「子どもがまだ食っている途中でしょうが!」。ドラマのファンならご記憶だろう。『北の国から』シリーズの一場面▼ラーメン店の女性店員が閉店時間だからと純と蛍が食べているラーメンの器を下げようとする。これに田中邦衛さん演じる父親の五郎が声を荒らげる。五郎さんを応援したくなるシーンだが、店員さんの方も気になる。閉店時間とはいえ、どうしてあんなに店を閉めたがったか。ひょっとして、この人にも夜、一人で帰りを待っている子どもがいたりして…▼お客は神さまではなく店で働く人を思いやり、その言動に注意してということなのだろう。客による従業員への迷惑行為などのカスタマーハラスメントを防止する東京都の条例が成立した。全国初の条例で客の暴言などに困ぱいする従業員が増える中、その効果に期待したい▼店の態度につい腹を立て、帰宅後、「あんなに怒らなければよかった」。どなたにも経験があるだろう▼人をなるべく怒らない方法があって、相手の生活や家族を空想することだそうだ。たとえば目の前の従業員がどんなお正月を過ごすかを頭に浮かべる。家族で笑っている光景か。あるいは仕事で正月どころではないかも…。なるほど、ちょっとは優しくなれるか▼客も従業員も対等。自分と同じで苦労して生きている者同士。そう思えば暴言も少しは口から飛び出しにくくなる。
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