あの「訪問着羽織」です。
なんとか思っていたものに近い物になってくれました。
もう一度もとの着物を出します。
前の柄部分はそのまま身頃と衿になりました。
後ろはこんな感じ。
和裁師さんのセンスに任せた部分もあり、脇の「襠部分」は、
「もしお気に召さなければ縫いなおします」といわれたのですが、
これでもちっともかまわないわと、そのままOK出しました。
衿はおくみを使いましたから、真後ろでついであります。
胸もこんな感じ…ついであるところは「乳(ち)」の少し下側。
羽織紐はまだつけていませんので、待ち針でとめてあります。
全体にぼかしはがあるわけではないのですが、
柄の近くは色がやや薄くなっていますので、なるべく色の近い部分同士でつなぐようにと、
着て歩いたり、座ったりという動作のなかで、できるだけ目立たないところ、
で、ここになったわけです。
裏は毛抜きあわせでもいいといったのですが、
羽織の裾はごろつかないほうがいいからと、少しですが返して、
その上に無地部分をつないであります。左側は「右前身ごろ」ですが、
そこの裏は同じ色で染められていた八掛です。
こうして別の形になってみて、色の「褪せ」とか、
着物の時には気がつかなかったシミなどいろいろ見つかりました。
もちろん洗い張りをしたので、さっぱりした分落ちない汚れがめだってしまった?
まぁそれでも、堅苦しくない着物にさらりと羽織って楽しみたいと思っています。
今日、呉服屋さんの奥さんがこれを届けてくれたのですが、
和裁師さんとパズルみたいだと言いながら、すごく楽しかった…と言ってくれました。
この繰り回しは、私としては「試作」と言ってはなんですが、
着物はこういうこともできる…ということを実践したかったのです。
元々が格段にお安く手に入ったものでしたし、紋の入った着物としては
あっても着ないだろうと思っていましたから、これで実行。
モンダイは、ですねぇ…呉服屋さんも言っていたのですが、
「こうやって繰り回せる」ということを知らない、
「これでも十分着られる」ということを知らない、
「新しい反物からしか、着物を作ったことのない和裁師さんには、
こういう繰り回しがわからない」…。
「だからやたらと『これはこうすれば羽織になりますよ』とか『帯にしたら?』とか
お勧めできない」
着物は元々が「繰り回すこと」が前提の衣装なのですわ。
この羽織はこのまま着ますが、目立たない色あせ、袖や裏側のわずかなシミ…、
それを考えれば、次はもう表立って着られるものにはしないで、
袖なし羽織にして家の中で着るとか、いっそもう一度全部ばらせば、
前側のきれいな柄は全部無傷で残っていますから、オシャレな布団カバーでも、
チェアバックのようなインテリアにもなりますね。
一枚の着物が、着られて着られて小さなハギレになるには、
気の遠くなるような年月がかかります。
今はそんなにまでして着なくなってしまった時代ですが、
それをただ「今はモノがあるんだから」だけで、片付けたくはないと思っています。
こちらは先日解いた「お召し」、薄汚れた感じで、柄も地味ですし、
あちこち汚れもありましたから、解いて洗いました。
向かって左が洗ったもの、右は解いたままの「袖」です。
赤い○印のところが同じ地の部分、みごとに赤くなりましたねぇ。
そーなんです。水につけたとたんにま~っかな水が…。
ありゃ色落ちひどいわ~と思いながら、とりあえず手早く洗いましたが、
やっぱりねぇ、ダメでしたわ。でも染まったほうが色が濃くていいんじゃない??
