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時の関守

悪夢 (2)

病院で出会った、一人の老婦人。
私の知り合いの(老婦)人と、昔、同じ町内に住んでいました。
あるとき、その婦人の家で事件が起こりました。

何十年も、昔のはなしです。
婦人がまだ若くて、そのとき、婦人には子供たちがいて、実の親たちも同居していたころです。
婦人とその実の親たちの間に、何かトラブルがあったのでしょうか。
町内に起きた、ちょっとした風景。事件。
近所にも聞こえるような、どなり声が聞こえました。
それが、いったいどんなことがきっかけだったのか、どんな事情があったのかもわかりません。
ただ、その後、婦人の実の親である老夫婦が、家を追い出されました。
町内を少しの間、(二人の老人が)さまよっていましたが、いつかあきらめたように、どこかに去っていったそうです。

そんな、町内をさわがせた事件が起きてから、いつしか、歳月だけが過ぎていきました。
実の親を、そんなふうにして追い出してしまった娘を、非難する人もいましたが、その子供たちは、とても優秀に育ち、一人は裁判官に、一人は公立高校の先生となります。
ですから、そんな声もいつしか消えていきます。

実の親を家から追い出した娘も、時がたち老人となりました。そして、どんな事情かわかりませんが、晩年になり、ほぼ老人施設とかわりない病院に、居住するという身の上となりました。

永い年月のなかに、裁判官となっていた息子さんが、さきに亡くなるという不幸も、あったようです。
しかし、もう一人の(高校教師をしていた)息子さんが、まめに訪れてくれていましたのが、不幸中の幸いというものかもしれません。

そんな中、田舎の地方都市には、めったにない事件が起こることとなります。
地方新聞の一面に、めったに起こることもない事件が掲載(けいさい)されました。
誰でもよく知っている公立高校の、そこに勤めていた教師が銃撃され、死亡したというニュースです。
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