ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

藍染木綿

2013-07-16 17:17:17 | 着物・古布

 

一袋にまとめて、そのままにしてありました。

先日「ゆかたはぎれ」で、ちょっとチクチク縫ったとき、母が藍染の木綿地を大切にしていて、

ほんの少しずつ出しては、何かを作っていたことを、ふと思い出しました。

バッグのどこかにはめこんであったり、小さな袋になっていたり…。

 

藍染めのお話をすると、また長くなります。

とりあえず、日本でも平安時代、もしくはその前からあったといわれています。

元々は、葉をそのままこすりつけるといったカンタンな染だったようですが、

やがて「藍」を発酵させてつくる、藍玉「すくも」というものを使う染になりました。

このすくもを作るのには、気温や灰汁の量、時間などに細心の注意をはらう難しい根気の要る作業です。

すくもを作ることを「藍を建てる(立てる)」といいます。

今、ブログのお友達のおつう様が実践しておられますが、ほんとに気を抜けないたいへんな作業です。

 

最初は麻が主流だった日本の衣料の歴史が、木綿の出現で、大きくかわりました。

木綿は発色がよく、藍に染めることで、さまざまなくっきりとした柄を染められるようになったわけです。

藍は色がよいだけでなく、生地を丈夫にし、また藍の成分が虫除けになるところから、

農民の仕事着などに、たいへん重宝したわけです。

糸そのものを藍で染めて織る木綿地と、型染めによる木綿地がありますが、用途に応じて、

日本ではすばらしい「藍染文化」を育ててきたわけです。

 

母も「もったいながり」でしたから、一番大きくても、A4くらいのを、ランチョンマットにはめこんだりくらい。

実家から持ち帰った袋には、三巾つないだもので3メートルくらいのものなんていう、大きなものもありました。

これです。布団側にしていたものの残りでしょうか。もったいなくて使えなかったのでしょうねぇ。

 

      

 

飛騨高山に行ったときに買ったり、京都の骨董市で集めたり…父とよくあちこちの「市(いち)」みたいなものにも

出かけていましたから、コツコツと少しずつ買いためていたのでしょう。

いまならネットで、好きなものを好きなだけ(お金は母もちで)、買えるのに…なんて思いました。

よく見るタイプの菊花や唐草。小さいのはハガキくらいしかありません。

   

         

      

母は花柄よりも「鶴亀柄」や「亀甲柄」が好きでしたが、数で言うと少ないんですよね。

貴重な鶴亀さんたちです。これももったいなくて使わなかった…みたいです。

私も使えないわー…。

 

              

 

これは「中型」でしょう。こういうタイプ、あまり見ないんですよね。

 

           

 

中にはもう色が褪せすぎて、裏表ほとんど差がないものも。

 

        

 

ちなみに折り返して出ているほうが裏です。

で、実際の元の色はどんなかといいますと…左端が元の色の残り。こんなに濃かったんですね。

いかに長く使われたか…。

 

       

 

ちなみに数ある柄の中で、私が一番好きなのは、シンプルに菊だけのこちら。

これはノートくらいしかありません。

 

      

 

こちらは未使用のもので、紅といわれる「べんがら」を入れたもの。

最初はみんなこんなに鮮やかだったんでしょうね。

 

         

 

おかしなもので、今私たちが「いいねぇ、味があるねぇ」というのは、使い込まれて褪せたもの。

お寺や神社でも、鳥居などが真っ赤っかだったり、飾りが金ピカだと、なんかチャチだよねなんていいますが、

古刹といわれる神社仏閣も、できたときは真っ赤っかだったり、きんきらきんだったりしたんですよね。

人もモノも「時間を経て、味がでるから」いいのでしょう。

 

織りの方も少しありました。藍でないものもありますが…。

 

         

 

こうやって置いといても結局そのままですから、つないでつないで…何かにしたくなりました。

できれば大きいものはできるだけそのまま使って、母からもらった箪笥の「油単」がいいかな。

しかーし…完成は…その日はくるのだろーか…。 


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10 コメント

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Unknown (陽花)
2013-07-16 22:54:44
藍染のすくも作りは根気と感が頼り
の大変な作業なんですね。

藍染に魅せられたらとどまるところ
なく集めたくなるんでしょうね。
もったいなくて使えない・・ですよね。
返信する
これはまた・・・ (おつう)
2013-07-17 01:28:23
すばらしいコレクションですね
藍染めの古布はなかなかのお値段で手が出ません;;
型染めの鶴がなんとも素敵な・・・
使える物に生まれ変わるといいですね。

藍のゴキゲン伺いな毎日ですが、今のところニコニコ笑ってくれているようです~
今のうちにたくさん染めたいです、ありがとうございます!^^
返信する
Unknown (古布遊び)
2013-07-17 08:31:25
素敵な藍染が一杯ですね~

お母様の気持ちわかります。
今はネットで簡単に手に入る時代になりましたが、一昔前はあちこちの骨董市へ行っては集めたんですよねえ。懐かしい。。。。
これはあの時の、、と思うといっそう大事になって手を付けられなくなるんですよね。
私もずっとそうでした(笑)。

「おつう様」のブログもさっそく訪問してきました。すごいですねえ~
藍染の世界は奥が深い!!!
返信する
素敵ですね。 (穴熊の女房)
2013-07-17 14:34:27
素敵な布たちですね。
涎を出して 見とれています。
何に 変身するのですか?
出来上がったら 見せてくださいね。
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Unknown (とんぼ)
2013-07-17 19:45:13
陽花様

母は、若いころの記憶の中に、こういう藍染めが
あったみたいです。懐かしさもあったのでしょうね。
すくもつくりとか、たいへんでしょう!
すごく手間がかかっているモノ・・・と思うと、
またまた私も使えませんがな。
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Unknown (とんぼ)
2013-07-17 19:59:24
おつう様

おぉすみません!リンクさせていただいたことを、
事後報告ながらコメントで…と思っておりました。
お許しも頂かず、ご紹介させていただきました。
藍さんは、ご機嫌よろしいとのこと、なによりです。
空気に触れるとかわる…自然のマジックはすてきですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-07-17 20:02:31
古布遊び様

並べていくら眺めていても、あきませんね。
ボロボロでも薄くても、いとおしいです。

おつう様すごいでしょう!本格的です。
自分がやっているわけでもないのに、
はらはらしたり、おぉと喜んだり。
藍はすごいですね。
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Unknown (とんぼ)
2013-07-17 20:03:49
穴熊の女房様

私もははのところで見つけたときは、わぁぁぁぁと
ほぼ叫びながら広げました。
小さいもの、やっぱりパッチしてみようかなとか、
いろいろ考えています。
返信する
Unknown (天鼓)
2013-07-17 21:38:07
田舎の整理をしたときに、明治の藍染めの側の布団が何枚か出てきたようです。
掛け布団で側は無地の藍染め、表(?)は色々な生地のつぎはぎ。
1~2枚いいのを残して、あとは解いて洗って、親戚の知り合いで木綿で細工物を作っている人にあげたそうです。
ある程度の大きさがあれば、もらったんですけどね~。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-07-18 22:35:50
天鼓様

母は、自分の子供のころはよくある「大きな格子柄」の
布団だったようなことを言ってました。
こういうものを見ながら、懐かしい思い出をたどっていたのかもです。
筒描きのりっぱな油単が一枚はほしいと思っているのですが、おたかぁいのですよね。
これだけあることに感謝しなきゃですね。
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