ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

またまた続きです。

2007-03-06 23:42:29 | 着物・古布

先に、ごめんなさいです。
昨日は少し言葉がたりませんで、自分だけわかって進行しちゃった感があります。
昨日「和裁ができないものはしょーがない、それではそういう中で…」と
書いたのは「和裁ができないならできないでいい」という意味ではありませんで、
和裁はちゃんとできたほうがいいけれど、
習ってもすぐにできるわけではないから、とりあえずまずは今からでもできる
「着物をいためない、汚さない」工夫について…というお話しをいたしました。
いくら大事にしたとしても、きれいに着たとしても、
「だから和裁なんかぜんぜんいらない」、というわけにはいかないんですね。
私が昨日書いた「和裁」とは着物とか羽織とか長じゅばんとか、
それを縫い上げることができる…という意味です。
でも、着物を縫えるとか羽織を縫えるとか、そこまでいかなくても、
それでもやっぱり「着物着るなら針仕事は必要」なのです。
針仕事は着物とはどうしても切り離せないもの、
着物を心地よく、楽しく着るには「針仕事」は必要です。


というわけで、着物縫えなくても、針仕事は始めましょ、というお話です!

着物を着始めてまず最初の針仕事は半襟つけ、ですね。
カンタン半襟もありますが、できれば最初はまず「半襟つけ」から針仕事、
便利グッズは「時間のないとき」などの緊急的状況に使ってほしい、
と、私は思います。ササッとつけられるようになったらどちらでも。
それから着物は「誂え」でない限り、必ずしも自分の体に合うとは限りません。
多少のがまんや、少したくしあげて…なんていうくらいですめばいいのですが、
どうしても「寸法」を替えなければ着られない場合や、
そのままでは見苦しい場合があります。そういうときには「直し」をします。
いちばん多いのは「裄直し」と「袖丈直し」でしょうか。
これは部分的に解いて直します。比較的カンタン…。
裄も袖丈も、袷・単で、それぞれのめんどくささはあります。
袷は裏も一緒に直すし、単は「くける」という地道な作業が多いですから。
それでも、いわゆる「針を持って運針する」ができれば、
あとは方法を覚えるだけです。

「これくらいのことはできなきゃおかしい」ではなくて、
「これぐいのことをできたら着物ライフはもっとラクに楽しくなる」なのです。

「和裁」というと構えてしまいますが、ちょっとした針仕事から始めて、
少しずつ「和裁に近づいていくことができたらいいな」、と思うのです。
「針仕事」は、好き嫌いもあるし器用不器用も(失礼ですが)あります。
それでも、好きな着物を着るためには針は持たなきゃね。
まずはちょっとしたお直しから始めて、
着物のどこかに自分で手を加える…ということに慣れていくとよいと思います。

もし教えてくれる人が身近にいたら、教えてもらってください。
「そういう人もいないし、和裁を習う余裕が今はない」、という方は、
「本」を買うことをお勧めします。
本屋さんで和裁の本を探すと「着物一切の仕立て」だとか
「和裁全書」なんてなにやら大仰で、ちょっとビビってしまいますが、
まず必要なのは「縫う前の基本」、道具がどうの、地のしがどうの、
そういう基本、そして縫い方の基本、これはいわゆる「ぐし縫い」とか
「みみぐけ」とか「玉止め」とか「返し縫い」とか、
和裁で使うテクニックの数々、それは和裁の本なら、
まず間違いなく載っています。
下は昭和27年の和裁本の「縫い方基本」、何が困るって字が小さい!


                


いや、古くてもいいというのも限度がありますが…。
よく「本を見てもよくわからない」、と聞くのですが、
知識がないまま、本だけ見ていても確かにわかりづらいです。
まず着物を一枚用意して、それを見ながら各部の名称とか、
くけ方の名前とか、照らし合わせてみると本を見ているだけよりよくわかります。
単のほうが「構造」がわかっていいですね、つまり浴衣一枚あればいいわけです。

ではどんな本がいいの?これは友人にされた質問。
こればっかりは「これがいいです」と、ポンと言えるのは和裁のプロの方かなぁ。
私の好みで言うならば、もし余裕があれば一冊は「和裁全書」のような本、
もう一冊は、夏場などに出る雑誌の「家中のゆかた」なんていうカンタン本、
これは今風にイラストが大きくて、浴衣の縫い方などがわかりやすいのです。
ただし「ミシン縫い」なんてのもありますので、よく見てから…。

私の場合は、トップ写真のバサマにもらった「新しい和裁全書」
大妻コタカ先生監修です。これは昭和52年度版、
あとの版も出ていると思います。これは1600円ですが、
こういうのはオークションに出ます。今私の持ってる本、写真右の、
「大妻コタカ先生」のもの、1000円で出ていました。
もう一度写真出しましょうね。こちらです。


                


写真の左は「上手に縫える着物の仕立て方」、
きものデザイン工房<野村和裁>の野村辰雄さんのもの。
これは2004年版ですが、中に使われている写真などは古いです。
初版は古かったんでしょうね。
市田ひろみさんの若いときの写真、そのままですし!
こちらには「肌じゅばん」の作り方が出ています。
これ、最初にトライするのに、いちばんカンタンでいいんです。
明日は、このことをちょっと書こうと思っています。

着物の縫い方は、極端に変わることはないのですけれど、
やはり時代時代で、はやる柄や、着方などもありますので、
そういう意味では新しいもののほうがいいと思いますが、
着物を縫うだけのためなら、少々古くても…です。
思いっきり古いと、中身こんなです。これは昭和27年の本、


          


いちばん左は「三条美紀」さん、三番目の紺の着物は「京マチコ」さんですー。
すごいにぎやかな色柄ですねぇ。
こちらは羽織、今着てみたいと…思っちゃったりします!


