tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

秩父札所徒歩巡礼(31番)

2014-05-25 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
①1番~10番 (2013.10.12)
②11番~24番 (2013.10.13)
③25番~30番~白久駅 (2013.10.14)
<今回> ④白久駅~31番~小鹿野 (2014.5.25)
⑤小鹿野~32番~34番 (2014.5.26)


秩父鉄道で秩父へ向かう。
8:52 熊谷駅構内に停車中の電車。元東急の車両が多いようだ。(元都営三田線、元西武線の車両も見かけた)

10:30 前回のゴール地点、白久駅。この駅で下りたのは僕らだけ。今日はここからスタート。30番から31番は秩父札所中で最も距離が長い。だから今日訪ねられるのも31番の一寺のみ。29番から34番までずっと、寺と寺の間の距離は長い。修行の道のりも佳境に入ってきている。天気は薄曇り。今日は車道歩きが続きそうなので、陽射しが強過ぎないのはむしろありがたい。

秩父鉄道の終点・三峰口駅の構内が見え始める。昔の電車や電気機関車が留置されている。

10:55 三峰口駅前を通過。

荒川を渡る。渓谷が深い。

贄川(生贄の「にえ」だな)という宿場を抜け、「巡礼古道」の標識に従って林の中へ。車道なら高い橋で軽々と沢を越えるところだが、昔ながらの道は沢まで下りていき、岩を飛び越えて渡り(増水すると渡れなくなる)、また沢を登る。愚直に地形に従う。長距離の行程、体力のロスを考えるとあまりお勧めできないのか、ガイドブックにはこの道は出ていない。ひたすら車道を行くことになっている。しかし、木立ちの中を歩いていると、実に美しい鳥の囀りが響き渡る。聞き分けられるのは「ホーホケキョ」のウグイスか、「特許許可局」のホトトギスくらいだが、実にバラエティー豊か。今回の歩きは本当に鳥の鳴き声が印象的だった。ふだんの山歩きでもなかなかないくらいに。

旧両神村(現在は小鹿野町域)の中心部に入ってくる。風格ある建物が。「昔の医院のようだ…」と思ったら、本当は医院ではなかったのに、そのイメージばかりが強く残りすぎて、本当は何だったのか忘れてしまった。確か豆腐屋か何かの商店だった気がするのだが。

12:40 道の駅「両神温泉薬師の湯」のベンチで昼食。小鹿野は「ライダーの町」を標榜しているらしく、実際ライダーが多いし(歩く横を隊列を組んで爆音を立てながら通り過ぎるのは嬉しくないが)、「OGANO」のアルファベットを上手にバイクの形にデザインしたロゴ(頭と尻の「O」がちょうどバイクの前後輪になっている)の看板も随所で見かけた。

川を渡り、峠を越え、歩き続ける。
14:05 分かれ道の「三十一番道」の碑。集落を行くと、すれ違う子どもも大人も、「こんにちは」とよく挨拶してくれる。これはこの2日間の歩きを通じてそうだった。このあたりの教育の賜物かしら。

家も途絶え、目指す31番・観音院に行く以外に用途のなさそうな道をひたすら歩く。
14:31 …と、山中に忽然と、斜面を埋め尽くす無数のお地蔵様が。その名も「地蔵寺」。赤い前掛けや風車が供えられている水子供養の地蔵の霊場。

14:45 第31番・観音院に到着。仁王門。観音堂は背後の山の上。

門の中には高さ4mを超す「日本一の石仁王」が。

観音堂までは296段の石段を登る。「296」というのは、「般若心経276字と普回向20字の合計の数」だとか。

岩山に抱かれた観音堂。納経所はこの右に。「午歳総開帳」の今年、納経帳に押される朱印がひとつ増えるほか、「散華シール」がもらえる。「散華」とは「花をまいて仏に供養すること」で、つまりこのシールは花びらを意味するんだな。

観音堂の脇には滝が。白装束の巡礼者がお経を唱和している。

次の32番・法性寺までは、徒歩3時間。今日はその途中の小鹿野の町まで歩き、1泊する。
ヤギを放し飼いにしている牧場があった。みんな一心に草を食んでいる。どこかの団地で敷地にヤギを放し飼いにしたら除草の手間が省けるようになったとニュースでやっていたけど、この働きぶりならそうだろうな。

車道をひたすら歩く。車が横を通るのは鬱陶しいが、歩道はきちんと整備されているのでありがたい。正面に武甲山が。

小鹿野の中心街に入る。店々で寄せ植えを競い合っているようだ。
16:40 宿に着く。歩き疲れた足に温泉がありがたかった。足を自由に投げ出せる畳の部屋もね。

※今回の徒歩巡礼で使用したガイドブックは『秩父三十四ヶ所 札所めぐりルートガイド』。各寺の説明が詳しく、地図も徒歩向きにわかりやすく作られている。

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