トップは「その羽裏」のついている羽織。
黒絵羽織です。丈からいって昭和30年代のものかと思いますが…。
「御所人形のお祭柄」、それも海辺のどこかのお祭、ですかね。着物も扇子も波頭の柄です。
こちらは袖の方で踊っているコ、やっぱり波柄。
この羽織の羽裏がこちらです。ね、岡重風でしょ。
絵としてはなかなかのもの。この羽裏「染の薄さ」が特徴??失敗したのか元々なのかわかりません。
色がさめたというのではなく、最初から濃く染められてないんです。こんな感じ。
文字通り「眼が点」になっちゃってたりして…。
もし、もっと鮮やかに染められていたとしたら…
こんなかな?濃くしてみると、まぁまぁでしょう?なかなかいいお顔に描けています。
実物は薄ですから、表地が多少明るい色でも、いけますかねぇ。
これは岡重の「百美人文様」の写しですね。
「岡重」、実は知人に同じ字で「おかしげ」さんがいるもんで、つい「おかしげ」といってしまうのですが、
「オカシゲ」ではなく「オカジュウ」…、オカジュウさん、ずっとちゃんと呼んでなくてごめんなさい。
創始者は明治期の「染色家」、二代目の「重助」さんが、羽裏などの裏地を染める技術で、
名前を知られるようになりましたが、ここでも戦争ってものがねぇ…。
それでも戦後復活、三代目、今の四代目と続き、四代目さんは、着物だけでなく、
いろいろ新しいものも広めようとやっておられます。
岡重の羽裏といえば…というくらいで、コレクションなどの本も出ていますが、
この百美人もその一つというわけです。
羽裏やじゅばんの染でありながら、表地に負けず劣らずの染は、型紙も何十枚も使うものもあります。
表地より高い…というのも、めずらしくなかったそうな。
でもねぇ…今大正期の復刻版などもでていますが、実を言うと私「すごく好き…」ではありません。
柄としてはすばらしいと思うのですが、ちょっと表地と張り合いすぎるキライが…と思ってしまって。
なので、今回のこの写し、元々写しだという立場で控えめで、更にやたら薄いために
すごく謙虚になっちゃってるところも、なんか気に入ったんです。
昨日のコメントにもありましたが、古着についている羽裏は前がカットされていますし、
使いたいと思っても、サイズがあわなくてだめなときもあります。
これは私は羽裏として使うより「見せたい」ので、たとえばバッグの中側に使いたいですね。
トートのようなバッグで、表地と突合せで作れば、もっているだけで、中がチラッと見えますし、
例えば外付けのポケットの飾りフラップなど作って、そこに使って中とおソロにするとか…。
知っている人には「あっ岡重もどき…」といわれるかもしれませんけどねぇ。
私は知ってて使っているので、きにしません。
岡重さんのではありませんが、母のものだったこんなじゅばんがあります。
なんでも柄にしてしまう、日本人のたのしいところだなぁと思っています。
もっとこういう柄、でませんかねぇ。
さて、トップの羽織の方ですが、丈が短いだけで、ダメージはほとんどありません。
ただ、もともとの「黒」の染めの具合ですかねぇ、ちょっと白っぽい黒…に見えています。
でも柄はかわいいし、長く伸ばして裏表で色の違いがなければ、作り直して着ようかな~です。
羽裏はちと小さめのように見えるので、それこそ「ゴソゴソ」と探して、いいのをつけたいですねぇ。
たしかに汚れやすいですが、柄のこまかいものや、
派手なものなら、それほど目立ちません。
私はコントラスト付けたいほうなので…。
羽裏の弱ったのは、接着芯で裏打ちしてから使います。
羽裏としてジミでも、中に使うとおもしろい味がでることもありますよ。
と 思っていましたが
まさに 本日
黒のバックで裏地も黒
その中に 黒の長財布と黒の小銭入れ
黒っぽい小物入れが入り
いやはや 探し物をするのが大変でした
トートバックの裏地・・・解いた羽裏の使用
考えようっと
とんぼさんの様な素敵な羽裏は無いけれど
珍しく、いいお顔ぞろいでしょう。
一色の濃淡でもいいから、もう少し濃いといいですね。
まぁ着るのが「美人さん」でないことを、
考慮してるのかも???
あらまぁ、そんなふうに言っていただくと、
書いている甲斐があるというものです。
ありがとうございます。
気づくということは大切なことですよね。
こちらもあちらも。
見て感じてほしいものはたくさんあります。
季節感を大切にしてきた民族のDNAは、
みんなもっているはずですし…。
今週末はまた寒いそうですが、すぎればまた
着物が着たい季節ですから、楽しんでください。
簪や着物の色、柄などよくこれだけ・・・と
感心します。
せめて中間ぐらいの色の濃さぐらいあったら
なおいいのにと思ってしまいます。
今日は息子に、「この着物、夏に近づきすぎているんじゃない?」と言われ、気にしてくれてありがとう、と感じています。
まだ4月、春から初夏へ、と考えて‥…。
気づいてくれる人が居るのを楽しんで……。
これからも、色々教えてくださいませね。