情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

共謀罪クイズ~東京新聞(旧聞だけど…)

2006-04-03 23:04:27 | 適正手続(裁判員・可視化など)
東京新聞の特報面で共謀罪の危険性を分かりやすく解説した記事が掲載されていたので紹介します。もう,知っている人も多いと思いますが,まだの方もいると思うので,少しでも多くの方に知ってもらいたいという意味で転載します。まずは,次のクイズを…

■■引用開始■■


キョウボウザイ・クイズ(入門編)

問1 キョウボウ罪、漢字で書くと

 (A)凶暴(B)共謀(C)狂暴

問2 キョウボウ罪は、「団体」が犯罪をやろうと話し合って合意するのを罰するもの。対象となる犯罪はいくつ?

 (A)約20(B)約180(C)約620

問3 キョウボウ罪が対象としている「団体」はどんな団体?

 (A)暴力団だけ(B)暴力団とテロリストだけ(C)すべての団体

問4 キョウボウ罪が対象とする「団体」は何人以上の集まりでしょうか?

 (A)2人以上(B)5人以上(C)10人以上

問5 話し合いに加わって合意した人が罪に問われない場合があるのはどれ?

 (A)合意から抜けたとメンバーに宣言する(B)警察に「こんな合意をしました」と自首する(C)みんなを説得して犯罪の実行をやめさせる

問6 話し合ったことが犯罪になると知らなかった場合はどうなるでしょう?

 (A)罰せられない(B)罰せられる(C)罪が軽くなる

問7 次のうち、キョウボウ罪の対象とならないのはどれでしょうか?

 (A)脅迫の相談(B)万引の相談(C)CDを数枚コピーして売る相談

■■引用終了■■

この回答と解説はhttp://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060331/mng_____tokuho__000.shtmlまで。ちゃんと考えてから,答えを見て下さい。

もし,記事がすでに抹消されていたら,こちらをご覧下さい。


紙面に掲載されていた4コマ漫画も面白いので,できれば図書館で答えを確認して下さい。


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国の非常勤職員給与980億円、大半「物品費」で支出~東京地裁「道具を取り替えるのとは訳が違う」

2006-04-03 22:55:59 | 適正手続(裁判員・可視化など)
読売新聞によると,【中央省庁が正規の職員とは別に雇用している「非常勤職員」に対し、2005年度、少なくとも計約980億円の給与が支払われて】おり,計約13万6000人にも上る非常勤職員の給与の多くは、【物品購入などに充てる「庁費」の名目で予算要求されており、これまで総額は明らかにされていなかった。】という。

 記事では,総務省に対する取材の結果,【自衛隊員や国会職員などを除く一般職員の国家公務員は05年7月現在約30万人で、人件費は年間3兆284億円。定員や人件費は、総定員法や政令などで年度ごとに決められている】が,【非常勤職員については、各省庁の長の承認で自由に決めることができる。予算上、「非常勤職員手当」の名目で支出されているのは全体の2割(約201億円)程度で、大半は本来、物品などの購入に充てられる「庁費」で要求されていた。中には「家庭用品等試験検査費」や「感染症流行予測調査費」などの名目もあり、予算書からはその実態がうかがえない。 】というのだ。

また,【非常勤職員の扱いを巡っては以前から、外部から監視が行き届かないため癒着を生む可能性が指摘されてきた。01年の外務省の外交機密費流用事件では、詐欺容疑で逮捕された外務省職員の知人が非常勤職員として雇用され、週2回の勤務で月約50万円という破格の待遇を得ていたケースも明らかになっている。】という。

確かに,恣意的な運用から,利権の一部になっているともいえよう。しかし,他方で,1年間の有期雇用で非常に身分が不安定な状態で長期間働かされたうえ,簡単に解雇されるという事例も多い。

