tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

広島一泊旅行 1日目

2017-07-29 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
【東京7:50―(のぞみ13号)→11:49広島12:00―(山陽本線)→12:28宮島口】
広島で新幹線から乗り継いだ山陽本線。ボックスシートに座っていたが、前の席のおばさんが膝の上に置いている布製のバッグに、なんとも不思議なブローチが付いていた。本物そっくりのセミなのだ。羽も薄いセロファン状の。なんともグロテスクだったし、付いている位置も中途半端で、おばさんがバッグの上にさらに抱えているビニール袋の荷物に潰されそうになっている。まさか本物のセミじゃないよなあと思いながら、目で追うともなく追っていたが、おばさんは途中の駅で降りていった。しかし、妻が目撃したところによると、おばさんは降りる際、バッグのセミの存在に気づき、「!」という表情を浮かべたそうである。いわく「あら!こんなところにセミが!でも、この車内で振るい落とすわけにもいかないし…」といった困惑の表情、だったらしい。本物のセミがあんなにおとなしくへばりついたままでいるものだろうか?あるいは死んだセミなら、あんなにうまいこと引っかかったままでいられるものだろうか?謎である。
12:35に宮島口を出た宮島松大汽船で、一路宮島へ。乗船時間は10分足らず。暑い日だが、海風が気持ちいい。

電車に4時間半も揺られてきたのでお腹が空いていた。
13:06 創業100年の店、「梅山」であなご丼。1680円。あなごがまるまる2匹使われているそう。身がしっかりしていて型崩れしない。それなのに味はしっかり沁みている。食べごたえがあった。

厳島神社へ向けて参道を歩き出すが、すぐに立ち止まる。広島に来たらこれも食べておかないと。

「生産者が営むカキ料理店」というふれこみの「沖野水産」店頭で焼き立ての牡蠣。1個200円。牡蠣は苦手だが、これは食べやすかった。産地で食べると違うのかな。牡蠣のシーズンは「スペルに<R>のある月」と聞いたことがある。つまり9月から3月。今は旬とは言えないのかも知れないが、僕には充分美味しかった。

参道商店街の真ん中にある世界一のしゃもじ。長さ7.7m、重さ2.5tだそう。この後、参道商店街の「一松堂」で、しゃもじは買わなかったけど、木のスプーンを2本買った。蓮華としても使えそうな深めの物。

13:53 ご飯を食べたり買い食いをしたりお土産を眺めたり、だいぶ寄り道をしたけど、いよいよ目的地、厳島神社へ。高校の修学旅行以来の訪問。しかし陽射しの強い日だ。砂地の地面からの照り返しも激しい。

そこらじゅうに鹿がいるのだが、この暑さで鹿も日陰でぐったり。

今日の宮島は13:36が満潮時刻。つまりちょうど今頃が一番海面が高い。

海の上にいると、心なしか風は感じられるかな。創建は593年。1168年に平清盛が現在の規模に造営した。

高さ16m、「木造の鳥居としては国内最大級」という海上の大鳥居。根元が地盤に打ち込まれているわけではなく、「置かれているだけ」というのがすごい。自重を支えにして立っている。

14:34 神社を出て、この小川を見つけて流れに足を浸したくなり、近くの売店でかき氷を買ってきて休憩。

紅葉谷公園を抜ける。今は深緑が綺麗だけど、その名の通り紅葉も見事だろう。

15:08 弥山を目指し、ロープウェイに乗る。2本のロープウェイを乗り継ぐ。まずは小型のもの。「8人乗り」と書かれているけど、「超小型」なので4人も座れば充分いっぱいという感じ。ましてこの炎天下で、空調なしだからね。

山の中腹で30人乗りの大型のものに乗り換える。神社とは島の反対側(四国側)の海が見えてくる。

島を17:00に出る船に乗らなくてはならない。逆算すると、帰りは16:15のロープウェイで下山しなくてはならない。今から45分くらいで、ロープウェイの頂上駅から「往復所要1時間」とパンフレットに記載されている弥山山頂までの登山道を行って帰ってこようとしている。なかなか慌ただしい。しかしこれが今日のハイライトイベントである。
15:39 霊火堂。弘法大師が修行に使った火が1200年以上燃え続けている「消えずの火」なるものが堂内にあるらしいが、先を急いでいたために通り過ぎてしまった。暑さでパンフレットを読み込む気力も鈍っている。

