ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

怪しさも通り越しちゃった講座です。

2007-03-21 15:35:54 | 着物・古布

さてさて、合間に何度もお休みをいただきまして、すみませんでした。
今日は「作ること」に関するお話です。
写真は、私の手持ちの和裁本の一部、古いものから新しいものまで各種取り揃え?
私は和裁をするために集めているわけではないので、
実は実践は何年もしておりません。これでよくお話してると、
自分でもずーずーしいと思ってます。すみません!

和裁の本は、これだけあってもどの本にも「肌じゅばん」が載っている、
というわけではないのです。着物(和裁本では「長着」といいます)や羽織、
男物、子供、赤ちゃん、とありとあらゆるものが載っているのに、
「肌じゅばん」はない、という本もけっこうあります。
ちなみに写真の古い本、あれだけあっても
肌じゅばんの載っているのはわずかに一冊です。
つまり、肌じゅばんはほんとにカンタンで、載せるまでもない…ってこと?
じゃないかなと思うのですが…。
それが、最近の本になりますと、まず間違いなく載ってます。
やっぱり、一から…ということなのでしょう。

着物をアタリマエに着ていた時代は、母親やおばあさん、お姑さんが
和裁教師であり、日常生活のなかで自然に習い覚えたわけですが、
今は「学校」に行かないと和裁を学ぶことができません。
私が「まず本を買ってください」というのは、つまり火鉢の向こうや縁側で、
「これはこうするんだよ」とか「これはこういうものを使うんだよ」という
そんな小さな知恵や工夫を、じかに耳にすることがなかなかできないからです。
和裁の本には縫い方だけでなく、和裁・着物に関するさまざまな知識も
いろいろ書いてあります。自分は着物まで縫うつもりはないから、
という場合でも、そういった知識と、縫わなくても本を見ることで、
「こういうふうになってる」「こうやってできている」ということを
絵で見られるということで、着物にやっぱり近づくんですね。

ただ、本というのは言葉でモノを言いませんから、いってみれば「一方的」、
それが自分に合うかどうかは、それぞれなんですね。
「初心者向き」という本を買ってみたけど、よくわからない、
という人もいれば、やさしく書いてあってよくわかった、という人もいる…、
でも、「初心者向き」とか「初めて縫うナントカ」という本は、
和裁の本格的なものにくらべて難しいわけはないんです。
親切か不親切かは別として…。
見慣れない文字、聞きなれない言葉があるのは知らない世界ではアタリマエ、
ゆっくりゆっくり、ひとつずつ…です。
それと、肌じゅばんくらいでしたら、難しい言葉はさほどでてきませんし、
私もそうですが、私の初めての針仕事は「教科書」があったわけじゃなし、
ノートをとったわけじゃなし、母に「こうすんねんで」と言われてやって、
それが「○○ぐけ」だ…というふうに耳で覚える…でした。
今はネットという便利な道具もあります。
和裁用語については、調べられる方法がたくさんあるわけですから、
がんばって前に進む気持ちを持っていただきたいと思います。

とりあえず、中を見てはいないものもありますが、

やさしい和裁―単衣作り方から着方、帯結びまで     清水 とき
初めての和裁 手習帖 DVDつき      高野道子・佐藤孝子
上手に縫える着物の仕立て方              野村辰雄

このあたりはそんなに古くはないので「アマゾン」などでみれば、
中古価格で手に入るかもしれません。

私のブログでは、詳しい作り方というよりは、ポイントみたいなものを
ちょっとずつお話していこうと思っています。
まずは肌じゅばんの布の裁ち方です。

和裁の場合は着物の縫い代は、そのまま中に折り込まれますから、
縫い代より余分なところを裁ち落とすということがありません。
反幅をそのまま使い「それぞれに必要な長さ」をとっていくわけです。
肌じゅばんで必要な長さはまず「肩で継がずにまっすぐ前から後ろまでの身頃」
次に「袖」「衿」です。肩当布はとれればよし、です。
衿も、できればまっすぐ一本でとれればいいのですが、
肌じゅばんの場合は、一番中側に着るものですから、
途中で継げばよい、というわけで、分割でとります。
その継ぎ方も、布が少々たりなければ二分割、三分割ととります。
そのへんは自由なんですね。更に残ったところで肩当布をとるわけで、
最初から一反を十分使える場合は、必要なだけ、つまり肩当布なら、
横は30~40センチはほしいところですから、その分取りますが、
布に限りがある場合は、肩当布の長さを3センチ減らす5センチ減らす、
という具合に調節するわけです。どうしてもなかったら、
そこだけてぬぐい使うなんてのは、昔はアタリマエです。

布の裁ちかたと、ちょっと立体的に組み合わせてみた感じの絵です。
布のどの部分がどこなのか、色分けで描いてみました。
こういう裁ちかたの絵というのは「寸法の比率」は正確にとれませんから、
なんかどっちが縦なのか横なのかわかりにくいんですが、
こうして組み立ててみると、お分かりかと思います。
(「くりこし」については、また別のお話にします)



まずは前後の「身頃分を右と左で2枚」、それから「袖2枚」、
「衿は途中でついで、寸法分」残りは「肩当布」です。
布の裁ち方・使い方は、おわかりいただけたでしょうか。

つぎからは実際の縫い合わせですが、まずは特徴的な和裁の針遣いについて、
お話したいと思っています。





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3 コメント

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Unknown (陽花)
2007-03-21 19:41:54
いよいよ肌襦袢の裁ちに入りますね~。
私なんかは自分で縫っていても説明するのって
難しいと思いますが、とんぼ様は図まで書いて
本当に分かりやすく親切だと思います。
返信する
色つきがグッドです♪ (zizi)
2007-03-21 20:46:35
和裁の本、解りやすいのでしょうが、とんぼ様のは「色」がついてるし、矢印で「ココ!」というのがよくわかっていいなぁと思います。

いつも頭の中がチンプンカンプンです 'ρ`
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-03-22 20:01:27
陽花様
自分で描いてて「わかるのか?」と思ってるんです。
そういっていただけると、安心です。
ここからが細かくなるので
長くなりそうですね。

zizi様
ありがとうございます。
自分が和裁の本を見ていて、たまに
「これはどこ」とか「この線はなに」って
思うことあるんです。色分けが
一番わかりやすいかなと…。
続けていきますので、ご覧ください。
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