          


今日は時間がなくて中途半端ですが、また明日に続きますので…。

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8 コメント

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Unknown (陽花)
2007-03-07 08:14:25
一番下の写真の羽織、ほんとに今
着たい感じのする柄ですね。

今の和裁の本は寸法がセンチで
書いてあるのがほとんどなんでしょうかね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-03-07 11:11:04
陽花様
私、大きな花柄の、着てみたい!

寸法、モンダイはそこなんですね。
私の持っている本には両方書いてあります。
でも、呉服の世界が「尺」をまだ使っていますから、
こっちがどっちもよくわかってないと、
わからなくなっちゃうんですよね。
私、袖丈だけは、母と区別するのに昔から、
尺とセンチとどっちもつかってたので
パッとわかるんですが、それ以外は、
センチで言われると「ちょっと待ってよ…」です。
返信する
実際にあったことですが (空朱)
2007-03-07 17:25:12
あるお店の女店主さん
初売りにご自分で着つけられるんですが・・・
袖の振りをみてぎょっとしました。
ちょいと飛び出す、どころじゃありません。
一寸ほども違ってて、空洞ができてる。

「ね、袖丈、合ってないよ」
「アラ、そんなの気にしないわ」

うーん。
お客さまもそう思ってくれたかなぁ。

返信する
野村和裁の本 (M)
2007-03-07 18:50:35
買いました。
でも これを見て 和裁習わないと・・・ って思ってしまいました(笑)
丁寧に説明してはるんだけど 言葉が分からないんですよ。「小針を出す」・・・小針って・・・?? な状態で。
独学で衿付の肌襦袢ワンピースを作ろうと試みたんだけど 衿のあたりで挫折しました。
今も 何枚か浴衣や襦袢を縫いましたけど 先生に待ち針を打ってもらわないとまともに縫えません。


最近は DVD付の和裁の本もあるらしいので もう少し分かりやすいかもですね。

紫の花柄の長羽織・・・すっごく欲しいです。
こういうレトロなのが新鮮なんですよね。
先生も 羽織なんか滅多に縫うことなかったし ここ数年は需要がなくて教えてないので縫えない人も多いとか・・・。流行ってるうちに 教えてもらわないといけませんー。
返信する
無理やり習わせられたんでしたが (蜆子)
2007-03-07 21:52:59
母は日常的に着物着ている人でした。当然和裁、着物の始末は自分で・・・さらに洋裁もできる人。
針ももてない娘に育てては申し訳ないと思ったか、大学は自宅通学であることをよいことに、4年間、夜は洋裁、和裁、料理と習いものは全部通わせられました。小紋の袷、羽織までは縫いました。嫁いだ家は針仕事はプロにという家、だんだん縫えなくなりました。それなのに文句つけるところだけがわかっているという、実に可愛くないお客です。
若いときに縫った紬の袷など、上手ではないけど、きっちりと縫ってあって、われながら頑張っていたんだね~と思うけど、今、針が通らないから始って、半襟つけぐらいしかしてません。
習い物を一生懸命させてくれた母に、すまん、という感じかな。
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Unknown (とんぼ)
2007-03-07 22:19:24
空朱様
そういうところがルーズになっていくのは、
着物を伝えていく上で、ちょっと寂しいことですね。
着物にかかわる人であればなおのこと、
ポイントだけはズラさんでほしいものです。

M様
あの本は、いろいろ見てきた中でも、
わかり易いと思います。
知らないと「えーいやっちゃえ」が
できないんですよね、ヘンになったらどうしよう、
できなかったらどうしようって。
ほんとは和裁を知ってる人に習えたら、
それが一番いいんですよね。
がんばってくださいねっ!

蜆子様
やらずにすむなら、それが一番のゼータクじゃ
ありませんか。うらやましいです。
きっとここにおいでの皆様も、
蜆子様のコメントをお読みになったら、
私もそんな暮らしがしたーいとおっしゃるでしょうね
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 ()
2007-03-08 00:36:39
左の本だけは持っています。
本だけ持っていても縫えるようになる訳では無い事は
重々承知しているのですが・・・
気持ちだけはある・・・だけでは駄目ですよね~
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Unknown (とんぼ)
2007-03-08 21:58:36
恵様
いやいや「キモチ」が大事なのですよ!
まずキモチ、です。
といいつつ、本をうず高く積んでる私、
説得力ないけどっ!
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