先日,ここで,有期雇用の職員に対する再任拒否について損害賠償を認める判例が出たことを紹介した。

この判決の中で,裁判官は,いみじくも,物扱いするな!と,次のとおり,苦言を呈している。

【思うに、非常勤職員といっても、任用更新の機会の度に更新の途を選ぶ
に当たっては、その職場に対する愛着というものがあるはずであり、それは更
新を重ねるごとにましていくことも稀ではないところである。任命権者として
は、そのような愛着を職場での資源として取り入れ、もってその活性化に資す
るよう心がけることが、とりわけ日本の職場において重要であって、それは民
間の企業社会であろうと公法上の任用関係であろうと変わらないものと思われ
る。
 また、非常勤職員に対する任用更新の当否ないし担当業務の外注化の当否に
ついては方針もあろうが、任用を打ち切られた職員にとっては、明日からの生
活があるのであって、道具を取り替えるのとは訳が違うのである。
 これを本件について見るに、国情研においては、原告●ら非常勤職員に対し
て冷淡に過ぎたのではないかと感じられるところである。永年勤めた職員に対
して任用を打ち切るのであれば、適正な手続きを践み、相応の例を尽くすべき
ものと思料する次第である。】

読売の公務員断罪記事の裏側では,裁判官が救ったような事例も多くある。公務員に対する一方的な批判はまったく的はずれというしかない。
   

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メディア資本集中化促進へ~規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)

2006-04-03 08:07:18 | クロスオーナーシップ問題
3月31日に閣議決定された「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」によって,メディアの資本集中化が促されることになりそう。また,NHKが番組制作をする際に子会社をはさまないと受注できないというトンでも制度は廃止される見込み。

メディアの資本集中についてはここに次のとおり書かれている。

② 複数局支配規制の一層の緩和【平成18 年度検討・結論】
放送普及基本計画(昭和63 年郵政省告示第660 号)において県域を中心とした放送対象地域が、また、放送局の開設の根本的基準(昭和25 年電波監理委員会規則第21 号)等において放送事業者の複数局支配に係る規制がそれぞれ規定されている。
こうした県域単位を基本とした放送対象地域の設定は、地域に根ざした情報発信メディアとしての存在により地域性を確保する趣旨で行われているものであるが、国民の生活圏の拡大、衛星放送・インターネットの普及に見られるメディアの多様化等を踏まえ、実態に即して見直していくことは必要である。また、県域という限定された範囲での事業活動となるため、地方の民放は経営基盤が脆弱であり、特に番組面ではキー局に依存しがちとなるという指摘もある。
そこで、上記の変化を踏まえ、放送事業者の経営基盤を強化し、放送内容の充実等を促すため、異なる地域間の複数局支配に関する規制の一層の緩和について検討し、結論を得る。(ⅢITウ32b)

…複数局支配が進み,メディアの資本が集中すると,政府の監視能力が削がれることは間違いない。新聞をみると,地方紙の方が比較的リベラルだが,これがなくなると思うと…。放送でも同じではないのか?政府にたてつくメディアをなくすための集中化促進だと思う。

また,NHKの番組制作についてはおなじところで,下記のとおり,書かれている。

なお、番組制作委託のすべてが随意契約となっているのは、放送番組の制作が番組ごとにすべて仕様が異なるという特殊性を持つからであり、一方、これらの契約がNHKの子会社等との取引であるのは、外部の番組制作会社に委託する場合、NHKの編集基準に沿った番組制作を行うため、NHK側プロデューサーの下で制作を行うこととし、委託契約はNHKから制作の委託を受けたNHKの関連団体が行うとしているためであるとされている。しかしながら、NHKの編集基準に沿った番組制作を担保するために関連団体を介する合理性は必ずしもないことから、NHKにおいて、現行の慣行を改めるとともに、番組制作業務委託については、番組の企画提案手続を透明化・明確化する。(ⅢITウ30b(b))

…NHKが番組制作発注の際,子会社をかますのは,天下り先にカネを分配するためだけであり,全く不合理なシステムだった。少しは改善されるだろうか…。


なお,NHKのスクランブル化については,【地上波デジタル放送のスクランブル化の是非を含む受信料制度の在り方、業務範囲等、将来を見通した公共放送の在り方全体の見直しを早急に行い、平成18 年度早期に一定の結論を得る。】と書かれているが…。

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