まずは、本ですが昭和45年発行の「日本の女装」という本です。
アマゾンで調べましたら、古本で2500円から、
上は13000円まで、ありました。
京都「じゅらく」の当時の社長、伊豆蔵福治郎氏が、
資料館として「じゅらく染織資料館」を開設し、
昭和45年に15周年記念として出版されたもののようです。
著作権や写真のこともあり、まずは「じゅらく染織資料館」に電話をしたら、
まったく別のところにかかってしまいました。
改めて調べましたら、資料館はしめてしまったようで…。
そこで、株式会社じゅらく、へ直接お電話させていただき、
本のことを伺いましたら、年配の方に変わられて、
「ああ、あの本ですね」と懐かしそうに(ときこえたのですが)…、
ブログで写真を使用させていただきたいと伺ったら
「どうぞよろしいようにお使いください」といってくださいました。
これで安心して使えます。じゅらく様、ありがとうございます。
さて、この「日本の女装」という本には、大宮人から江戸まで、
現存する小袖や復刻ものなど、さまざまな「着物」を写真と文で紹介し、
中に実際に着用した写真が載っています。
トップの写真は、その中の一枚で「小袖幕」という題がついています。
江戸では、幕府ができてから上野の山に桜が植えられ、
庶民に春の花見を奨励したといいます。
小袖幕は、その江戸でも行われた風習ですが、花見の場所取りをして、
そのまわりに縄を張り、幔幕がわりに美しい小袖をかけた…というもの。
商いで財を成した大店の主人などは、妻や娘を着飾らせ、
更には美しい小袖をこうして風になびかせた…、
まぁその見栄っ張りはともかくとして、当時の上野のお山は、
薄紅の桜と華やかな小袖とで、まさに百花繚乱の美しさだったことでしょう。
この写真を見て「あ、洗濯物とりこんどかなきゃ」と思ったあたしって…、
さみしー庶民ですがな。
気を取り直して、次はこの着物、本をスキャンしていますので、
厚みがあってゆがんでいます、すみません。この本では数少ないカラー写真です。
江戸時代後期の一般民間の小袖(振袖)、だそうです。
これを実際着用したのがこちら、
身丈は115センチ、丸帯、お引きずり、おはしょりなし…ですね。
帯の位置にご注目、帯幅があるとはいえずいぶん下でしょう?
こちらはもう少し前「江戸中期」ごろの小袖、
明らかに身幅が広いですね。
「振切留袖」と書かれています。実際袖の柄は途中で切られてます。
着用したのがこちら。
別に風邪ひいて、ノドにタオルまいているわけじゃありませんで、
じゅばんや重ね着の衿元です。グズグズのモソモソですね。
上の写真もそうですが、体全体にブカッとしていて、
お尻の下のたるみとか出っ張りなんて、気にしていませんね。
お尻まで帯巻いていようと、マフラー並みのじゅばん衿であろうと、
当時はそれでおかしくなかったのです。
では、今はどうでしょうか。もちろん、着物そのものの形もかわり、
着方もかわりました。今にあった美しさを追求するのは当然だとは思います。
でもそれが「お教室で習った一律同じ形」では、着物を楽しむ余地がありません。
何を着るのも「ここで何々をしめて、ここで何センチあげて…」と、
それで統一してしまったら、マネキンが着ているのと同じです。
人間はみんな体つきも顔かたちも、その人の持ってる雰囲気も違います。
「基本」を習ったら、次に「じゃあ自分はどうするか」なんですね。
今の時代に美しいといわれる着方は、ただ画一的にキッチリ同じ、
ではないと、私は思います。
洋服だと「私はこういう色柄は似合わないとか
「私はこういう体型だから、こういうデザインがいい」とか、
無意識のうちに考えながら、着たり買ったりしてますでしょう。
着物もおんなじだと思います。まずは「基本」を覚える、そして応用編に入り、
それをとことん楽しむ、です。
もう一枚、
こちらには、すでに故人ですが、随筆家の「寿岳章子」女史の一文が寄せられ、
その中に「昔は今と着付け方が違う」というお話が書かれています。
そして、あるとき着物ののモデルが、足が開くと形が悪いからと、
余分を全部うしろへたぐり、洗濯ばさみでとめている、という姿
つまり撮影現場ですね、それを見て
「彼女は三歩も歩けない、そういう愚かさまで生む現代の着物にくらべて、
この写真の娘はなんとゆるやかな着つけぶりであろう」とあります。
この本がでたのはは、ちょうど以前ご紹介した「洋服のようなキッチリ着付け」の時代。
何もキッチリスマートにでなくてもよい、
着物はそのまま着物であればよい、という思いが伝わってきます。
今は、そのころからくらべれば、ずいぶんとゆったりになりました。
それでも「こうでなければならない」と思い込まれていることが、
たくさんあるような気がします。
あくまで教わるのは「基本と原則」です。
そこからどこをどう自分流に崩すか、着物の醍醐味ですね。
今の今ですが、テレビで、お茶の先生が素敵なお着物をお召しでした。
池のほとりでの撮影だからと、水辺にあやめの訪問着、