これはお召しですから約1.5センチくらい縮みましたが、
普通のちりめんは伸子張りすると、ちゃんと幅が出せるのですが、お召はでません。
いくら細かく伸子を打っても、出るのはわずかです。
やっぱりだめかー…と思っていたら、今日呉服屋さんも
「お召しはどうしても湯のしだねぇ」と言ってました。
「簡易湯のし器」…直して使えるようにしておくかなぁ…。
このお召しは、ところどころに小さいけどきついシミがあったり、
ヒケがあったりしますので、それこそ「ひっぱりにでもしようかしらん」といったら、
「お召しのひっぱりなんてゼータクだねぇ、古着なればこそだわ。
でも水仕事しちゃダメだよ」と言われました。ははは、洗濯どーするんだよって。
はんてんかなぁ、それとも半幅帯かなぁ…と、
また楽しく悩んでいます。
なんとか思っていたものに近い物になってくれました。
もう一度もとの着物を出します。
前の柄部分はそのまま身頃と衿になりました。
後ろはこんな感じ。
和裁師さんのセンスに任せた部分もあり、脇の「襠部分」は、
「もしお気に召さなければ縫いなおします」といわれたのですが、
これでもちっともかまわないわと、そのままOK出しました。
衿はおくみを使いましたから、真後ろでついであります。
胸もこんな感じ…ついであるところは「乳(ち)」の少し下側。
羽織紐はまだつけていませんので、待ち針でとめてあります。
全体にぼかしはがあるわけではないのですが、
柄の近くは色がやや薄くなっていますので、なるべく色の近い部分同士でつなぐようにと、
着て歩いたり、座ったりという動作のなかで、できるだけ目立たないところ、
で、ここになったわけです。
裏は毛抜きあわせでもいいといったのですが、
羽織の裾はごろつかないほうがいいからと、少しですが返して、
その上に無地部分をつないであります。左側は「右前身ごろ」ですが、
そこの裏は同じ色で染められていた八掛です。
こうして別の形になってみて、色の「褪せ」とか、
着物の時には気がつかなかったシミなどいろいろ見つかりました。
もちろん洗い張りをしたので、さっぱりした分落ちない汚れがめだってしまった?
まぁそれでも、堅苦しくない着物にさらりと羽織って楽しみたいと思っています。
今日、呉服屋さんの奥さんがこれを届けてくれたのですが、
和裁師さんとパズルみたいだと言いながら、すごく楽しかった…と言ってくれました。
この繰り回しは、私としては「試作」と言ってはなんですが、
着物はこういうこともできる…ということを実践したかったのです。
元々が格段にお安く手に入ったものでしたし、紋の入った着物としては
あっても着ないだろうと思っていましたから、これで実行。
モンダイは、ですねぇ…呉服屋さんも言っていたのですが、
「こうやって繰り回せる」ということを知らない、
「これでも十分着られる」ということを知らない、
「新しい反物からしか、着物を作ったことのない和裁師さんには、
こういう繰り回しがわからない」…。
「だからやたらと『これはこうすれば羽織になりますよ』とか『帯にしたら?』とか
お勧めできない」
着物は元々が「繰り回すこと」が前提の衣装なのですわ。
この羽織はこのまま着ますが、目立たない色あせ、袖や裏側のわずかなシミ…、
それを考えれば、次はもう表立って着られるものにはしないで、
袖なし羽織にして家の中で着るとか、いっそもう一度全部ばらせば、
前側のきれいな柄は全部無傷で残っていますから、オシャレな布団カバーでも、
チェアバックのようなインテリアにもなりますね。
一枚の着物が、着られて着られて小さなハギレになるには、
気の遠くなるような年月がかかります。
今はそんなにまでして着なくなってしまった時代ですが、
それをただ「今はモノがあるんだから」だけで、片付けたくはないと思っています。
こちらは先日解いた「お召し」、薄汚れた感じで、柄も地味ですし、
あちこち汚れもありましたから、解いて洗いました。
向かって左が洗ったもの、右は解いたままの「袖」です。
赤い○印のところが同じ地の部分、みごとに赤くなりましたねぇ。
そーなんです。水につけたとたんにま~っかな水が…。
ありゃ色落ちひどいわ~と思いながら、とりあえず手早く洗いましたが、
やっぱりねぇ、ダメでしたわ。でも染まったほうが色が濃くていいんじゃない??
