介。
まず関係づくりから、家族のケアというところはまさに精神科看護だとおもった。
ますますニーズの増える分野だろう。

自分は病院の立場から認知症の地域ケアに関して感じていることを話させてもらった。

安曇総合病院の認知症疾患医療センターの取り組みを紹介するとともに
「本人の病状、家族の状況によって在宅生活が困難な人はいる。
地域に生活の場としての多様な居住福祉(ケア付きの住宅)の充実を。
まちの病院ではCure中心の医療からCare中心の医療へのシフトを。
認知症に対応した在宅医療支援病棟を。」
という主張をさせていただいた。

シンポジウム前後でのシンポジスト同士でのぶっちゃけトークが面白かった。
呼んでいただいた主催者の長野県看護協会に感謝。

スライドはこちら・・・。
認知症シンポジウムスライド


ところで、10月31日に「認知症人と家族の会・第27回全国研究集会 in 長野」のシンポジウムがあるが、病院の立場どころか医療の立場のシンポジストがいないなぁ・・。
医療も役にたてる場面もあるとおもうんだけど、嫌われているのかしらん。

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