帯は水流の柄、そしてちょっとおしゃれに「袖裏のみあやめの色の薄紫」、
袖口から覗いたじゅばんは、暑さのためでしょう単でした。
「帯の柄とか、そういうことに気がつかなかった」という
若いアナウンサーに、その先生ががおっしゃいました、
「こんなこと、誰もきがつかなくていいのよ、自分が楽しむために着るの」
ほんとにそうだと思います。
もちろん、守るべきルール、守ったほうが着物を着るのにつごうのいいルール、
守り伝えていくべきと思えるルールはあります。
それを踏まえたうえで、自分流をみつけてほしいものです。
アマゾンで調べましたら、古本で2500円から、
上は13000円まで、ありました。
京都「じゅらく」の当時の社長、伊豆蔵福治郎氏が、
資料館として「じゅらく染織資料館」を開設し、
昭和45年に15周年記念として出版されたもののようです。
著作権や写真のこともあり、まずは「じゅらく染織資料館」に電話をしたら、
まったく別のところにかかってしまいました。
改めて調べましたら、資料館はしめてしまったようで…。
そこで、株式会社じゅらく、へ直接お電話させていただき、
本のことを伺いましたら、年配の方に変わられて、
「ああ、あの本ですね」と懐かしそうに(ときこえたのですが)…、
ブログで写真を使用させていただきたいと伺ったら
「どうぞよろしいようにお使いください」といってくださいました。
これで安心して使えます。じゅらく様、ありがとうございます。
さて、この「日本の女装」という本には、大宮人から江戸まで、
現存する小袖や復刻ものなど、さまざまな「着物」を写真と文で紹介し、
中に実際に着用した写真が載っています。
トップの写真は、その中の一枚で「小袖幕」という題がついています。
江戸では、幕府ができてから上野の山に桜が植えられ、
庶民に春の花見を奨励したといいます。
小袖幕は、その江戸でも行われた風習ですが、花見の場所取りをして、
そのまわりに縄を張り、幔幕がわりに美しい小袖をかけた…というもの。
商いで財を成した大店の主人などは、妻や娘を着飾らせ、
更には美しい小袖をこうして風になびかせた…、
まぁその見栄っ張りはともかくとして、当時の上野のお山は、
薄紅の桜と華やかな小袖とで、まさに百花繚乱の美しさだったことでしょう。
この写真を見て「あ、洗濯物とりこんどかなきゃ」と思ったあたしって…、
さみしー庶民ですがな。
気を取り直して、次はこの着物、本をスキャンしていますので、
厚みがあってゆがんでいます、すみません。この本では数少ないカラー写真です。
江戸時代後期の一般民間の小袖(振袖)、だそうです。
これを実際着用したのがこちら、
身丈は115センチ、丸帯、お引きずり、おはしょりなし…ですね。
帯の位置にご注目、帯幅があるとはいえずいぶん下でしょう?
こちらはもう少し前「江戸中期」ごろの小袖、
明らかに身幅が広いですね。
「振切留袖」と書かれています。実際袖の柄は途中で切られてます。
着用したのがこちら。
別に風邪ひいて、ノドにタオルまいているわけじゃありませんで、
じゅばんや重ね着の衿元です。グズグズのモソモソですね。
上の写真もそうですが、体全体にブカッとしていて、
お尻の下のたるみとか出っ張りなんて、気にしていませんね。
お尻まで帯巻いていようと、マフラー並みのじゅばん衿であろうと、
当時はそれでおかしくなかったのです。
では、今はどうでしょうか。もちろん、着物そのものの形もかわり、
着方もかわりました。今にあった美しさを追求するのは当然だとは思います。
でもそれが「お教室で習った一律同じ形」では、着物を楽しむ余地がありません。
何を着るのも「ここで何々をしめて、ここで何センチあげて…」と、
それで統一してしまったら、マネキンが着ているのと同じです。
人間はみんな体つきも顔かたちも、その人の持ってる雰囲気も違います。
「基本」を習ったら、次に「じゃあ自分はどうするか」なんですね。
今の時代に美しいといわれる着方は、ただ画一的にキッチリ同じ、
ではないと、私は思います。
洋服だと「私はこういう色柄は似合わないとか
「私はこういう体型だから、こういうデザインがいい」とか、
無意識のうちに考えながら、着たり買ったりしてますでしょう。
着物もおんなじだと思います。まずは「基本」を覚える、そして応用編に入り、
それをとことん楽しむ、です。
もう一枚、
こちらには、すでに故人ですが、随筆家の「寿岳章子」女史の一文が寄せられ、
その中に「昔は今と着付け方が違う」というお話が書かれています。
そして、あるとき着物ののモデルが、足が開くと形が悪いからと、
余分を全部うしろへたぐり、洗濯ばさみでとめている、という姿
つまり撮影現場ですね、それを見て
「彼女は三歩も歩けない、そういう愚かさまで生む現代の着物にくらべて、
この写真の娘はなんとゆるやかな着つけぶりであろう」とあります。
この本がでたのはは、ちょうど以前ご紹介した「洋服のようなキッチリ着付け」の時代。
何もキッチリスマートにでなくてもよい、
着物はそのまま着物であればよい、という思いが伝わってきます。