これはお召しですから約1.5センチくらい縮みましたが、
普通のちりめんは伸子張りすると、ちゃんと幅が出せるのですが、お召はでません。
いくら細かく伸子を打っても、出るのはわずかです。
やっぱりだめかー…と思っていたら、今日呉服屋さんも
「お召しはどうしても湯のしだねぇ」と言ってました。
「簡易湯のし器」…直して使えるようにしておくかなぁ…。
このお召しは、ところどころに小さいけどきついシミがあったり、
ヒケがあったりしますので、それこそ「ひっぱりにでもしようかしらん」といったら、
「お召しのひっぱりなんてゼータクだねぇ、古着なればこそだわ。
でも水仕事しちゃダメだよ」と言われました。ははは、洗濯どーするんだよって。
はんてんかなぁ、それとも半幅帯かなぁ…と、
また楽しく悩んでいます。
私の着物の師匠は小紋などは羽織にするといいよ、とか帯にするといいよとかアドバイスしてくれるので染めの縮緬の嫁入りの着物を帯にしたことあります。
洋服にリメイクしようと思って買った着物の中には羽織にしてもよさそうなものがあるので
要検討ですね。
それでも色留みたいな訪問着を羽織に、なんて目からウロコでした。
ひっぱりは必ず今年中に作ります!!!
こういうことができる和裁士さんがいる呉服店、とっても貴重だと思います。
着ない・着れないものを持ち続けるより、着れるものにしたほうがいいですよね。これぞ日本のエコ。
ところで、最近、その手の(襠もついた丈が短いだけの)羽織を茶羽織と呼ぶ方に何人か遭遇しました。私は昔母がツルツルした化繊のホームコート地で作ってくれたのが茶羽織だと思っていたのですが。
茶羽織は丈の短さもさることながら、襠がなく紐はだいたい共生地、お末羽織みたいな、上っ張りよりは上等だけど、家着~徒歩圏のもの、ではありませんでしたっけ。自信なしです。
丈長の羽織素敵です。
小紋や無地と違ってこういう柄はどこへ
どの柄をもっていき・・・なんて考えるのも
楽しい半面出来上がりに左右されますから
大変だったでしょうね。
思っていた感じに出来上がって、よかった
ですね。
柄の配置が難しいと思っていましたが
本当に難しそうですね。
私は母の古い訪問着を羽織にしましたが
これはすばらしいものになりました。
模様もいいところに来ましたし、
裾が翻るとそこもステキな模様です。
上の方にたくさん模様がある方が
羽織にしやすいようですね。
URLに記事を入れました。
着物って・・・技術のある和裁師さんって・・・本当にすごい!!
自分ではこういう繰り回しなどまだまだ先の話ですが、こうして見せていただいておくと何かの時に役に立ちそうです。
(忘れぬようにしなければ!)
いつも貴重なお話しをありがとうございます。
和裁士さん、仕事速いですね。早い?速い?
前も後ろも、そして、マチや、裏まで、見せてくださったので、いつか、仕立てる機会があったら、ぜひ、活かしたいと思います。
これを仕立てられた和裁士さんもおっしゃっていらしたそうですが、こういう仕立てって、手ごわいけど、楽しいんですよ。あちこちに接ぎを入れる仕立て直しとか、本当にパズルみたいで、鋏を入れるときにはドキドキしちゃいますけど、面白いんです。手間と仕立て代が、比例しないのはつらいところですが、だから断ろうとは思えないんですよねえ。
私、着物のリフォームは「固定観念」を捨てると
けっこうアイデアが出る気がします。
楽しいもんですよね。
ひっぱり、おきばりやっしゃ!
着物ってほんとにすごいものだと思います。
和裁師さんも、こういことのできる人は、
限られてきたようです。
技術があれば「説明」すればいいんですけれど、
そんな風にしていいの?みたいな?
こういう技も伝えてほしいですね。
ほんとに「自分で縫えたら」なんですよ。
今からでも…なんていわれのですが、
浴衣まででごかんべん…です。
「茶羽織」、おっしゃるとおりのものです。
だいたいが残り布で縫う家庭着ですから、
身八ツ口もつけないものが多いです。
襠はなくてアタリマエ、布が足りなきゃ
衿さえありませんよね。
そのテのものを「茶羽織」と呼びます。
「お末羽織」懐かしいですね。
いまや通じる人は限られます。とほほです。