<鉄道沿線歩き>
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関東鉄道竜ヶ崎線(2013.3.10)
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西武多摩湖線・山口線・狭山線(2013.3.17)
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静岡鉄道(2013.4.14)
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都営大江戸線(2013.4.28)
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相模鉄道本線(2013.5.3)
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都電荒川線(2013.5.12)
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12:30 中央線、武蔵境駅南口。ここから西武多摩川線(8.0km)沿いに歩く。まずは駅の北口の商店街を歩き、何か食べたいものがあったら昼食をとろうと思ったが、それほど食欲もなかったせいか、店に入ることはなかった。道すがら何か食べたくなったら食べればいいや。
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駅からわずか数分歩くだけで、立派な「生産緑地」が広がる。やはり都下、武蔵野。23区とは違う。
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住宅街の落ち着きぶり、ゆとりも、23区とは違う。もちろんこちらの方が好ましい環境だ。
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13:03 新小金井駅(武蔵境駅から1.9km。以下、数値は武蔵境駅からの路線距離)。駅前にコンビニすらなく、静か。駅という機能だけが淡々と住宅街の中にある。
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向かいのホームには踏切で渡る。ローカル色が濃い。でも、跨線橋を昇り下りさせられるよりよほど人間的。
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駅からしばらく歩くとコンビニがあったので、シュガーマーガリントーストと、マグロわさび醤油・ツナマヨネーズのおにぎりを買う。
以前歩いた多摩湖線と同じく、多摩川線の車両の塗装は白一色。なぜ西武鉄道伝統の黄色を捨てて、この不気味な“白装束”を選んだのか、そのセンスは理解に苦しむ。
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跨線橋があったので上がってみた。調布飛行場に着くのだろう、飛行機が高度を下げながら横切る。線路の敷地を見るに、この多摩川線はゆくゆくは複線にする目論見もあったのかも知れないが、全線単線である。
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13:24 武蔵野公園。先ほどまで台地の切り通しの中を走っていた電車が、今は川を高めの鉄橋で跨いでいる。つまり、土地がいきなり下がっているということ。「国分寺崖線」がわかりやすく現れている。先ほど買ったパンとおにぎりを食べる。
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公園の中を流れる野川。水量はずいぶん心細い。ジャンプして飛び越えてしまえる(事実、この後そのようにして対岸に渡った)。
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菜の花と電車。電車は1時間に5本。つまり上下合わせて10本。単線にしては結構な頻度で来る。
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公園の一角はバーベキュー場になっている。この新緑の下でのバーベキューは爽快だな。
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畑。苗木が整然と並んでいる。正月飾りにでも使いそうな樹種だ。具体的に何かはわからないんだけど。
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14:14 多磨駅(4.1km)。多「摩」ではなく多「磨」なんだよね。
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多磨霊園の最寄駅。だから駅前にもこんな看板が目立つ。
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畑越しに電車を見送る。車通りの少ない住宅街の道を歩いているので、実に静かなものだ。
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白糸台駅には車庫がある。電車が留置されている。今線路に出ているのは、多分3編成だと思う。
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車庫の敷地に投げ捨てられている部品の山の佇まいが、なんとなく気に入った。このそばにある踏切の脇には何かの石碑が立っているのだが、その前に跪いて熱心にメモを取っている詰襟制服の男子がいた。その傍らにはテントのような大掛かりな装備の荷物も置かれており。あの男子は何をしていたんだろうか?僕がもう少し気さくな人間なら、話しかけていたのだが。
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14:39 白糸台駅(5.5km)。どの駅の駅前も、駅前だから開発しようとか、ここで商機を窺おうという気配はないのだった。駅を出るとすぐに静かになる。駅自体も、フラッパーゲートを備え付けたような大掛かりな自動改札はなく(代わりに、パスモをタッチさせるスタンドがある)、ラッチと言うんだろうか、駅員さんが中に立つ「囲い」がまだ現役で使われているのだった。
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白糸台駅は京王線の乗換駅ということになっていて、数分歩いたところに京王線の武蔵野台駅がある。10両編成の列車がビュンビュン走り去るところ、支線の多摩川線に対して、こちらはやはり「本線」なのだなと感じさせる。ただし、武蔵野台駅には各駅停車しか止まらないが。
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のんびりと歩いている。電車ものんびり行く。
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「危険です 通らないでください」とは、この「線路の下」のことを指しているんだろうか?高さは1mくらいか。「通らないで」と言いつつも、特に塞がれているわけでもなく、身を屈めれば通れる状態になっている。さすがに真上を電車が通過している時には入りたくないが。線路の向こう側に行きたかったので、通ってしまった。
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多摩川競艇場。ボートのブオンブオンブオン…というエンジン音が響いている。そばには中央道が通っていたり、上空を調布飛行場への飛行機が比較的低空で行き来していたり、このエリアは何かと騒音の種がありそうだ。
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15:23 競艇場正面から競艇場前駅(7.0km)へとつながるスロープ。登りきると、多摩川の向こうの丘陵地帯が見えた。
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競艇場の周囲を回り込むような形で線路は南から西へと方向を変える。
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15:40 終点、是政駅(8.0km)。この駅前もやはり静か。
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駅から少し歩くと多摩川に出る。是政橋。都心から多摩川に延びた東急の旧玉川線もそうであったように、この西武多摩川線も多摩川の砂利採取を目的として敷設されたという。
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多摩川の流れ。下流方向。反対側を見やると、カーブで西から北へと向きを変えて多摩川の鉄橋にさしかかる南武線の電車が見える。南武線はまだ6両で走ってるんだな。
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是政発15:57発の電車で帰る。都心から比較的近くでこれだけローカルムードが味わえる路線、なかなか素敵だ。この後、武蔵境で電車を下りてから吉祥寺まで歩いたので、今日歩いたのは合計16km。