今は、そのころからくらべれば、ずいぶんとゆったりになりました。
それでも「こうでなければならない」と思い込まれていることが、
たくさんあるような気がします。
あくまで教わるのは「基本と原則」です。
そこからどこをどう自分流に崩すか、着物の醍醐味ですね。
今の今ですが、テレビで、お茶の先生が素敵なお着物をお召しでした。
池のほとりでの撮影だからと、水辺にあやめの訪問着、
帯は水流の柄、そしてちょっとおしゃれに「袖裏のみあやめの色の薄紫」、
袖口から覗いたじゅばんは、暑さのためでしょう単でした。
「帯の柄とか、そういうことに気がつかなかった」という
若いアナウンサーに、その先生ががおっしゃいました、
「こんなこと、誰もきがつかなくていいのよ、自分が楽しむために着るの」
ほんとにそうだと思います。
もちろん、守るべきルール、守ったほうが着物を着るのにつごうのいいルール、
守り伝えていくべきと思えるルールはあります。
それを踏まえたうえで、自分流をみつけてほしいものです。
違いますね。
着物もさることながら、一番下の写真の
草履?下駄?の形の変わっているのには
驚きました。
つい、誰が袖模様のように
畳んだ着物をそのまま紐に掛ける
そんな風情を思っていたので
やはり私も洗濯物?と思いましたよ。
ちなみに名古屋市博物館で開かれている
小袖展の最後に
復元小袖を試着するコーナーがあるのですが、
身幅広いし、総綿入れ
後ピッタリに着て余った部分を
前でひだを取って着たのが
名前のクリックで出る画像です。
ちょっとだけ浮世絵に近づいた気分です。
着付け一つで暑さ・寒さの調節もできる。そんな着物の素晴らしさを伝えてくれる「着付け教室」が増えるといいです・・・。
で、脳眞子様の画像拝見いたしました!ポーズが最高!!でした
脳眞子様って・・・・。
「の、うまこ様」です。すみません!!!
ブログ初心者です。が来れました(汗)
素敵な本ですね。
そして素敵なブログですね。
『包む』ことのヒントやアイデアがたくさんあるので、遊びにきます!!
よろしくお願いいたします。
生活着とは言えない現代の着物ですが、お洒落を楽しむのに卑猥でさえなかったら如何様な形であろうと構わないと思います。
ただ世間はアングラ劇場ではないので、美しく着ようという努力だけはして欲しいと思います。
私何ぞは、元禄時代のつい丈の着物に垂れた細帯を下目に結んだ着姿、これを京の町で見てみたいと心から願っているのですが。
昔からの夢です。
あやめのおばさん、化粧がもう少しゆるめであったらもっと説得力があったのにね。
「遊小紋」のページが更新しました。
「例の襦袢」お言葉に甘えます。
これから先はどんな風にかわっていくのか…。
ミニ浴衣みたいなのは、ゴメンですねぇ。
あの下駄はいわゆる「庭ゲタ」ですね。
うまこ様
やっぱり洗濯物ですよねー。
ふわりとかけてほしいものです。
「うまこ美人図」なかなかですー。
実際着られるなんて、いいですね。
総綿いれ、これで綿入れなら、
あったかいでしょうねぇ。重かった?
ゆん様
基本のソノ先…なんですよねぇ。
あとは自分で考えなさい、
っていうのもナシなんですから。
はるうめ様
ようこそおいでくださいました。
さきほどおじゃまさせていただきましたら、
どうしたらこちらへ飛べますかと…、
気がつかなくてすみませんでした。
和の包み、というと熨斗袋とかふろしき、
何かご参考になるものがあったら幸いです。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
2猫の母様
そうなんです、もともと洋服のように、
体の形に合わせて作ってないんですから、
和で着るのも着崩れるのも、
当たり前のことなんですよね。
それをいかにきけいにかっこよく着るか、
楽しみつつ悩むのが着物の醍醐味ですね。
otyukun様
目に余る…方がときどきいますしねぇ…。
いつの場合も、ほぉーと振り向かれるような
すてきな着物姿を目指したいです。
対丈に細帯、私もやりたいと思ってるんです。
だってぜったいラクだもん。
HP拝見しました。
かわほりくん、だしていただいて、
ありがとうございます。
じゅばんでもなんでもお使いください。
人形屋様
写真の説明で書きませんでしたが、
題は「虫かご」です。
つまり娘さんが、団扇片手に虫かごさげて
庭におりたっているところ…。
なのであれは「庭下駄」です。
今でも老舗の旅館などに行くとありますね。
ダレがはいてもいいようにサイズは大きく、
かといって間違えて表にはいていくような
ふつうの形ではない、というものです。
いろいろありますが、写真のものは
オーソドックスな形で、裏の真ん中だけ
四角くくり抜いたもの。
ほかにも円を半分に切って、片方が半月型、
なんてのもありますね。
今でも両方とも販売していますよ。
ぽこぽこ軽軽でした。
昔なら真綿でしょうから、
こんなにポワンポワンしていなくて
もう少し身に添って
その代わり重かったでしょうね。