tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

図書館で借りる本 本屋で買う本

2012-11-23 01:15:43 | 雑感
本はほとんど図書館で借りる。
買って所有している本は全部でカラーボックス1個分しかない。
お金を使わずに本を読むのは書物の文化に貢献していないようで申し訳なくも思うが、
自分は会社勤めで独身で、給料からがっぽり住民税を差し引かれているので、
図書館を活用するのはその差し引かれた分を“回収”しているだけだ、とも思う。
幼い時からいつも生活の中には図書館があって、多分、自分の家以外でいちばん親しみの湧く場だ。

「借りる本」と「買う本」の線引きは、自分の中でこんなイメージを持っている。

「読む本」は図書館で借りる。
「使う本」「眺める本」は本屋で買う。

だから「読む本」である小説はたいてい図書館で借りて読んでいる。
村上春樹とか阿部公房とか、文体に独特の魅力があって、
「常に手元に置いておき、折に触れ参照したい」と思える作家の本だけ、買ったのが何冊かある。

それに対して、本屋で買う「使う本」の代表格は旅行ガイドで、
旅行に行くたびに買い揃えるので、日本全県をひととおり旅した今となっては、
全国を網羅できるだけの旅行ガイドが本棚に揃っている。もちろん海外のもある。
図書館に置かれている旅行ガイドには、たまに、
いかにも「旅先に連れ回された」ような痛々しいくたびれ方をしたものがあり、
これはさすがにひどいと感じる。
図書館の本はあくまで「借り物」であって、それを我が物のように消耗品扱いするのはどうかと思う。
まして、マーカーを引いたり、メモを書き込んだり、切り抜いたりなど、言語道断だ。
こういう借り手には、永遠に図書館への出入り禁止処分を下してほしいものだと思う。

そのほかの「使う本」としては、料理やガーデニング関係の本、ジャズの楽曲紹介の本、辞書、地図など。
要するに「使う本」というのは、「読む本」と違い、
「頭のページから順を追って読まれるわけではない本」ということだな。

「眺める本」としては、鉄道関係の本。
もっと芸術への感度と欲求が高ければ、写真集、画集、建築やインテリアのデザイン集なんかも
あってよいところだけど。

「本棚に並ぶ本」は、家の中の他のどんな家具・小物類より、その人の趣味嗜好を如実に物語る。
タレント本や自己啓発本、指南本ばかりなんぞ並んでいたら、相当小っ恥ずかしい。
僕の場合は、カラーボックスをクローゼットの中に入れて見えないようにしている。
もっとも、うちに訪問客はないけどね。

今図書館で借りている本は次の通り。
まだ読んでいないので、この本たちが真に意味するところ
(表象するのが趣味の良さなのか悪さなのか、それによって自分の株は上がるのか下がるのか)
はよくわからない。

戌井昭人『まずいスープ』
多和田葉子『雲をつかむ話』
藤木TDC『アダルトビデオ革命史』
安田佳生『私、社長ではなくなりました。―ワイキューブとの7435日』
磯田和一『書斎曼荼羅 本と闘う人々』

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