山頂に近づくにつれ大岩が現れる。不動岩。

15:47 弥山山頂(535m)。「神社の裏山」感覚ではない、なかなかボリュームのある山。標高500m台という意味では高尾山と変わらない。宮島をなんとなく江の島と似たようなイメージで捉えていたが、かなり違う。

四国側の眺め。

宮島港と広島市街方面の眺め。それにしても暑い。汗をかいたシャツはあとで塩を吹くに違いない。

神社まで下りると、境内の潮が引いて、先ほどまで海だったところの地面が見えていた。
17:00発の高速船に乗る。到着してわずかばかりの客が降り、待っていた客が乗り込むと、すぐに出発した。その間わずか2,3分。時間を節約する目的で乗る「高速」船ならではの、素早い運行。

ロープウェイを降りてから桟橋まで急ぎ足で来たので、大汗をかいていた。エアコンの効いた船室のサロン状のソファで休む。しかし、船ならやはり風を感じたいと、デッキに上がる。宮島が早くも遠ざかる。

17:24 船は今日泊まるホテルの目の前に着く。船で宿に上陸、なかなかない体験だ。広島市街地から離れているこのホテル、夕食もこのホテルの中で完結させなくてはならない。夏季限定のビアガーデンがあったがすでに満席だった。中華料理店が予約できたが、入れるのは20:30から。温泉に入ってもまだ食事まで時間があったので、最上階のバーで1杯。こんな気障なことをしたのは初めてだが、これも同伴者がいるからこそ決意できることか。ウォッカ、カカオ、生クリームのカクテル「バーバラ」で、1時間ほど寛ぐ。生バンドの演奏があって、広島市街地の夜景があって。印象的な夜になった。ほろ酔いで階下の中華料理店に向かう。窓から海の向こうに花火(おそらく呉の花火大会だろう)が見えた。前菜盛り合わせ、薬膳スープ、パプリカと牛肉の細切り炒め、茄子とトマト入り海老のチリソース煮、瀬戸内産スズキの広東風蒸し物、サラダ冷麺、マンゴープリンクリームチーズソース。


那須一泊旅行 2日目

2017-06-25 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
9:52 ホテルをチェックアウトしようとエレベーターホールへ。この窓の「緑の切り取り方」が気に入った。

那須というのはなかなか俗化した観光地で、一番の目的である山にさえ登ってしまえば(そして温泉旅館で風呂と食事とごろ寝を堪能してしまえば)、あとは僕の行きたくなるようなスポットはあまりない。遊園地、アウトレットショッピングモール、サファリパーク、ステンドグラスやらトリックアートやらの美術館、オルゴールやらガラス細工やらの工芸品店…いずれも日常の消費社会がそのまま持ち込まれているようで、まったく食指が動かない。唯一行ってみてもいいと思ったのは牧場。
10:15 南ヶ丘牧場へ。檻の中のやる気のなさそうなうさぎ。「うさぎに触れます」という有料のコーナーがあるのだが、そことは別に、ここに入れられている。かなり年寄りのうさぎで、人間どものお相手はもう免除されているのかも知れない。

牧場だからのびのびとした草原があるかと期待していたが、小学校のグランド程度の広さだった。売店で搾り立ての牛乳を飲み、ソフトクリームを舐めて(こうしてやっぱり消費社会に毒されていく)、牧場を後にする。1軒だけ個人経営の雑貨店に立ち寄り(でも何も買わず)、昨日と同じく、道の駅・那須高原友愛の森へ。地元産の野菜を買い込む。昨日食べて美味しかった大福も。昼前には那須を後にし、下道をのんびり矢板までドライブし、高速に乗って早めの帰宅。


那須一泊旅行 1日目

2017-06-24 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
11:44 那須ロープウェイ。那須岳に登るのは2度目。前回は麓の駐車場から歩いて登ったが、今回は妻が一緒なのでロープウェイで標高1684mの9合目までショートカット。乗車時間は4分弱。ゴンドラは111人乗りとあって、かなり大きい。

見える頂上までの高低差はここから230m。負担感は少ない。リュックを背負わず手ぶらの軽装の人も多い。ごろごろとした岩場を登っていく。

12:20 歩き出して30分ほどで茶臼岳頂上(1915m)へ。

ロープウェイまで来る途中で立ち寄った道の駅・那須高原友愛の森のお弁当。製造者名として地元のお母さんの名前が書かれた手作り。唐揚げ、煮物、ポテトサラダ、玉子焼き、スパゲティなど。値段が手ごろだった。空腹時は甘い物から先に食べたくなる僕は、これも道の駅で買った大福を、まずはパクリ。

