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【私説・論説室から】

2017年04月09日 | Weblog

やっぱり、おかしいよね

2017年4月5日

 最近、おかしいと感じることがあまりにも多い。官僚組織をめぐる昨今の問題である。

 学校法人「森友学園」への格安での国有地売却問題では、売り主の財務省と学園側との交渉・面会記録が廃棄されていた。文書管理規則で保存期間一年未満に分類され、契約を締結すれば用済みらしいのだが、どういう経緯があったのかは、闇に葬られてしまった。

 かと思えば、安倍晋三首相の昭恵夫人付き政府職員が当時の学園理事長に送ったファクスの文書は政府側にも残され、公表までされた。「行政文書ではない」にもかかわらず、である。残すべき公文書が廃棄され、私文書が保管されている。この問題に関わる人たちは、おかしいと思わないのだろうか。

 もう一つ、文部科学省の問題である。

 国家公務員法違反に当たる組織的な天下りのあっせんが同省だけで六十二件に上り、歴代の事務次官や人事課長ら計四十三人が停職や減給などの処分となった。

 法律を守るのは行政権限の執行者として当然だが、教育行政をつかさどるものとしてはより高い倫理観が求められてしかるべきだ。

 その立場にある者が、法律を平然と犯す一方で「道徳」教育を推進し、人の道を説くのは、滑稽ですらある。国は、道徳教育を進める前に、国民の手本となるべき官僚自身に倫理観や順法精神を教え込んだ方がいいと言うのは、言いすぎだろうか。(豊田洋一)

 
 
 

今日の筆洗

2017年04月08日 | Weblog

 こういう笑い話がある。地主が自分の土地にある池で釣りをしている男を見つけて大声を出した。「そこの看板が見えないのか。<魚釣りを禁ず>と書いてあるだろ。罰金を払えっ」。すると男が逆に怒鳴り返した。「この嘘(うそ)つきめ! 何時間たっても一匹も釣れないぞ」▼魚などいないのに「釣り厳禁」とは罪つくりな看板だが、国会で審議が本格化した「共謀罪」も、かなりうさんくさい看板だろう▼魚釣りが法で禁じられた池で、腕試ししようと仲間と話し合う。釣り具を持って池まで足を運んだが、気がとがめてやめた。それでも、違法な釣りを仲間と計画したのだからと、罪に問うのが「共謀罪」だ▼こんな乱暴な話はないと反発されて、過去に三たび廃案になった。そこで政府が考えた策が、看板の付け替えだ。「共謀罪」を「テロ等準備罪」と変えたのだが、政府の当初案では条文に肝心の「テロ」の文言が一つもなかったのだから、ひどい看板もあったものだ▼東京五輪招致の際、安倍首相は「(東京は)世界有数の安全な都市」と大きな看板を掲げてみせたのに、今は「(共謀罪など)法整備をできなければ東京五輪を開けないと言っても過言ではない」▼「テロ」の看板を掲げれば、皆ただ恐れをなし、「五輪」の看板を掲げれば、皆、賛成するだろう-とは、ずいぶん国民を見下した「看板政治」ではないか。