食事を終えると、茶臼岳の火口を右に見ながら下っていく。

切り立った岩場の崖の下に、目指す峰の茶屋の赤い屋根が。

霧が抜けた。前方に朝日岳、三本槍岳が連なる。前回はそちらまで足を伸ばした。歩きたい欲はあるのだが、今回は妻合わせの「ほどほどトレッキング」。

13:35 峰の茶屋からは、茶臼岳の山腹を反時計回りに半周する。無間地獄。噴煙が上がっている。

噴気孔が登山道のすぐ傍らにも口を開けている。妻が不用意に手をかざし、熱すぎて火傷のようになったと言っている。那須岳の噴火警戒レベルは1(「活火山であることに留意」)。箱根と同じ。

南月山への尾根道を分ける牛ヶ首が見えてきた。

14:12 ロープウェイ駅まで戻ってきた。

14:48 歩きとしてはちょっと物足りないし、宿にチェックインするのも少し早いので、車で那須平成の森へ移動。那須御用邸用地のおよそ半分、約560haが宮内庁から環境省へ移管され開園。

森の中を歩く。那須岳からはかなり山を下りてきているので暑い。

森を抜けたところに滝がある。駒止の滝。徒歩でしかたどり着けない山中の密やかな滝と思いきや、どこからかアクセス路がつながり、駐車場まであるので拍子抜けする。森の中の道を入口のビジターセンターまで戻る。

16:09 車でさらに山を下り、温泉街に近づく。殺生石。火山ガスが噴出する岩場。

殺生石の横の山に神社がある。温泉神社。読みは「おんせん」にあらず、「ゆぜん」。参道の緑が美しく、ちょうど妻の羽織っていたカーディガンがこれに近い色をしていたので、これをバックに写真を撮る。さて、宿へ向かいますか。


大岳山・御岳山・日の出山

2017-06-20 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
8:12 青梅線の終点、奥多摩駅。朝、運良く早く起きられたので、そのまま迅速に家を出てきた。平日というのに青梅線は登山客が大勢乗っているので驚いた。「梅雨の合間の貴重な晴天」ゆえか。しかも、みな御岳で降りるのだろうと思いきや、奥多摩まで乗り通していた。駅を出た乗客の大半は、駅前に停まっていた日原鍾乳洞行きのバスに呑み込まれていった。

多摩川を高い橋で渡る。以前にも来たことのあるこのコース、勘と記憶を頼りに歩き出し、別の橋を誤って渡っていたが、途中で様子が違うと気付き、スマホの地図を見て軌道修正した。だから多摩川を渡るのは2度目。

山道に入ってしばらくすると、なかなか長い石段が現れる。愛宕神社の参道。

8:40 石段を登りきると、五重塔が現れる。裏手に回ると、林道がこの山上まで通じている。キツい階段のお蔭で、すでに駅から150mほど高度を上げている。

南東方向、目指す大岳山が頭を覗かせる。大岳山の頂は肩を傾いだような独特な姿をしているので、遠くからでも見つけやすい。

鎖場が現れる。しかしまあ、岩場を伝う木の根っこの伸びようのすごいこと。

若葉の輝きが綺麗。

コアジサイは今が咲き頃みたいだ。

苔の生えた岩。ミニチュアの岩山の尾根を俯瞰しているようにも見える。

10:38 鋸山頂(1109m)。眺望はきかない。

尾根を歩く。植林の杉林ではない、広葉樹の雑木林が気持ち良く感じられる場所に出ると、そこには必ずエゾハルゼミの鳴き声が響いている。人間に気持ち良く感じられる木立ちは、セミにとっても居心地のいい木立ちなんだろう。

12:01 大岳山頂(1266m)。人が結構いる。自分と同じルートを歩いているのは2人しか見かけなかったから、他はアクセスしやすい御岳山から来ているのだろう。

西側、御前山方面を望む。ひとり静かに食事をしたいので、このまま歩き続けることにする。少し下ったところの岩場でおにぎり(梅・シーチキンマヨネーズ・鮭)を。

13:16 御嶽神社奥ノ院。大岳山から御岳山へは、渓谷沿いを歩く「ロックガーデン」のコースもあるが、これはかなり標高を下げた後、再び登り返さないといけないので、行程の長い今日は、高低差の少ないこの尾根伝いのコースを選んでいる。

日の出山が見える。御岳山は左側の木々に隠れているが、もう近い。

13:52 御嶽神社拝殿前。登ってきた階段を振り返ると、正面に日の出山。

拝殿前でなんとなく御岳山を「登頂」した気分になってしまうのだが(事実、そこで引き返したこともあるが)、山頂(929m)は拝殿の奥を進み、石段をあと数段登ったところにある。社の左手に山頂を示す石柱がある。

御岳山頂の方が大岳山頂より人は少なかった。参道の石段を下り、門前の茶店街を抜ける。宿坊の門の前に老犬。

日の出山に向かっている。山の斜面に畑が開かれている。山上の住人がここから野菜を調達しているんだろうか。

14:42 日の出山頂(902m)。ひと気はない。山頂を独占。靴も靴下も脱いで東屋の下のベンチに寝転び、30分ほど目を瞑る。静かで、そよ風が気持ちいい。東屋の向こうが都心方向だが、視界の抜けは良くない。

吉野梅郷方面へ、長い尾根道をひたすら下りていく。
16:02 送電線の鉄塔の立つ梅の木峠を過ぎ、振り返る。一番奥に頂の半分だけ見えているのが大岳山だろう。

16:27 山上に社がある琴平神社。車の走る音など、だいぶ麓の「里」の気配が濃くなってきた。

道標に従って下りてきたはずだが、登山道が変更されたのか、それとも、自分の見落としなのか、いつもとは明らかに違うルートで来てしまった。見慣れぬ俯瞰風景。無心に歩き続けているのと、高度を下げているのとで、暑くなってきた。

いつもとは違う地点(天満宮)で吉野の里に下り、多摩川を渡る。

宮ノ平駅17:26発の電車で帰途につく。


三軒茶屋

2017-06-18 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
朝からずっと雨模様で、散歩というほどは歩かなかった。

13:00前頃に三軒茶屋駅に着く。
駅が地下にあり、駅を出ると高速道路の高架橋ばかりが存在感を示している街というのは、
あまり魅力に感じない。
日本橋や六本木などもそうだ。

北口の地上に出て、あてずっぽうに歩き出し、ランチの店を探す。
パスタをメニューに出す店、つまりイタリアンが目につく。
しかもどこもなぜか「ラグーソース」ばかりだ。
僕らはランチでパスタを選びがちなので、今日はパスタ以外にしようと言う。
飲食店は多いようで、歩けばすぐに別の店にぶつかる。
そうしていくつか立ち止まりながら、和風ののれんが見えて近づくと、鉄板焼きの店。
たまにはこういうのも面白いかも知れないと、そこに決める。リーズナブルだし。
お好み焼き(ミックス)と、焼きそば(五目)。
卓も椅子も壁もみんな油が染みついているのが、いかにも。
具材が来る。
お好み焼きの種の入ったカップというのは、どうして「ぎりぎりまで小さく」されているのだろうか?
大きければ混ぜやすいのになあと思うが、卓の「鉄板以外」の敷地面積からすると、
これくらいのサイズが邪魔にならなくていいのかも知れない。
あるいは、大きくてゆとりがあるとぐいぐい力任せに混ぜすぎてしまい、
種に空気を入れてふわっと仕上げる上手な混ぜ方にならないので、
小さい器でこぼさないよう恐る恐る混ぜるくらいでいいのかも知れない。
焼きは連れに任せる。
見ながらあれこれやり方に口出ししてみるが、自分の小賢しい意見などより
連れの腕前を信頼している方が美味しく仕上がるに決まっている。
美味かった。もう1種類くらい何か焼いてもよかったかもしれない。

14:00前、世田谷線の小駅の踏切に向かう。
ここで係の人と待ち合わせて、リフォームの戸建て物件を見学することになっている。
車の入れない狭い路地を進み、完成した物件へ。
住人の方はここで商売をなさるそうだが、近隣住民以外は絶対に通らなそうな路地なので、
本当に「知る人ぞ知る」ような存在の店になりそう。
余計なお世話ながら、これで商売が成り立つのかな?と不安になる。
もっとも、僕には縁のない、ある種ディープな世界の商売だから、
僕の邪推では窺い知れないような豊かな鉱脈があるのかも知れない。
住人の方はとてもポジティブな印象だった。人脈も広げやすい人なのかも知れない。

1時間ほどでそこを辞する。雨が降ってきた。
下北沢まで歩こうかという話をしていたのだが、雨が鬱陶しいので三軒茶屋へ戻る。
キャロットタワーの最上階・26階に昇り、レストランでケーキセットの休憩。
東側、つまり渋谷側の窓辺の席に座るが、雨で視界は優れず、
渋谷のすぐ先の六本木ヒルズですら霞んでいる。

活動的とまでは言えなかったけど、それなりにイベント感はあった休日。